このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
マグロの血合いは捨てないで!下処理方法と美味しい食べ方を伝授

マグロの血合いは捨てないで!下処理方法と美味しい食べ方を伝授

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年7月 8日

みなさんは、魚の血合いと聞いて、どんなことを思い浮かべるだろうか?わざわざ食べる部位ではない、というのが大方の意見だろう。逆に血合いが好きという人もいるかもしれない。とはいえ、本来の身の部分よりは注目度が低めなのが現実だ。そんなあまりフューチャーされることのない血合いが、近頃ひそかに話題を集めている。なんでも、マグロの血合いが栄養豊富で美味しいらしいのだ。今回はその真相をリサーチしよう。

  

1. そもそも血合いって何?

血合いは、全体の身とは異なり、色が濃く、赤黒い部位のことだ。背身と腹身の間に多い。火を通すと、色はより黒っぽくなる。魚であれば、白身でも赤身でも血合いは存在するが、赤身の魚のほうが血合いの割合が多いといわれている。

血合いの正体

そんな血合い、字から血であると想像する人もいることだろう。だが、血合いは血ではなく、筋肉である。魚の身体の両側には、体側筋という大きな筋肉がある。その体側筋の中央部に位置するのが血合いなのだ。

赤身と白身

そもそも魚は、ヘモグロビンやミオグロビンなど、赤色をした筋肉色素タンパク質の含有量によって、赤身と白身に分けられる。この筋肉色素タンパク質の含有量が多いものが、赤身である。赤身は、全体の身にはもちろんだが、とくに血合い部分に筋肉色素タンパク質を多く保持している。ちなみにこの筋肉色素タンパク質は、酸素を運ぶ、筋肉に貯蔵するという役割がある。マグロやカツオがものすごいスピードで泳いだり、寝ている間も絶えず動いたりできるのは、筋肉色素タンパク質の塊、血合いという大きなエネルギー源があるからこそ、なのである。

マグロの血合いはコスパバツグン

刺身などで販売されているマグロは高価だが、血合いは非常にリーズナブルである。100g当たりの赤身の相場が200~500円であるのに対し、血合いは30~100円という破格だ。マグロの赤身の2割ほどの値段で購入できてしまう、非常にコスパに優れた食品なのである。
同じ価格なら、マグロの刺身の約5倍量の血合いが手に入る。上手に調理すれば美味しく食べることのできる部位のため、ぜひお得に活用したいところだ。

血合いが嫌われる理由とは?

マグロの血合いは、生のままでは食べづらいため、解体時に削ぎ落とされるのが一般的。削ぎ落とされた血合いは、アラとして格安で販売されていることもある。味わいは、そのままでは生臭く、少々食べづらい。焼き魚の血合いを食べるときに感じる金属的な味わいを数倍にしたような印象だ。

2. マグロの血合いと栄養

マグロの血合いには、さまざまな栄養成分が含まれている。岡山県工業技術センター(※1)によるマグロの血合い部分(100g当たり)の栄養成分分析表によると、たんぱく質が25.2gと多く、脂質は0.2g、炭水化物は0.5gとわずかである。水分が72.7gを占め、灰分(ミネラル)が1.4g含まれる。ミネラルを含む栄養素に関しては、次のようなものが挙げられる。

マグロの血合いにとくに多い栄養素が鉄で、100g当たりに16.7mg含まれる。赤身の鉄含有量は1.1mg(※2)のため、約16倍にもなる。鉄は赤血球のヘモグロビンに多く含まれ、不足すると貧血を起こす。また、集中力の低下、頭痛、食欲不振、筋力低下、疲労感などを招く可能性もある。鉄分が豊富なマグロの血合いを食べることで、貧血をはじめとするさまざまな症状を防ぐことができる。

ビタミンB群

ビタミン類に関しては、ビタミンB群が比較的多い。マグロの血合い100g当たりには、ビタミンB1が0.19mg、ビタミンB2が0.39mgと、いずれも赤身よりも多く含まれている(※1、2)。ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、体内に蓄積されることがなく積極的に摂取したい栄養素である。
ビタミンB1は糖質の代謝を補助する働きをするため、不足すると疲労や脚気などを招く。効率よく糖質をエネルギーに変換し活用するために欠かせない。ビタミンB2は、たんぱく質の合成、アミノ酸の代謝に関わる。不足すると、口内炎や口角炎、舌炎、また脂漏性皮膚炎などの症状が出る。(※4)

ミネラル類

マグロの血合いには、鉄のほかにもさまざまなミネラル類が多く含まれている。とくに、カリウムは450mg、亜鉛は1.4mgと、いずれも赤身よりも多い(※1、2)。
カリウムは、細胞の浸透圧を調整する役割を担っている。体内の余分なナトリウムを排出することで、バランスを調整する。塩分の過剰摂取は生活習慣病のリスクがあるが、カリウムを併せて摂取することで予防することができる。(※5)
また、亜鉛は生命の維持、細胞の正常な分化に関わる栄養素だ。たんぱく質と結合することで効果が発揮される。不足すると、味覚の異常や皮膚炎、慢性下痢、免疫機能障害などにつながる。成長や性腺発育を阻むこともわかっているため、不足しないように気を付けたい。(※6)

3. マグロの血合いの下処理方法

マグロの血合いは安価なうえに栄養豊富な食材ということがわかった。しかし、生臭さがあるため、美味しく食べるためには下処理が必要だ。そこで、臭みをとる下処理について紹介する。さまざまな方法があるが、本記事では水につける方法と、茹でて臭みをとる方法の2種類の下処理を詳しく見ていこう。

水につける方法

ボウルにマグロの血合いと水を入れ、途中で何度か水を取り替えながら置いておくという簡単な方法だ。水につけておく時間が長くなるほど臭みは抜けるが、その反面、味も薄くなってしまう。そのため、あまり長時間つけておくことはおすすめできない。長くても1時間ほどに留めておこう。
  • ボウルにマグロの血合いを入れ、かぶるくらいの水を注ぐ。
  • 10~15分ほど置き、水を捨てて新しい水を注ぐ。
  • 再度つけておき、水を入れ替えるというのをさらに2~3回繰り返す。
  • 最初に水につけてから1時間ほど経ったら、水から出して水分をキッチンペーパーで拭き取る。
時間をかけてつけておくほうが効果的だが、急いでいる場合は、水のなかで血合いを洗うようにして、5回ほど水を入れ替える方法でもよい。水を入れ替えていくうちに、だんだん濁らなくなり次第に臭みが取れてくる。最後、水分をしっかりと拭き取ってから調理するのがポイントだ。

茹でて臭みをとる方法

さらにしっかりと臭みをとりたいなら、茹でるとよいだろう。やや手間はかかるが、水につけておく方法よりも早く下処理ができる。熱湯で茹でて、最後に酒と塩をふって臭みを取る方法を紹介する。
  • マグロの血合いを軽く水洗いする。
  • 鍋に湯を沸かし、血合いを入れ5分ほど茹でる。
  • 茹で上がった血合いを取り出し、バットなどに移して酒と塩をふる。
  • そのまま数分間おいたら、キッチンペーパーで水分を拭き取る。
マグロの血合いを茹でる際には、熱湯に酒と生姜を加えるとより効果的に臭みがとれる。しっかりと下味を付けて調理する場合などは、軽い下処理で十分だが、薄味で仕上げたい場合にはこの茹でる方法がおすすめだ。

4. マグロの血合いの美味しい食べ方

下処理を行うことで、特有の臭みが抜けてマグロの血合いは食べやすくなる。それでも、人によっては食べづらさを感じるかもしれない。そこで、マグロの血合いの臭みが気になりにくい、おすすめの美味しい食べ方を紹介しよう。

竜田揚げなどの揚げ物で!

血合いは、どうしてもクセがある。そのクセをより感じにくくするには、揚げるという調理法が効果的。生姜醤油で下味を付けたあと、片栗粉をまぶして揚げていこう。にんにくを下味に加えてもいいだろう。また、クミンやカレー粉などのスパイスとも好相性。洋風にアレンジするのもいいだろう。

煮付けには生姜たっぷりで

煮付けにする場合も臭みを感じにくくさせるため、生姜をたっぷりと入れるといい。煮付ける場合は、一度湯引きしてもいいだろう。甘辛く味付けし、汁気を飛ばすよう煮付けると、まるで佃煮のようだ。

結論

マグロの血合いは、工夫をすることでぐっと食べやすくなる。カロリーが低く、たんぱく質が豊富、さらにたくさんの栄養素が含まれているとなれば、オリひと世代にもぴったりだ。しっかりと味を付けるとつまみにもなるので、鮮魚店で見つけたら、ぜひ作ってみてほしい。
(参考文献)
※1 岡山県工業技術センター(河野 勇人)「マグロ血合い肉の商品化への取り組み」表1 栄養成分分析値
https://www.kenko-media.com/food_devlp/skpdf/1401-sgk-01.pdf

※2 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/くろまぐろ/天然/赤身/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10253_7

※3 厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html

※4 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」p244 1-6 ビタミン(2)水溶性ビタミン
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

※5 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1-7 ミネラル(1)多量ミネラル②カリウム(K)p273
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

※6 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」1-7 ミネラル(2)微量ミネラル・②亜鉛(Zn)p322
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
  • 公開日:

    2018年12月 3日

  • 更新日:

    2021年7月 8日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

ランキングランキング