1. 上越地域の「かんずり」
「かんずり」は新潟県妙高市をはじめとする上越地域では昔から一家に1つ常備されているといわれるペースト状の調味料だ。漢字で「寒造里」と書き、「寒づくり」を由来としていることからもわかるように、冬の寒さを利用して作られる。
かんずり用の唐辛子は通常の唐辛子の約3倍の大きさともいわれるが、辛すぎず深い味わいが引き出されるうえ、肉厚で栄養分が豊富な品種だという。
塩漬けにしてあく抜きをした唐辛子を、3・4日雪の上にさらす。これを「寒ざらし」という。唐辛子の上にはさらに雪が積もり、雪が塩分を吸って唐辛子の風味をマイルドにし、甘みが高まるという。また雪の水分が唐辛子を種まで柔らかくし、加工がしやすくなるため、この雪にさらす工程は非常に大きな意味を持つ。その後、柚子や糀(こうじ)などと混ぜてペースト状に加工し、3・4年間ほど発酵・熟成させる。途中で年に一度「手返し」とよばれる空気を入れる工程をはさむことで発酵を促進させるのだという。仕上げに、樽に入った状態で屋外に運び出し、再び寒ざらしを行うことで味を引き締め、一層マイルドな味わいが引き出された「かんずり」となる。
辛みの中にも発酵食品独特の甘味や深みがあり、辛さと旨みが調和した食卓には欠かす事ができない万能調味料として親しまれている。
かんずり用の唐辛子は通常の唐辛子の約3倍の大きさともいわれるが、辛すぎず深い味わいが引き出されるうえ、肉厚で栄養分が豊富な品種だという。
塩漬けにしてあく抜きをした唐辛子を、3・4日雪の上にさらす。これを「寒ざらし」という。唐辛子の上にはさらに雪が積もり、雪が塩分を吸って唐辛子の風味をマイルドにし、甘みが高まるという。また雪の水分が唐辛子を種まで柔らかくし、加工がしやすくなるため、この雪にさらす工程は非常に大きな意味を持つ。その後、柚子や糀(こうじ)などと混ぜてペースト状に加工し、3・4年間ほど発酵・熟成させる。途中で年に一度「手返し」とよばれる空気を入れる工程をはさむことで発酵を促進させるのだという。仕上げに、樽に入った状態で屋外に運び出し、再び寒ざらしを行うことで味を引き締め、一層マイルドな味わいが引き出された「かんずり」となる。
辛みの中にも発酵食品独特の甘味や深みがあり、辛さと旨みが調和した食卓には欠かす事ができない万能調味料として親しまれている。
2. 九州地方の「柚子胡椒」
柚子胡椒は、柚子の表皮を細かく刻み、唐辛子と塩をすり合わせた薬味に近い調味料だ。「胡椒」という名前だが胡椒ではない。九州の一部の地方では古くから唐辛子のことを「こしょう」と呼んだため、この呼び名が定着した。
発祥とされる地域は九州各地に存在し、大分県日田市の旧地区とする説や、福岡県の英彦山周辺とする説などがある。九州では一般的な薬味であり様々な料理で使用されているのだが、九州のほかにも柚子の産地である徳島県や高知県でも製造されている。
柚子本来のフレッシュな香りが特徴的だ。
青い柚子の皮の部分だけを細かくみじん切りにするかすりおろし、青唐辛子の種を取り除き同じく細かくみじん切りにする。これらをすり鉢ですり合わせ、塩を加え味を調える。このときのすりつぶし加減や塩加減などでも風味が変わるという。仕上げに柚子の実の部分を搾った果汁を適量加え、柚子の風味を活かす。
青唐辛子の代わりに赤唐辛子を使用することもあるのだが、一般に青唐辛子を使う場合は青い柚子の皮を、赤唐辛子を使う場合は黄色い柚子の皮を使用するようだ。
柚子胡椒は、料理の隠し味や仕上げなど幅広く使われており、焼き鳥・おでん・鍋料理・豆腐料理・刺身や焼き魚などの魚料理・ぎょうざ・焼肉・麺類・味噌汁などの様々な料理の味の引き立て役として親しまれている。
発祥とされる地域は九州各地に存在し、大分県日田市の旧地区とする説や、福岡県の英彦山周辺とする説などがある。九州では一般的な薬味であり様々な料理で使用されているのだが、九州のほかにも柚子の産地である徳島県や高知県でも製造されている。
柚子本来のフレッシュな香りが特徴的だ。
青い柚子の皮の部分だけを細かくみじん切りにするかすりおろし、青唐辛子の種を取り除き同じく細かくみじん切りにする。これらをすり鉢ですり合わせ、塩を加え味を調える。このときのすりつぶし加減や塩加減などでも風味が変わるという。仕上げに柚子の実の部分を搾った果汁を適量加え、柚子の風味を活かす。
青唐辛子の代わりに赤唐辛子を使用することもあるのだが、一般に青唐辛子を使う場合は青い柚子の皮を、赤唐辛子を使う場合は黄色い柚子の皮を使用するようだ。
柚子胡椒は、料理の隠し味や仕上げなど幅広く使われており、焼き鳥・おでん・鍋料理・豆腐料理・刺身や焼き魚などの魚料理・ぎょうざ・焼肉・麺類・味噌汁などの様々な料理の味の引き立て役として親しまれている。
3. 沖縄の「コーレーグース」
「コーレーグース」は、島唐辛子を泡盛に漬け込んだ沖縄県の調味料である。
コーレーグースは「コーレーグス」や「コーレーグスー」などと表記されることもある。語源は「高麗胡椒」の九州地方の方言ともいわれるが、この他にも、「高麗草(コーレーグサ)」、「高麗薬(コーレーグスイ)」泡盛の貯蔵期間が長いものを「クース(古酒)」ということなども語源とする説がある。
コーレーグースはこの名称と共に薩摩藩を経由し沖縄に伝来したとされている。沖縄本島のものより少し小さめで辛い島唐辛子を限られた時期に収穫し、水洗いして陰干ししたあと10日以上泡盛に漬けて作られる。市販品には酢や黒糖、にんにくなどを加えたものもあるが、ベーシックなものは泡盛に島唐辛子を入れるだけで作ることができる。沖縄県では自家製のコーレーグスも作られている。
コーレーグースは沖縄そばの薬味として欠かすことの出来ない卓上調味料であり、沖縄県ではほとんどの食堂のテーブルに置かれているほど。コクのある辛さでそばやパスタなどあらゆる料理のアクセントとして使うことができる。チャンプルー(炒め物)やイリチー(炒め煮)、刺身のつけ醤油、みそ汁などの料理に用いられており、コーレーグースが好きな人は何にでも入れて独特の風味を楽しんでいるようだ。また料理の際には、コーレーグースの泡盛パワーによって肉を柔らかく保ったり旨味を引き出したりするためにも使われている。
コーレーグースは「コーレーグス」や「コーレーグスー」などと表記されることもある。語源は「高麗胡椒」の九州地方の方言ともいわれるが、この他にも、「高麗草(コーレーグサ)」、「高麗薬(コーレーグスイ)」泡盛の貯蔵期間が長いものを「クース(古酒)」ということなども語源とする説がある。
コーレーグースはこの名称と共に薩摩藩を経由し沖縄に伝来したとされている。沖縄本島のものより少し小さめで辛い島唐辛子を限られた時期に収穫し、水洗いして陰干ししたあと10日以上泡盛に漬けて作られる。市販品には酢や黒糖、にんにくなどを加えたものもあるが、ベーシックなものは泡盛に島唐辛子を入れるだけで作ることができる。沖縄県では自家製のコーレーグスも作られている。
コーレーグースは沖縄そばの薬味として欠かすことの出来ない卓上調味料であり、沖縄県ではほとんどの食堂のテーブルに置かれているほど。コクのある辛さでそばやパスタなどあらゆる料理のアクセントとして使うことができる。チャンプルー(炒め物)やイリチー(炒め煮)、刺身のつけ醤油、みそ汁などの料理に用いられており、コーレーグースが好きな人は何にでも入れて独特の風味を楽しんでいるようだ。また料理の際には、コーレーグースの泡盛パワーによって肉を柔らかく保ったり旨味を引き出したりするためにも使われている。
結論
唐辛子を多く使う点で共通しているものの、「かんずり」は自然の寒さの中で作られる熟成のうまみが感じられ、「柚子胡椒」は柚子のフレッシュさが際立つ。そして、「コーレーグース」は泡盛のコクが利いているという。その特徴的な地方の調味料をぜひ使い分けたいものだ。