1. カニかまの魅力

戦後の日本で生まれ、一大ムーブメントを起こしたカニかま。今では、あまりに当たり前すぎて、注目されることはあまりない。そもそもカニかまは、人工クラゲの開発をしていた食品加工会社が失敗続きの試作品を口にしたところ、まるでカニのような食感だったことから商品化された。
カニが手軽に
発売後、瞬く間に日本に広まったカニかま。カニという高級食材を、手軽に味わった気分になれるとあって、カニかまはちょっとしたブームになった。また、調理しなくてもそのまま食べられる利便性も、人気を集めた秘訣。以来、お茶の間ではポピュラーな食材になったのだ。
多彩な使い方
そのままではもちろん、サラダや和え物の具、チャーハンや炒め物に、ちらし寿司や茶碗蒸し、グラタンなどにも使うことができる。さらにカニかまは、種類も年々多彩になっている。本物のカニと見まごうルックス・味のもの、栄養素をプラスしたもの、卵が使われていないアレルギー対応型など、ニーズに合わせた進化が見られる。
2. カニかまの世界進出

カニかまヨーロッパ上陸
日本の家庭で定番になったカニかま。実はこのところ、海外でも非常に人気が高いらしい。なかでもヨーロッパ、食の都パリを擁するフランスで、とにかく人気。スーパーのカニかま売り場には、日本同様、さまざまなカニかまが鎮座しているそうだ。日本でおなじみのタイプはもちろん、よりリッチにアレンジしたものや、大容量タイプもあるらしい。
SURIMI
カニかまは、ヨーロッパだけでなく、海外では「SURIMI」の愛称で親しまれている。普通のカニより美味しい、高タンパクで低カロリーなど、ヘルシー志向の影響も受け、人気が上昇したようだ。家庭料理にはもちろん、レストランで使われることもあるという。
人気の秘密
ブームになった理由は、その手軽さ。肉食文化の色が濃いヨーロッパでは、健康面から魚介類を食べるといい、そんなムードが漂っている。ただ、魚は調理や下ごしらえなど、やや肉に比べて面倒なところがある。そこで手軽に食べることができるカニかまに白羽の矢が立ったというわけだ。さらに魚介類特有のにおいも少なく、魚が苦手な人にとっても嬉しい存在だったよう。
3. カニかまの活用法

フランスのサンドウィッチ
フランスでは、カニかまを利用したサラダやデリカテッセン、サンドウィッチなどが人気らしい。マヨネーズで和えたものをバゲットに挟んだサンドウィッチは、街のパン屋で販売されているほどだ。そのほかテリーヌの具材にすることも。家庭ではキッシュの中身に使われることもあるらしい。
スペインのアヒージョ
アヒージョは、魚介類やマッシュルームをたっぷりの油のなかでグツグツ煮る、スペインタパスの王道。そのアヒージョにもカニかまが使われているようだ。味のしっかりとついたカニかまは、アヒージョの具材に最適。カニの味わいが移ったオイルに、バゲットを浸すとなんともクセになる味わい。
イタリアのパスタ
イタリアでもカニかまは大人気。イタリアはカニの漁獲量が乏しいこともあり、カニの代わりとして使われることも多いそうだ。パスタ、フリット、リゾットなど、幅広いメニューに使われているようだ。
結論
海外でも広く受け入れられているカニかま。日本では思いつかないようなその国独自のレシピで食べられていることもわかった。カニかまが、これほど守備範囲が広かったとは、なんとも驚きである。