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実は奥深い!?梅干しの歴史は飛鳥時代から徹底解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

2018年11月 7日

梅干しは人間とともに長い歴史を歩み、古くから薬としても食用としても重宝されてきた。現在、梅の生産が最も盛んなのは和歌山県であるが、その経緯は江戸時代に遡る。知っておくとためになる、梅干しの歴史について紐解いてみよう。

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1. 梅が伝わったのは飛鳥時代

梅干しは古くから我が国に存在する食材である。中国・揚子江流域の山岳地帯を原産地とし、日本に伝わったのは飛鳥時代の頃と考えられている。しかし諸説あり、弥生時代にはすでに梅が存在していた、あるいは梅の日本在来種が存在するという説もあるそうだ。

中国で薬用とされていた梅だが、日本に伝わった当時はもっぱら観賞用として広まった。可憐な梅の花は古人に愛され、花見といえば桜ではなく梅を愛でることであった。万葉集には梅にまつわる歌が
118首残されている。桜に関する歌はたったの42首であることからも、当時、梅がどれだけ人々にとって心惹かれる花であったかがわかるだろう。万葉集には梅干しに関する歌は存在しないが、この頃すでに梅の塩漬けが存在していた可能性も考えられるという。

初めて梅干しが記録として登場するのは10世紀、平安時代中期である。日本最古の医学書である「医心方」に、梅干しの効用について記述があり、薬用としての梅干しが紹介されている。清少納言の枕草子にも梅干しが登場し、梅干しを食べて酸っぱい顔をする女性のことが書かれているのは興味深い。

2. 庶民に広まったのは江戸時代

貴重な梅の実は、貴族など身分の高い人々のための薬として用いられていた。しかし世の中に武士が登場し、戦が頻繁に起こるようになると、梅干しは野戦に欠かせないものとなっていった。梅干しの効果が高く評価され、食中毒や傷の手当てのために利用されたのだ。また栄養価に優れ保存のきく梅干しは、戦場で素早く栄養補給をするのに適していた。こうした経緯により梅の栽培が次第に増えていったのだ。

梅干しが庶民にまで広がり、日々のおかずとして定着したのは江戸時代に入ってからである。梅干しは祝儀物としても扱われた。大晦日や正月、節分には福茶が飲まれるようになり、その習慣は今日まで受け継がれている。福茶とは縁起物とされる梅干しや昆布、黒豆などを入れて熱いお茶を注いだものである。

3. 梅の栽培が盛んな和歌山県

現在、日本で梅の生産量が最も多いのは和歌山県である。和歌山県が梅の産地となったのは江戸時代。和歌山南部は土地が痩せていて米が育ちにくい土地であった。当時その土地を治めていた紀州藩田辺領が、厳しい環境でも育ちやすい梅の栽培を奨励したのをきっかけに、梅栽培が始まったという。その頃育てられていた品種は「やぶ梅」と呼ばれ、質のよい梅ではなかったそうだ。

和歌山県で梅栽培が本格化し盛んになったのは、明治に入ってからのこと。梅干しが、当時流行したコレラや赤痢の治療に役立つといわれ、需要が増えたそうである。また戦時中は軍用食として奨励されたこともあり、梅の栽培が一気に増えた。

ただし、第2次世界大戦中は、梅よりも次第にサツマイモ栽培が奨励されるようになり、梅の生産量が激減した時期もあった。終戦を迎え、1960年(昭和35年)頃から徐々に梅干しの需要が増え、再び和歌山県での梅栽培が盛んとなり現在に至っている。

和歌山で有名な梅の品種といえば、言わずと知れた「南高梅」である。南高梅が生まれたのは比較的最近のことであり、昭和に入ってからである。南部川村(みなべがわむら)(現、みなべ町)で高田貞楠氏が有料種を見つけ「高田梅」と名付けた。その後、小山貞一氏が高田梅を譲り受け、1950年(昭和25年)から行われた「梅優良母樹調査選定委員会」の7年にわたる調査でも最も優良な品種に選定され、地元の南部高校園芸科の協力を得てできたのが南高梅なのである。

結論

中国原産の梅が日本に伝わったのは飛鳥時代といわれている。観賞用として愛でられていた梅が、薬用や食用に利用され始めたのは平安時代である。梅の殺菌効果や健康効果は昔から知られており、食中毒予防や傷の手当てのために、戦に梅干しは欠かせなかった。庶民が梅干しを口にするようになったのは江戸時代。この頃から和歌山県では梅栽培が奨励され盛んとなる。現在も生産量第1位を誇り、高級品種とされる南高梅が有名である。

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