1. カンジャンの概要
カンジャンは、コチュジャン(唐辛子味噌)、テンジャン(味噌)、チョングクジャン(清麹醤)などと並ぶ朝鮮半島の伝統的な基本調味料の1つ。日本料理でいう醤油にあたり、見た目は日本の醤油とそっくりだが、実際に口にしてみると、風味は醤油とは微妙に異なる。韓国でも古くから醸造され、煮物料理やヤンニョム(合わせ調味料)のベースなどとして使われてきた。
カンジャンは、醤油と同様に、味を調えたり旨味を引き出したりといった、さまざまな用途で利用される。カンは「塩味」、ジャンは伝統調味料の総称である「醤(ジャン)」を表している。つまり、カンジャンとは「塩味の醤」という意味だ。
カンジャンは国教として仏教を強く重んじていた時代に発見されたともいわれている。殺生が禁じられタンパク源が限られる中、カンジャンは米などの穀物では足りない、必須アミノ酸であるリシン(リジン)の補完にも一役買ったとも思われる。日本の醤油と同様には熟成期間の長さによって濃口と薄口があり、濃口がチンカンジャン、薄口がククカンジャンと呼ばれ使い分けられる。家庭ではそれに加えてヤンジョカンジャン(醸造醤油)とよばれるものもよく使用されている。
さらに、伝統的な自家製のものか工業的に大量生産された市販製品かによっても呼び名が変わる場合もあり、カンジャンの呼び名はかなり数多く存在しているとされる。
カンジャンは、醤油と同様に、味を調えたり旨味を引き出したりといった、さまざまな用途で利用される。カンは「塩味」、ジャンは伝統調味料の総称である「醤(ジャン)」を表している。つまり、カンジャンとは「塩味の醤」という意味だ。
カンジャンは国教として仏教を強く重んじていた時代に発見されたともいわれている。殺生が禁じられタンパク源が限られる中、カンジャンは米などの穀物では足りない、必須アミノ酸であるリシン(リジン)の補完にも一役買ったとも思われる。日本の醤油と同様には熟成期間の長さによって濃口と薄口があり、濃口がチンカンジャン、薄口がククカンジャンと呼ばれ使い分けられる。家庭ではそれに加えてヤンジョカンジャン(醸造醤油)とよばれるものもよく使用されている。
さらに、伝統的な自家製のものか工業的に大量生産された市販製品かによっても呼び名が変わる場合もあり、カンジャンの呼び名はかなり数多く存在しているとされる。
2. カンジャンの製法
カンジャン製造が工業化されるまでは、カンジャンをはじめとした各種のジャンは家庭で作るものであったという。
伝統的な製法は冬期に開始される。主原料である「ペクデ」または「メジュコン」と呼ばれる大豆を1晩水に漬けて膨らませたあと、ゆでて臼ですりつぶし、豆の形を残した粗めのペースト状にする。このペーストを一定の大きさの直方体状に固めて「メジュ」とよばれる豆麹に成型する。メジュはカンジャンのほか、テンジャン、コチュジャンなど各種ジャン類の材料にも利用される。
メジュは湿気や換気が調整され暖かく保たれた部屋でカビを生えさせたあと、藁で縛って冬の間、軒先や部屋に吊り下げて発酵させる。藁に含まれる枯草菌により、メジュの発酵は促進される。メジュの大きさにもよるが、1か月~3か月後の早春から日光に当ててカチカチに固くなるまで乾燥させ、大きなカメの中に殺菌と消臭のための木炭とともに入れて塩水を加え、さらに発酵させる。メジュと塩水の入ったカメのふたは雨天や夜間以外には外されて日光に当てられる。発酵が進むと、上澄みの液体はカンジャンに、固くて塩辛い塊はさらに乾燥させて熟成させるとテンジャンとになる。
伝統的な製法は冬期に開始される。主原料である「ペクデ」または「メジュコン」と呼ばれる大豆を1晩水に漬けて膨らませたあと、ゆでて臼ですりつぶし、豆の形を残した粗めのペースト状にする。このペーストを一定の大きさの直方体状に固めて「メジュ」とよばれる豆麹に成型する。メジュはカンジャンのほか、テンジャン、コチュジャンなど各種ジャン類の材料にも利用される。
メジュは湿気や換気が調整され暖かく保たれた部屋でカビを生えさせたあと、藁で縛って冬の間、軒先や部屋に吊り下げて発酵させる。藁に含まれる枯草菌により、メジュの発酵は促進される。メジュの大きさにもよるが、1か月~3か月後の早春から日光に当ててカチカチに固くなるまで乾燥させ、大きなカメの中に殺菌と消臭のための木炭とともに入れて塩水を加え、さらに発酵させる。メジュと塩水の入ったカメのふたは雨天や夜間以外には外されて日光に当てられる。発酵が進むと、上澄みの液体はカンジャンに、固くて塩辛い塊はさらに乾燥させて熟成させるとテンジャンとになる。
3. 使い方
カンジャンは呼び名も種類も数多くあるが、前述したように、家庭では主にチンカンジャンとククカンジャン、ヤンジョカンジャンと呼ばれるものが使われている。
チンカンジャンは、塩分が少なめでほのかな甘味があり、色が濃いのが特徴。熱を加えても味の変化が少ないため、煮物、炒め物などの加熱調理に向いているといえる。ククカンジャンは日本の薄口しょうゆと同様に、塩分含有率が高く、色が薄めなのが特徴。汁物や和え物など、素材本来の色を残しつつ味を調えたいときに塩の代わりに使用することが多い。そのほかスープや鍋料理、ナムル等の塩味をつけるために使われる。
ヤンジョカンジャンは微生物による発酵と長期熟成で醸造されるため、深みのある味わいと豊かな香りをもつ。ドレッシングやつけダレなどに混合されたり、食材にそのままつけたりして食される。カンジャンといえば、カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)という人気韓国料理のメイン調味料としても知られている。
日本人観光客が韓国で食べたい料理トップ3に必ず入るといってもよい「カンジャンケジャン」は、新鮮な生のワタリガニを塩に漬け込み熟成させた韓国料理である「ケジャン」の中でも醤油漬けにしたものを「カンジャンケジャン」と呼び、「ごはん泥棒」の異名をもつ。仕上げにカニの甲羅の中でごはんとカニ味噌とカンジャンをしっかり混ぜ、韓国のりをふりかけたり巻いたりして食べる。
チンカンジャンは、塩分が少なめでほのかな甘味があり、色が濃いのが特徴。熱を加えても味の変化が少ないため、煮物、炒め物などの加熱調理に向いているといえる。ククカンジャンは日本の薄口しょうゆと同様に、塩分含有率が高く、色が薄めなのが特徴。汁物や和え物など、素材本来の色を残しつつ味を調えたいときに塩の代わりに使用することが多い。そのほかスープや鍋料理、ナムル等の塩味をつけるために使われる。
ヤンジョカンジャンは微生物による発酵と長期熟成で醸造されるため、深みのある味わいと豊かな香りをもつ。ドレッシングやつけダレなどに混合されたり、食材にそのままつけたりして食される。カンジャンといえば、カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)という人気韓国料理のメイン調味料としても知られている。
日本人観光客が韓国で食べたい料理トップ3に必ず入るといってもよい「カンジャンケジャン」は、新鮮な生のワタリガニを塩に漬け込み熟成させた韓国料理である「ケジャン」の中でも醤油漬けにしたものを「カンジャンケジャン」と呼び、「ごはん泥棒」の異名をもつ。仕上げにカニの甲羅の中でごはんとカニ味噌とカンジャンをしっかり混ぜ、韓国のりをふりかけたり巻いたりして食べる。
結論
カンジャンは、煮物、炒め物、スープや鍋料理、ナムルといった一般的な韓国料理にも欠かせない調味料の1つだ。カンジャンの元となるメジュは手間暇をかけてじっくりと仕込まれ、風味は微妙に異なるが、日本の醤油にとてもよく似ているといえるだろう。