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シンプルが一番!「湯豆腐」の歴史や美味しくするコツ

シンプルが一番!「湯豆腐」の歴史や美味しくするコツ

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

鉛筆アイコン 2020年2月14日

寒さが増してくると恋しくなる湯豆腐。簡単に作れて、タンパク質もたっぷり摂れる嬉しい料理である。ただ、簡単な調理法だからこそ、豆腐にスを立たせない方法など知っておきたいポイントもある。

  

1. 湯豆腐の歴史

豆腐は奈良時代に中国から日本に伝わったと言われている。いまはどこでも手に入る豆腐だが、当時、豆腐は貴族や僧侶など特権階級の食べ物であり、庶民の口に入ることはなかったという。やがて、室町時代になると庶民の間でも豆腐が食べられるようになり、江戸時代には豆腐料理の本「豆腐百珍」がブームに。翌年には続編の「豆腐百珍続編」が、翌々年には「豆腐百珍余禄」が出版された。

では、湯豆腐の起源はというと、いつから始まった料理なのか明らかではないのだが、京都の南禅寺で作られたのが最初ではないかと言われている。ただ、江戸時代の書物「京案内書花洛名勝図会」には、『丹後屋の湯豆腐は、いにしえよりの名物にして旅人かならずこれを賞味し...』という記述があり、南禅寺の門前にあった丹後屋という店の名物料理であったことが伺える。当時、南禅寺の湯豆腐は焼き豆腐を煮込んだものであったそうだが、いまでは一般に、昆布だしで絹ごし豆腐を煮たものが湯豆腐と言われている。

2. スを立たせない

●なぜ豆腐にスがたつのか。
湯豆腐は昆布だしで豆腐を煮るだけで簡単に作れる料理である。しかし、豆腐にスが立ってしまい、食感が悪くなり失敗することがよくある。豆腐は水分を非常に多く含む食品で、固体ではあるが90%は水分でできている。そのため高温で加熱し続けると、豆腐の水分が蒸発するため水蒸気が発生する。その水蒸気が豆腐の中で膨らみ、タンパク質が加熱されて固まってしまう。その時できた空洞がスなのである。

豆腐にたくさんの穴があいてしまうと、滑らかな食感が損なわれるのである。高温で長時間加熱しないことがコツだが、ぬるい湯豆腐では味気ない。豆腐の温度を70℃くらいに温めるとスが立たず、かつ温かい湯豆腐が食べられる。

●昆布の意味
湯豆腐を作る時、出汁を取るために鍋底に昆布を敷く。昆布一枚のことではあるのだが、昆布を敷くことによって豆腐への熱の伝わり方が緩やかになり、急激な温度上昇を防ぐことができるのだ。また、昆布に含まれている塩分が、豆腐のカルシウムが固まるのを和らげるため、スが立ちにくくなる。

3. 美味しく作るコツ

●鍋を選ぶ
湯豆腐は金属製の並べても作れるが、土鍋で作ると豆腐に緩やかに熱が伝わり、また土鍋はいったん温まると熱を逃しにくいので、そのまま保温する効果に優れている。そのため、ゆっくり静かに加熱すると、70℃くらいに温まった豆腐を食べることができるのである。急激に加熱してぐらぐら煮立たせるのがスを立たせる原因になるのだが、アルミ鍋など金属製の鍋は熱の伝わりが早いため、スが立ちやすくなる。ぐらぐらと煮立てて温めないように注意したい。金属製の鍋を使用する場合は、水から豆腐を入れて温めるとよい。

●重曹を入れる
ゆっくり、じっくり温めるのが湯豆腐にスを立たせないコツですが、重曹を湯に溶かしてもとろっとした食感の湯豆腐を食べることができる。湯の量500mlに対して重曹の量は小さじ一杯程度。タンパク質の凝固作用を緩めることができるため、豆腐を柔らかく仕上げることができる。

●塩を入れる
タンパク質の凝固作用を和らげるとともに、お湯に塩を1%程度の割合で煮溶かして、カルシウムによる豆腐の凝固作用を和らげることができる。つまり、ゆで汁に少量の塩を加えても、豆腐の食感を良くすることができる。

結論

冬の穏やかな日、ゆっくりと豆腐を加熱して、昆布だしの滋味を味わいながら食べる湯豆腐。スを立たせないように注意して、じんわり温まってみてはどうだろうか。

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  • 公開日:

    2018年11月18日

  • 更新日:

    2020年2月14日

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