1. ささみの基礎知識
ささみは、両手羽に1つずつある深胸筋のこと。脂肪はほとんどなく、とても淡白な味わいが特徴。柔らかな肉質で、比較的消化もいいので、胃腸が弱っている人にも向いている。実は老若男女、だれもが美味しく食べることのできる肉だといわれている。
高タンパク質で低カロリー
ダイエットや筋肉量を増やしたい人から、絶大の支持を集めるささみ。高タンパク質で低カロリー、さらにビタミンB6が豊富なので、効率よく、タンパク質を体に取り込むことができるのだ。これが、運動やトレーニング後の摂取が勧められる理由。
名前の由来
ささみを見るとある形に似ていることがわかる。答えは笹の葉。名前の由来にもなっており、笹の葉の似ている部位だから、ささ身というわけ。また、その柔らかさと脂肪のない肉質から、鶏のヒレと呼ばれることもある。
2. ささみを食べるべき理由
人間の体とタンパク質
人間の体は、およそ7割が水分、次に多いのがタンパク質で、2割を占めるといわれている。タンパク質は、筋肉や内臓、血液、爪、髪や皮膚にいたるまで、人体のあらゆるものを作る源となる存在。さらに免疫抗体の原料にもなるといわれている。すなわち、人間の体に欠かすことのできない栄養素なのだ。現代の日本人は、慢性的にタンパク質不足だともいわれている。
タンパク質とアミノ酸
そもそもタンパク質とは何なのか。タンパク質は、20種類のアミノ酸が、50個以上、鎖状に連結したもの。食べると胃の中でバラバラに分解され、アミノ酸として体内に吸収される。20種類のアミノ酸のなかの9つは、必須アミノ酸と呼ばれ、体内では作り出すことができないため、食べ物から摂取する必要がある。
ささみのタンパク質量
ささみ100gあたりの栄養価は、エネルギーが105kcal、タンパク質は23.0g。同じ鶏でも、もも肉は、皮ありの場合、エネルギーが204kcal、タンパク質量は16.6g。豚肉のロースは、脂身付きの場合、エネルギーが263kcal、タンパク質量が19.3g。このように並べるといかに、ささみが高タンパク質で低カロリーかがわかる。これが、ささみを日本人が取り入れるべき理由。もちろん、過度な摂取の必要はないが、効率よくタンパク質を摂取するには、最適な食材なのだ。
3. ささみの意外な使用法
高タンパク質で低カロリー、すなわち脂肪分がないので旨味も少ないと思われがちなささみだが、実は滋味深い味わいを楽しむことができる。しかも骨つき肉や鶏のもも肉などと違い、思い立ったら15分で優しい出汁の効いたスープが取れるところもいいところ。
ささみスープの作り方
ささみは、火の通りが早くなるよう、観音開きにする。あとは沸かした湯の中に入れて、弱火でことこと煮込むだけ。風味付けに、ネギの青い部分や、よく洗ったパクチーの根、生姜などを入れてもいいだろう。スープを取り終えたささみは、細かく裂いて、和え物やサラダの具材にするといい。スープは、塩や醤油で控えめに味付けし、ネギや豆腐などシンプルな具材を入れて味わってみてほしい。滋味深い味わいは癖になる人も多いはず。
結論
ささみは、鶏肉の中でも高タンパク質で低カロリー。さらに肉質もやわらかくて、どんな人でも食べやすい。上手に調理すれば、活躍の幅は無限大だ。さらにリーズナブルなので家計にも優しい。ひとまず今夜、スーパーでささみを買ってスープを作ってみてはいかがだろう。