食べても石鹸にしてもメリットがあるマンゴスチンの効能

マンゴスチンは南国原産のフルーツで、タイやマレーシア、フィリピンなどで生産されている。皮の色、形、果実の色などがライチに似ているが、マンゴスチンの方が1回り大きく、皮も厚い。また、マンゴスチンには樹冠がある点や果実が房状に分かれている点もライチと異なる。マンゴスチンは、マンゴーや西インド原産のチェリモヤと並び、世界三大美果の1つとして知られている。ほのかな酸味の中に桃のような甘さのある上品かつ繊細な果肉はとても美味しく、かつてイギリスのヴィクトリア女王が、自国の支配地域にマンゴスチンがあるにもかかわらず日持ちがしないために食べることができないことを嘆いたほどである。

文部科学省の食品成分データベースによると、マンゴスチンのカロリーは可食部100gあたり67kcal。平均的なサイズのマンゴスチンの可食部は25gほどなので、1つあたり17kcalとなる。マンゴスチンの果肉に含まれる主な栄養素はビタミンB1やビタミンE、葉酸、銅、マンガンなど。中でも、糖をエネルギーに変える働きを持ち、美しい肌を維持するために働くといわれるビタミンB1や、ダイエッターの味方と呼ばれるビタミンEが豊富である。

マンゴスチンの果肉に含まれる栄養について解説したが、ここからは果皮のすごさを見てみよう。マンゴスチンには厚い皮があり、この皮には果肉以上にすごい成分が含まれている。この"すごい成分"とは、キサントンというポリフェノールの1種。キサントンは抗酸化力が高く、老化の原因となる活性酸素を抑えるといわれている。ほかにも、優れた整腸作用や感染予防作用もあるといわれている。マンゴスチンの果肉を食べる際に捨ててしまう果皮だが、こんなにも魅力的な成分を含んでいるのだ。

マンゴスチンの果皮に含まれるキサントンの魅力はわかった。しかし、皮を食べることはできない。どのように摂り入れられるのだろう？まず、マンゴスチンを生産している地域では、果実と果皮を含む果汁100％ジュースが製造されている。また、マンゴスチンのポリフェノールを含むサプリメントも製造されている。マンゴスチンの果皮の成分を含むサプリメントを製造している日本の企業もあり、国内でも簡単に手に入る。そのほか、マンゴスチンの果皮からお茶を作ることもできる。マンゴスチンの果皮を3～4日ほど天日に干し、水で煮出す。濃すぎると苦くなってしまうため、皮と水の量、そして煮出す時間を調節しよう。

果肉だけでなく、果皮にも身体よい成分を含むマンゴスチン。だが、これだけではない。マンゴスチンを使った石鹸も評判なのだ。タイのお土産ランキングなどでは常に上位にランクインしているマンゴスチンソープ。日本でもテレビ番組で紹介され、タイを訪れる女性観光客に人気だ。いろいろなメーカーがビタミンB、ビタミンEといったマンゴスチンの成分を配合した石鹸を製造しており、しっとりとした使い心地と香りのよさに定評がある。中でも人気があるのが、タイの公立病院プロデュースの石鹸やオーガニックマンゴスチンを使った石鹸だ。タイのスーパーやドラッグストアなどで、1個100円前後で買える手軽さと、洗い心地が人気の秘密だ。

マンゴスチンの成分が配合されているのは石鹸だけではない。歯磨き粉、喉のスプレー、アクネジェル（ニキビ用化粧品）、日焼け止めなど、さまざまな製品にマンゴスチンの成分が使われているのだ。マンゴスチンの果肉に含まれるビタミン類のほか、果皮に含まれるポリフェノールを含む製品もあり、改めてマンゴスチンの果肉と皮に含まれる成分の優秀さを物語っている。

マンゴスチンの果肉と果皮に含まれる栄養成分と、それらの成分を配合した製品について解説した。美味しさだけでなく、健康効果も美容効果もすべてがマンゴスチンの魅力。栽培が難しく、また国内で生産されていないため手軽さは皆無だが、魅力はたっぷり。マンゴスチンを入手したら、果肉も皮もありがたくいただこう！