1. 鶏ムネ肉はなぜ固くなる?

そもそも、鶏もも肉は加熱してもそれほど固くはならないのに、鶏ムネ肉はなぜ固くパサパサになってしまうのだろうか。その秘密は、脂肪の量の違いにある。鶏ムネ肉は、鶏もも肉よりも水分が多いと同時に、筋肉の膜が薄く、脂肪の量が少ない。肉に含まれるたんぱく質は加熱することで縮む性質があるが、脂肪は加熱しても縮みにくいため、脂肪の量が少ない鶏ムネ肉は加熱されるとギュッと縮みやすく、そのため水分が押し出され流れ出てしまいやすいのだ。その結果、水分が抜けて脂の少ない、パサパサとした食感になってしまうのである。
一方で、鶏もも肉は鶏ムネ肉よりも脂肪分が多い上に筋肉の膜も厚いため、縮みにくく水分を逃がしにくく、加熱調理してもジューシーさを保つことができるのである。
一方で、鶏もも肉は鶏ムネ肉よりも脂肪分が多い上に筋肉の膜も厚いため、縮みにくく水分を逃がしにくく、加熱調理してもジューシーさを保つことができるのである。
2. 「ブライニング」でやわらかく

ここまでで、鶏ムネ肉が固くなってしまうのを防ぐには、水分を保つようにすることが重要だということがわかった。そこで活躍するのが、「ブライニング」という調理技法である。欧米では、ターキーや鶏肉をやわらかくするのに使われてきた技法だそうだ。
やり方は簡単で、水100gに対してそれぞれ5%程度(約5g)の塩と砂糖を溶かした「ブライン液」という水溶液を作り、その中に鶏ムネ肉を30分以上、できれば一晩以上漬け込んでおくことだ。
塩の作用によりタンパク質が分解されて水分が入りやすくなり、砂糖の作用により入り込んだ水分の保水力がアップする。しかも、塩によってタンパク質が分解されるため加熱しても縮みにくくなる。そのため、加熱した際に水分が抜けてもジューシーさ、柔らかさが保たれやすくなるのだ。
やり方は簡単で、水100gに対してそれぞれ5%程度(約5g)の塩と砂糖を溶かした「ブライン液」という水溶液を作り、その中に鶏ムネ肉を30分以上、できれば一晩以上漬け込んでおくことだ。
塩の作用によりタンパク質が分解されて水分が入りやすくなり、砂糖の作用により入り込んだ水分の保水力がアップする。しかも、塩によってタンパク質が分解されるため加熱しても縮みにくくなる。そのため、加熱した際に水分が抜けてもジューシーさ、柔らかさが保たれやすくなるのだ。
3. 漬ける前に開いておく

ブライニングの効果を最大限に引き出すには、鶏肉がブライン液に触れる面積を大きくしておくことが重要だ。そこで、鶏肉を観音開きにしたり、全体に包丁で切り込みをいれたりしておくといい。
一枚肉のまま調理する必要がない、という場合には、そぎ切りにするなどして細かく切り分けておくと、効果がより高くなるだろう。
一枚肉のまま調理する必要がない、という場合には、そぎ切りにするなどして細かく切り分けておくと、効果がより高くなるだろう。
結論
鶏ムネ肉は、鶏肉本来の旨味がつまったとてもおいしい部位だと言われているが、パサパサ感のせいで苦手になる人も少なくない。そんな鶏ムネ肉をジューシーに仕上げるために、ちょっとしたひと手間を惜しむことなく挑戦してほしい。