1. 人参をドライにする方法

人参は、様々な料理に使える万能野菜。いろいろな切り方で干しておくと、下拵えの手間を減らすことができる。皮と身の間に、βカロテンが豊富に含まれているので、皮をむかずに干すのがおすすめだ。完全に乾かした「ドライ」は保存に適し、調理する際には水で戻して使う。一方、水分をある程度飛ばす「セミドライ」の場合は、サッと洗うだけで使うことができる。ドライ、セミドライいずれも冷凍保存が可能だ。
■人参をドライにする道具
人参を重ねずに干すことができ、通気性があるものであれば、道具は問わない。最も適しているのは、抗菌作用があるといわれ、水切れのいい竹製ザル。そのほかにも、干物用に販売されている虫除けネット付きザルやアウトドア用品のドライネットなどもよい。
■人参をドライにする環境
湿度が低く、よく晴れて少し風がある日が、人参を干すベストタイミングだ。日当たりのよい場所に干すことを意識しよう。屋外の方が風通しもよくてベストだが、室内の窓辺でもOK。大きめに切った場合は、1日1~2回上下を返すことをお忘れなく。
2. 人参をドライにする切り方のコツ

人参は切り方によって、ドライにする時間が違う。どの切り方でも、水分がなくカラカラになったらドライ、表面が乾燥して少し縮んだ感じになったらセミドライと判断しよう。
■輪切り
1cm程度の輪切りにし、切り口を上にして重ならないように並べて干す。干す時間は、ドライなら2~4日間、セミドライ なら3時間~半日程度。いずれも冷蔵庫で約1週間はもつ。
■乱切り
大きめの乱切りを干す時間は、ドライなら2~3日間、セミドライ なら2~4時間程度。いずれも冷蔵庫で1週間くらいもつ。水分をしっかり吸い、味がよく染みるので煮物用に重宝する。
■細切り
きんぴらに活用できる細切りは、ドライであれば1~3日間、セミドライであれば30分~2時間程度の干し時間でOKだ。冷蔵庫で約10日間もつ。
■人参の葉
葉付きの人参なら、葉を付け根から切り、サッと塩茹でしてアクを除いてから水気を絞り、葉を広げて干そう。1~3時間程度でセミドライ状態に。細かく刻めばパセリの代わりに、ふりかけやサラダに入れてもよい。
3. ドライ人参のおすすめの食べ方

■ドライ人参のナムル
細切りのドライ人参を熱湯で戻し、ザルで水分を切る。人参が熱いうちに、炒り胡麻、胡麻油、鶏ガラスープの素、醤油、ニンニクペーストと合わせたら完成。香りも高くコリコリの食感が楽しいので、人参好きにはたまらないだろう。
■ドライ人参のしりしり風
沖縄料理の定番「しりしり」も、ドライ人参で作ると新たな食感に出会える。千切りのドライ人参1本分を、歯ごたえが残る程度に戻す。フライパンに油を熱してドライ人参を入れ、しんなりするまで炒め、ツナを加える。ツナから香りが立ってきたら、溶き卵を回し入れて大きく混ぜ、醤油少々で香り付けをする。最後に削り節を入れて軽く混ぜたらできあがり。箸が止まらない1品に。
■セミドライ根菜の甘辛煮
乱切りにしたセミドライ人参、れんこん、ごぼうを、熱したフライパンに胡麻油を入れて炒める。火が通ったら、酒、醤油、砂糖、生姜と水を入れて煮込み、照りが出てきたら火を止める。すべての野菜をセミドライ で作るので、味のしっかり染みた仕上がりに。煮込み時間を短縮できるのも嬉しい。
■ドライ人参葉のふりかけ
ドライにした人参の葉に、しらすを混ぜ合わせる。しらすの代わりに好みで、干しえびやタタミイワシ、鰹節を入れてもよい。白胡麻をたっぷり加えて、味を調整しながら塩を加えたらできあがり。人参の香りが豊かに口の中に広がり、魚介の塩味とマッチしてごはんが進む。
結論
生の人参を皮付きで食べるのはハードルが高いが、ドライなら人参を丸ごと食べられる。とても甘くてクセになるので、ぜひ1度お試しあれ。