1. 火加減は鍋の中を見ながら調節すべし
料理のレシピ本には、「火にかけたら強火で」とか「中くらいの弱火に落とす」などと、調理の際の火加減が紹介されている。料理慣れしていない人は、そうしたレシピの言葉通りに実行する傾向があるが、それでは料理上手への道は遠いといわざるをえない。火加減は、実際に自分の目で鍋の中を見て、素材と調味料、汁の具合を確かめながら調節するものだ。なぜなら、使用する鍋の大きさや機能(熱の伝導率、保温性など)、具材や汁の量によって、適する火加減は異なるからだ。
2. 煮立ちすぎない程度の火加減を見極めろ
豚丼や焼肉丼など、肉にタレの味を染み込ませ、タレ自体を煮詰めてトロミを出したい場合は、煮立つ直前くらいに火を弱めよう。早く仕上げたいからといって、強火のままにしておくと、一気に水分が蒸発して、アッという間に焦げ付いてしまう。みりんや砂糖が入ったタレは、特に焦げ付きやすいので用心しよう。
3. 鍋を常に動かしながら、決して目を離さないこと
料理の仕上げ段階に入ったら、鍋を常に動かし、肉にタレを絡めながら煮詰めていこう。そうすることで、タレが照りよく煮詰まっていくからだ。そして、一番大事なことは、この段階に入ったら、決して鍋の中から目を離さないこと。レシピに書いてある○分という時間に頼らず、トロッとし始める瞬間を自分の目で確かめよう。
結論
うまい料理は、実際に自分の目と耳と舌を使い、味加減や火加減を調整して作り上げるものだ。最初はレシピ本の時間や火加減を参考にしながら、調節の勘所を体得していただきたい。