2018年11月18日1. ブドウが育つ条件
ワインはブドウの果汁から作られ、ワイン生産量の多い地域ではブドウの栽培も盛んだ。植物には生育に適した環境があり、ブドウは暖かくて湿度の低い地中海性気候が適している。ブドウが育つ条件を詳しく見ていこう。
■生育条件
- 年間平均気温：10～20℃
- 年間降雨量：500～800mm
- 開花から収穫までの日照時間：1250～1500時間
- 水はけがよく痩せた土壌
■ワインベルトは北と南にある
ブドウの生育条件を満たしたワインの生産地は、北半球と南半球に帯状に分布している。北緯30～50度、南緯30～50度の地域で、これをワインベルトと呼ぶ。ワイン用の高品質なブドウを栽培できる地域なのだ。
■ワイン造りの歴史
ワインは紀元前から造られており、発祥はイランだと考えられている。その後、ヨーロッパへ伝わった。現在でも、ワインベルトに入るヨーロッパの各国では、ワインの生産が盛んである。16世紀ごろからヨーロッパ以外の地域でもワイン造りが始まった。次に、ワインベルトの主な産地を紹介しよう。
2. ワインを生産している国―北半球
- フランス
伝統的で高品質なワイン造りをしている。紀元前には、南フランスやローヌ川周辺が中心だったが、その後フランス全土に広がっていく。大西洋に面したボルドー、中西部のブルゴーニュが有名だ。また、発泡性のあるシャンパンを生み出したのもフランスである。 - ドイツ
生産地は南西部に集まっている。ワインベルトの中では、最北のエリアに位置している。温暖ではあるが、夏はそれほど気温が高くならないため、繊細な味わいのワインとなる。白ワインの産地として有名だ。 - イタリア
イタリアは、温暖で日照量が多く、ブドウの栽培に適している国だ。全土でワイン造りが行なわれている。とはいっても、南北に細長い形をしているので、北と南では気候が異なり、さまざまな品種のブドウが栽培されている。ローマ帝国の滅亡とともにワインの生産も途絶えるが、1970年代ごろから再びワイン造りが盛んになっていった。 - スペイン
古くからワインが造られていたが、質の高さが注目され始めたのは1980年代ごろからだ。南部で作られるシェリーや、スパークリングワインのカバの産地として有名。 - アメリカ
地中海性気候のカリフォルニア州で90％以上が造られ、そのほかにはワシントン州、オレゴン州、ニューヨーク州などで造られている。 - 日本
長野県、山梨県、山形県、北海道などが有名。ワイン造りが始まったのは明治時代。
3. ワインを生産している国―南半球
- オーストラリア
オーストラリア大陸は南部が地中海性気候で、水はけのよい土壌のためブドウの栽培に適している。オーストラリアにはブドウが自生していなかったが、1800年代にヨーロッパからの移民と共に持ち込まれた。 - チリ
南アメリカ大陸の西側に位置する南北に細長いチリ。ブドウの栽培は主に中央部の水はけのよい土壌で行なわれている。飲みやすい味わいのワインが多く、またリーズナブルなので日本でも人気がある。 - アルゼンチン
南アメリカ大陸の南部に位置する。南北に長く、ブドウの栽培地域は主に中央の西部に広がっている。温暖で水はけがよく、昼夜の気温差があるため、質の高いブドウが育つ。 - 南アフリカ
最南端のケープ州が主な産地である。日照量が多く、昼夜の気温差があるため、風味豊かなブドウが栽培されている。
結論
ワインベルトは、北半球と南半球に分布しているワイン栽培が盛んな地域だ。ワインの原料のブドウの栽培は、温暖で水はけがよい場所が適している。ワインベルトの中でも地域に適した品種が栽培され、風味豊かなワイン造りが行われている。
