1. フカヒレって何?

まずは抑えたい基礎知識
フカヒレ、一体何のヒレかご存知であろうか?答えは、サメ。サメのヒレを乾燥させて、加工したものをフカヒレと呼ぶ。ちなみに中華料理の高級食材として名高いフカヒレだが、生産国として有名なのは日本。特に気仙沼産のフカヒレは、最高級品と呼ばれている。
日本産が最高級!?
気仙沼で主に水揚げされるのは、ヨシキリザメ、モウカザメ、アオザメ、オナガザメなど。サメには、合計8つのヒレがついているとされており、主にフカヒレになるのは、主に背ビレ、胸ビレ、尾ビレの3つ。中華料理では、フカヒレは形状によって、種類分けされており、主に姿煮などに使われるものを排翅、スープなどに使われるほぐされたものを散翅と呼ぶ。
中華料理とフカヒレの関係
中国では、400年ほど前からフカヒレが食べられてきた。18世紀になると高値で取引されるようになる。日本から中国にフカヒレが輸出されるようになったのもこの頃だと言われている。ちなみにフカヒレは、それ自体に味はない。脂肪分が低く、タンパク質が豊富でコラーゲンが多く含まれているのも大きな特徴。下処理を丁寧に行わないと臭みが出るなど、手間のかかる食材でもある。中国四千年の技術を集約させて、調理することで、あの美味しさが実現するのだ。
2. ツバメの巣って何?

まずは抑えたい基礎知識
近頃話題になっているツバメの巣。これはその名の通り、ツバメの巣である。ただ、食用にできるのは、アナツバメという東南アジアにのみ生息している、希少なツバメの巣だけ。日本人に馴染みのある初夏に軒先などに巣を作るツバメの巣は、泥や土で作られており、食べることはできない。
巣の原料はまさかの唾液
アナツバメは、自身の唾液だけで巣を作る。細い糸状の唾液を編むようにして作られた巣は、手のひらほどの大きさで、色はやや光沢のある白色。アナツバメは、ヒナを外敵から守るため、巣を洞窟や断崖絶壁などに作る。ゆえに、採取するのがとても難しい。これが希少な所以。ちなみに、雛が巣立った後の巣を採取するのが一般的。
驚きの栄養素
ツバメの巣は漢方でも広く用いられており、古くから珍重されてきた。栄養素の宝庫とされており、特に糖鎖と呼ばれる免疫力に関係すると言われる栄養素が多く含まれている。そのほか、フカヒレ同様、味はなく、無臭。中華料理では、スープの具材にされることが多く、その食感はつるりとしていて、ほんのり海藻のような風味が漂う。
3. 干しアワビって何?

まずは抑えたい基礎知識
こちらも読んで字のごとく、アワビを茹でて干し、乾燥させたもの。中華料理の高級食材として知られているが、中国で使用されているのは日本産の物がほとんどだといわれている。中でも青森や岩手で獲れるエゾアワビ、中でも中型サイズ以上のものは最高級品の位置づけ。
日本産なのに日本で食べられない!?
中華料理の高級食材として知られる干しアワビだが、国内での需要はあまりない。日本では、アワビは生で取引されるのが主流。すなわち、干しアワビのほとんどは輸出用というわけ。さらに、中華料理で好まれる大型サイズの干しアワビは、漁獲量が少なく、より希少。
干す技術と美味しさの秘密
ちなみに干すことで味がぎゅっと凝縮するので、生のものより格段に奥深い味わい。ちなみにこの干す技術は、日本の風土と熟練の手腕があってこそできるもの。噛めば噛むほど、味が口いっぱいに広がる。使用するときは、水で戻してから調理する。
結論
中華料理の三大珍味と呼ばれる、フカヒレ、ツバメの巣、干しアワビ。高級食材である所以は、その希少性にあった。さらに共通するのは、古くから中国で珍重されてきた食材だということ。知っていて損はない。ぜひ、基礎知識として、頭に入れておこう。