目次
1. 1日の食塩摂取量の上限とは?

まずは、1日あたりの食塩摂取量の上限を確認しておこう。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年)」を参考にすると(※1)、1日あたりの食塩の目標量は以下のようになっている。
成人男女の1日あたりの食塩の目安量
- 成人男性(18歳以上):7.5g未満
- 成人女性(18歳以上):6.5g未満
2. 梅干しの塩分量はどれくらい?

続いて、梅干しの塩分量を確認しよう。梅干しの塩分量は商品によって異なるが、ここでは文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にする(※2)。この成分表には、食塩のみで作る「梅干し(塩漬)」と、調味液に漬けてから作られる「梅干し(調味漬)」の2種類の栄養価が収録されている。そしてそれぞれの塩分量は以下のとおりである。
梅干し100gあたりの食塩相当量
- 梅干し(塩漬):18.2g
- 梅干し(調味漬):7.6g
大粒の梅干し1粒(12g)あたりの食塩相当量
- 梅干し(塩漬):2.4g
- 梅干し(調味漬):1.0g
小粒の梅干し1粒(2~3g)あたりの食塩相当量
- 梅干し(塩漬):0.4~0.5g
- 梅干し(調味漬):0.2g
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3. 市販の梅干しの塩分量はどれくらい?

「日本食品標準成分表2020年版」によれば梅干し100gあたりの塩分量は、塩漬が18.2g、調味漬が7.6gとなっている。しかし、梅干しの塩分量は商品ごとに異なる。そこでいくつか市販の梅干しの塩分量を確認してみよう。なお、商品のリニューアルなどに伴い塩分量が変更される場合がある。
主な市販の梅干しの塩分量
- シジシージャパン(はちみつ梅):塩分6%
- シジシージャパン(かつお梅):塩分8%
- 中田食品(やわらか熟粒):塩分5%(食塩相当量4.8g/100g)
- コプロ(種ぬきはちみつ梅干):食塩相当量5.0g/100g
- コプロ(種ぬきしそ梅干):食塩相当量10.0g/100g
4. 梅干しによる塩分摂取量を抑えるポイント

梅干しは塩分量が多いため、食べ過ぎると塩分の過剰摂取に繋がる可能性もある。しかし、そんな梅干しによる塩分摂取量を抑えるためのポイントがいくつかある。ここではその減塩のポイントについて確認しておこう。
ポイント1.水に浸けて塩抜きをする
梅干しを水に浸けておくことで梅の塩分量を少なくすることが可能だ。塩抜きのやり方は簡単で、水を張ったボウルの中に梅干しを入れておくだけだ。この状態で1時間~半日程度置いておけば、塩気を和らげることができる。ただし、この方法は簡単に行えることが利点だが、実際の塩分量が分かりにくいことが欠点となっている。
ポイント2.減塩タイプの梅干しを選ぶ
梅干しの塩分量を少なくしたいなら、減塩タイプの梅干しを購入するのもおすすめだ。例えば、中田食品の梅干しでは「おいしく減塩 しそ風味」などの梅干しを販売しており、こちらの100gあたりの食塩相当量は2.9gと非常に低くなっている。そのため、こうした減塩タイプを選ぶことで簡単に塩分摂取量を抑えられる。スーパーなどで購入する際には減塩タイプを探してみるのもよいだろう。
5. 梅干しは1日に何粒くらいが望ましい?

1日に食べられる梅干しの粒数については、「1日1粒まで」「1日2~3粒が目安」などさまざまな考えがある。この考え方は梅干しの塩分量に注目するか、クエン酸などの栄養面に注目するかなどで異なっている。ただし、日本人は前述した「1日の食塩の目安量」よりも平均2g程度多く食塩を摂っている(※3)。そのため、塩分量の観点から見ると、1日1粒までにしておくのが望ましいといえる。
結論
「1日1粒で医者いらず」といわれて、昔から日本人に親しまれてきた「梅干し」。この言葉のとおり梅干しにはクエン酸をはじめ、人間の健康作りに役立つ栄養成分がさまざま含まれている。しかし、そんな梅干しではあるが、塩分量が多いことには注意が必要だ。食べ過ぎると塩分過多になってしまう可能性もあるので、食べる量を減らしたり、減塩タイプを食べたりするとよいだろう。
【参考文献】
- ※1:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※3:e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-002.html
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