このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
旨味を引き出す「低温調理」とは?炊飯器を使った簡単テクと注意点

旨味を引き出す「低温調理」とは?炊飯器を使った簡単テクと注意点

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2019年12月20日

食材の旨味を閉じ込め、じっくりと熱を加える「低温調理」。時間と手間がかかるため試したことがない人も多いのでは?特別な器具が必要そうな低温調理だが、なくても大丈夫。実は、温度にさえ気を付ければ、炊飯器で簡単に実践できるのだ。今回は、その方法と注意点について解説しよう。

  

1. 低温調理とは?

最近出てきた方法のように思えるが、ローストビーフの調理で、オーブンでじっくり火を入れるのも低温調理だ。肉のタンパク質にはおおまかに、ミオシンとアクチンという二種類があり、端的にいうとミオシンの変性は肉を美味しくするが、アクチンの変性は肉を硬くして水分を外に逃がしてしまうことから味を落とすという。

このアクチンの変性温度は66~73度程度といわれている(環境や食材の状態による)。いきなり高温で加熱するフライパンや鍋調理ではなく、一定の温度でじっくり火をいれると水分が逃げにくく、ジューシーに仕上がるということだ。特に鶏ムネ肉はモモ肉等と比べて筋肉の膜が薄く、加熱することで水分が逃げやすい構造をしている。水分を逃がさないような調理が鶏ムネ肉を美味しく食べるコツなのだ。

2. 低温調理向きな料理や温度

低温調理は、どんな料理に向いているのだろうか。いくつかおすすめのメニューを紹介しよう。

■ローストビーフ

まずは、低温調理の定番であるローストビーフ。じっくりと熱を加えることで、ジューシーな味わいを楽しめる。ローストビーフを低温調理するときの温度設定は、57℃が目安。そのまま3時間ほど放置することで、程よく火が通り、中がピンク色の理想的なローストビーフに仕上がる。

■鶏ハム

低カロリーで高タンパクな鶏むね肉だが、加熱するとパサパサとした食感が気になるという人も多いだろう。こんなときは、水分を逃さずに熱を加える低温調理の出番だ。鶏肉は、牛肉と違って生の状態だと食中毒菌が付着している可能性が高い。そのため、温度には特に注意が必要だ。60℃で3時間の加熱が目安。下準備に多少の手間がかかる鶏ハムだが、しっとりとした食感と程よい塩味にハマる人も多い。

■じゃがバター

低温調理といえば、肉や魚などが主流だが、実は野菜の旨味を引き出すのにも適した方法である。じゃがバターもそのひとつ。85℃で1時間半を目安に加熱することで、しっとり、ホクホクなじゃがいもに仕上がる。甘味もあり、シンプルにバターをのせるだけでも、立派な一品料理になるはずだ。

3. 初めてでも失敗しない!炊飯器で低温調理するときに必要な料理道具や注意点

低温調理は、専用器具がなくてもOK。炊飯器と温度計さえあれば大丈夫だ。一般的な家庭用炊飯器は、保温機能によって内部を60℃~
70℃に保つことができるため、低温調理にはぴったりだ。

ただし、保温温度は炊飯器によって異なるため注意が必要。特に、釜底は温度が上がりやすいため、火が通りすぎてしまう場合は、底にふきんを敷くといいだろう。

4. 料理上級者でも知っておきたい!鍋で低温調理するときの必要な調理道具や注意点

次は、鍋を使って低温調理する方法について紹介しよう。準備するものは、鍋と温度計のみ。深めの鍋にお湯を沸騰させ、その中に食材を入れる。数分経ったら火を止めて、余熱で火を通す。そのときの温度は温度計で測りながらできるだけ一定に保てるようにするといいが、外気温や食材によってはどうしても温度が下がりやすくなってしまう。温度が下がると食中毒を引き起こす危険性も高まるため、衛生面で注意が必要な方法だ。

5. ローストビーフを低温調理を使って炊飯器で作ろう

先程紹介した炊飯器による低温調理方法によって、定番のローストビーフを作ってみよう。基本的な作り方は、

1.肉を室温に戻し、ニンニクと塩胡椒で下味をつける
2.フライパンで肉の表面に焼き色をつける
3.肉を密閉袋に入れて真空状態にする
4.お湯を入れた炊飯器の中に入れて、保温状態のまま40分程度放置する
5.炊飯器から取り出して常温で40分程度放置する

という手順。美味しく仕上げるためのポイントは、肉の温度を上げ過ぎないこと。このひと手間によって、スーパーで購入できるような安価な肉でも、まるでレストランのようなハイレベルな味になるはずだ。

6. 衛生面での注意点

低温調理で注意しなくてはならないのは、細菌。実は、細菌が最も活動的になるのは、40℃~55℃の温度だといわれている。この値は、低温調理の目安となる温度に近いため、少しでも温度管理を怠ると、細菌を大量に発生させてしまうことにもなりかねない。そのため、アクチンの変性温度以下を保ちつつも、しっかりと中心部分にまで熱を通すことが重要だ。

結論

食材の旨味を引き出す低温調理は、普段の料理がワンランク美味しくなる画期的な方法。低い温度でゆっくりと熱を加えた食材は、
一口目で旨味がじわっと溶け出してくることだろう。特別な器具は必要ない。ぜひ試してみて欲しい。

この記事もCheek!

インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2018年12月15日

  • 更新日:

    2019年12月20日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

人気記事一覧

急上昇
週間

新着記事一覧新着記事一覧