1. 技法によって異なるスープ

ラーメンスープは作り方、いわゆる「技法」で大まかに二分できる。白く濁った「白湯(ぱいたん)スープ」と、すっきり澄んだ「清湯(ちんたん)スープ」である。
豚骨代表!白湯スープ
白湯の代名詞といえば、九州発の元祖豚骨スープだろう。主に豚骨、一部に鶏骨を使ってグラグラ煮込んだスープだ。とにかく高火力で骨が粉々になるまで煮込む方法で、わざと人の手で骨を砕くこともあるのが特徴だ。雑味も出てしまうが、雑味を超えるパンチの効いた旨みを抽出できる。煮込んだことによるトロみと濃厚な旨みは、凝縮した濃い味好きにはたまらない。
奥深い清湯スープ
火加減が難しく、煮立たせると途端に濁ってしまうのが清湯スープ。豚骨はもちろん、鶏・野菜・魚介などダシは多様だ。弱火でコトコト煮詰めて、濁りが出ないように仕上げるので澄んだスープになる。白湯よりあっさりしているため物足りないという人もいるが、素材の繊細な旨みが味わえる。特に動物系ではなく野菜系には清湯がむいている。
2. 三大味付け

我々が店で選ぶとき、またはインスタントラーメンを買うときに最も気にするのが「味付け」ではないだろうか。三大とはすなわち「塩」「しょう油」そして「味噌」である。
ダシを楽しむ塩としょう油
究極にシンプルなのが清湯・塩の組み合わせだ。ダシの奥深さが味わえるだろう。香りと味わいがプラスされるしょう油はスタンダードな一杯として一番人気だ。しょう油と塩はどちらも「隠し味」として使われることがあり、塩は味を引きしめ、しょう油はコクを出す効果がある。味が濃厚な豚骨スープはしょう油味が多いが、風味を存分に楽しむために塩味で提供されることもある。
店や地域で異なる味噌味
オリジナルの味噌ダレで変化が出やすいので、同じ「味噌味」でもかなり幅があるのが特徴だ。焦がし味噌を使うこともあるし、
白・赤の差、豆・麦・米と原料の差が出る。各地で違う味噌味を求めて全国旅するラーメンファンもいるようだ。
白・赤の差、豆・麦・米と原料の差が出る。各地で違う味噌味を求めて全国旅するラーメンファンもいるようだ。
3. 手作り可能!組み合わせ無限のダシ

うどんやそばならおおよそのダシの目安が決まっているが、ラーメンに至っては無限大だ。自宅で作っても何とかなる、それがラーメンの懐の深さである。
豚骨ダシはグラグラ煮てOK
肉屋で豚骨を買ってきて、深いナベでグラグラ煮る。自宅の火力では骨を砕くことは不可能かもしれないが、水から煮て、アクが出始めたらとにかくマメにすくい取ろう。アクを取り去らないと白湯が黒ずんでしまう。
鶏ガラはお手軽に
肉屋やスーパーで鶏ガラを買ってきてもいいが、顆粒鶏ガラスープの素で手軽に作ることもできる。鶏ガラでダシをとる場合は、火力を弱めにして、一緒にショウガやネギ、くず野菜を煮込むのをおすすめする。手羽先や手羽元でも美味しいダシがとれる。
魚介系なら野菜を足して味噌汁感覚
鰹節や昆布が味の決め手の魚介系ダシ。コクを出したいならアゴなどの煮干し系がおすすめだ。メインの素材と一緒に野菜を煮込んでダシをとると、味噌汁のようでホッとする味に仕上がる。肉類を使わずあっさり仕上げてもいいし、他のダシと合わせても美味しい。
結論
ひとくちに「ラーメンスープ」といっても、組み合わせが多くて複雑だ。「技法」「味付け」「ダシ」の相性を考えて選ぶと、より自分好みの味を選ぶことができる。外で食べる時はもちろん、自宅で研究してみるのも面白いだろう。