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漢方からコーヒー、ワインまで「ストーンフルーツ」とは?

漢方からコーヒー、ワインまで「ストーンフルーツ」とは?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

鉛筆アイコン 2021年6月 9日

「ストーンフルーツ」というと、何やら硬くて石のような果物?と想像してしまう。果物そのものだけではなく、コーヒーやワインのフレーバーにもイメージとして使われる言葉である。実際はジューシーで美味しいモモやサクランボのことで、日本でもストーンフルーツを指す総称があるのだ。なぜモモやサクランボなどをストーンフルーツと総称するのだろう。

  

1. 中に大きな種の入っている果物

ストーンフルーツとは、果物の果肉部分ではなく、種をさしている。一粒大きな種が中に入った果物を総称する単語だ。

石の果物?

甘酸っぱく、日本人からすればむしろジューシーさを感じる、サクランボ・アンズ・モモ・ネクタリン・プラム・プルーンなどなど。共通の特徴は、果肉の真ん中に大きめの種がゴロンと一粒入っていることだ。確かに真っ二つに割ると、断面に見える種はまるで石のようである。うっかりかじると歯が大変だ。日本ではこれらの果物を総称することが少ない。

果物文化の差

オーストラリア、カリフォルニアなど、新鮮な果物を常食する国は各種ストーンフルーツの旬が一斉に訪れる。その時期にはキロ単位での量り売りが当たり前で、とにかく安い。ストーンフルーツの旬は国民に楽しみにされているお祭り期間のような感覚だ。フランスでは「フリュイ・ア・ヌワイヨー」と呼ばれている。ストーンフルーツ同士は焼き菓子などに合わせた時の相性がよく、総称されていることが多い。ストーンフルーツだけのレシピ本も数多く出されており、単品ではなく全体として愛されている果物なのだ。

2. 日本では「石果」「核果」

実は、日本でもストーンフルーツを指す単語がある。分類上まとめての総称だ。

石果、核果

石のような硬い種がある果物は「石果(せきか)」「核果(かくか)」といい、主にバラ科サクラ属の果物のことをいう。果物を一般的に呼ぶ際には使わないが、「核果果実」という分類があるのだ。アンズ・ウメ・サクランボ・スモモ・プルーン・モモ・ネクタリンがこれにあたる。古来、これら核果は果物として食べるよりも、花を鑑賞したり漢方薬としての需要が高かった。

固い種の中身

核果の種は、硬い殻の中に小さな核が入っている。小梅漬けの種を歯で割ったことがある人なら分かるかもしれない。この部分を「仁(にん)」と呼び、漢方薬として使われてきた。アンズは杏仁豆腐で有名な「杏仁(あんにん)」、モモは「桃仁(とうにん)」である。これらの核は神話や言い伝えも含め、健康によいとされてきた歴史がある。

3. コーヒーやワインのフレーバー

コーヒーやワインの香味表現には「果実のような」と、しばしばフルーツが登場する。ストーンフルーツもそういった香味表現で使われることがある。

甘ずっぱさの表現

コーヒーは果実や花のようにフルーティーな香りがするものがあり、キュっと甘酸っぱさが濃縮されたような、酸味も感じる香りを指して「ストーンフルーツ・フレーバー」ということがある。ワインや蒸留酒は、ストーンフルーツが原料だったり漬け込んだりするので、その香りは一層本物に近い。

ワイングラスも専用が存在

特に酒類は、ストーンフルーツ・フレーバーの繊細な香りを楽しむため、専用のグラスが存在する。蒸留酒の香りが飲み口部分までゆったり立ち上ってくるようにデザインされており、丸底フラスコのような特殊な形だ。キルシュやマラスキーノ、アプリコットブランデーなどの核果原料の蒸留酒を本格的に楽しみたい人には、おすすめの逸品である。

結論

ストーンフルーツは種だけでも香りがする。食べ終わった後の種をとっておいて、酢やシロップに数週間つけておくと、香りが移ってフレーバービネガーやフレーバーシロップになる。ストーンフルーツを何種類か混ぜて、オリジナルのドリンクを試してみよう。

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  • 公開日:

    2018年10月10日

  • 更新日:

    2021年6月 9日

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