このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
山地酪農とは?自然の中で共存する牛と人間の新しい関係

山地酪農とは?自然の中で共存する牛と人間の新しい関係

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

2020年2月14日

山地酪農(さんちらくのう)という酪農法をご存じだろうか。現在、日本では4~5軒の酪農家が山地酪農に取り組んでいる。山地酪農とはどのような酪農法なのか紹介する。

  
この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

1. 山地酪農とは

山地酪農とは文字通り、山で牛を放牧して育てる酪農法である。現在、この方法で酪農に取り組む人はごく少数であるが、彼らは非常に良質な牛乳やアイスクリームやヨーグルトなどの二次製品を生産している。北海道の酪農家が飼育する牛も含め、多くの牛はずっと牛舎で暮らしている。

それに対して山地酪農の牛たちは、年中、24時間山の中で暮らす。お乳が張って搾乳してほしい時だけ搾乳舎に戻ってくるが、それ以外の時は自由に過ごしているのである。食べ物は山に自然に生えている野シバや枯れ葉など。大豆などの飼料はもちろん、牧草を食べるのではない。牧草を使用すると化学肥料を使わねばならず、そのため土がやせるのである。

野シバは、牛たちに踏みつけられたり食べられたりすることで、より一層力強くなり、大地にしっかり根を下ろす。これはひいては林業にも貢献することになるのである。食事だけでなく、牛たちは妊娠、分娩も自然の摂理に任され、産まれた仔牛は好きなだけ母乳を飲んで育つ。つまり、牛にストレスがかからない方法で飼育されているため、牛が非常に元気なのである。搾乳した牛乳は、ノンホモジナイズ、低温殺菌されて流通する。

2. ノンホモジナイズ、低温殺菌牛乳とは

●ノンホモジナイズ
オーガニック食品などに関心のある方はご存じかもしれないが、牛乳にはノンホモジナイズという製法がある。山地酪農をしている酪農家は、この方法で牛乳を作っている。ノンホモジナイズは、ホモジナイズ加工という脂肪球を均一化する加工をしていないことである。つまり自然のままの牛乳で、瓶入りの場合、瓶の口のところにクリームラインというクリームがとろっとついている。このクリームはバターと同じく、脂肪が集まってできたものである。では、なぜ多くの牛乳がホモジナイズ加工を行うかというと、高温殺菌処理がしやすいからである。そのため、牛の乳に本楽含まれている脂肪を粉々に砕くホモジナイズ加工を施すのだ。

●低温殺菌牛乳
ホモジナイズ加工をされ、高温殺菌した牛乳に対し、山地酪農の牛乳は低温殺菌なのでそもそもホモジナイズ加工する必要がないのである。65℃の低温でじっくり殺菌されていて、そのため臭みがなく、飲みやすい。

3. 山地酪農のメリットとは

山地酪農では牛は山全体が安住の地になっているので、牛舎で飼われることがない。戻ってくるのは搾乳してほしい時だけ。そのため牛舎がいらず、コストがかからない。また、食べ物も自然に生えている野シバなので、改めて大豆などを買う必要がない。大豆などの飼料は、本来草食動物である牛の消化機能になじまないことがある。山地酪農によって自然に生えている草を食べて育つことで、牛にとっては胃腸の健康を保つことができ、人間にとっては飼料を購入しなくても済むというメリットがある。

また、通常の酪農では人工授精をして母牛を妊娠させるが、山地酪農では妊娠、出産、育児などすべて牛の自然の摂理に任されている。つまり、人工授精のためのコストもかからないのである。また、勾配のある山の中で自由に暮らす牛たちは、よく歩くので蹄を削る必要がない。さらに、足腰が鍛えられ、健康な牛が育つ。そして、自然放牧されている牛たちは、ストレスが少ないため病気になりにくい。

結論

山でのびのびと育つ牛たちは、雪が降っていても搾乳が終わると、自分たちが暮らす山へと帰っていくという。ストレスフリーの牛の乳。最近は農業大学の学生の見学者も多いという。大量生産に向かない酪農法なので高価だが、一度飲むと忘れられない味わいである。

この記事もCheck!

  • 公開日:

    2018年12月10日

  • 更新日:

    2020年2月14日

おすすめ記事おすすめ記事

    ページトップへ ページトップへ