1. 糸こんにゃくとは?

糸こんにゃくとは、こんにゃく芋というサトイモ科の植物の球茎からできたひも状の食品のことである。原材料を四角に固める一般的な「板こんにゃく」とは異なり、シャワーのような細い穴に通して作られる。また、生芋を使ったやや黒っぽいものを糸こんにゃくと呼び、細かく砕いた精粉を使った白色のものは「しらたき」と呼ぶ(※1)。一般的にはきんぴらや炒め物、汁物などに使われている。
2. 糸こんにゃくの栄養価とダイエッター必見の栄養素!

こんにゃくを使ったダイエット食品が数多く販売されていることからもわかるとおり、こんにゃくは低カロリーの食品として有名。当然、同じ原材料で作られている糸こんにゃくもヘルシーだ。そこで糸こんにゃくの栄養価と、ダイエッターにおすすめの理由について確認していこう。
糸こんにゃく(しらたき)の栄養価
文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によれば、糸こんにゃく(しらたき)の100gあたりの栄養価は以下のようになっている(※2)。
- エネルギー:6kcal
- 水分:96.5g
- たんぱく質:0.2g
- 脂質:0g
- 炭水化物:3.0g
- ビタミン
・ビタミンA:0μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0mg
・ビタミンB2:0mg
・ビタミンC:0mg - ミネラル
・ナトリウム:10mg
・カリウム:12mg
・カルシウム:75mg
・マグネシウム:4mg
・リン:10mg
・鉄:0.5mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.02mg
・マンガン:0.03mg - 食物繊維:2.9g
(・水溶性食物繊維:0g)
(・不溶性食物繊維:2.9g)
ほとんどが水分のため低カロリー
脂質・たんぱく質・炭水化物の量が少なく、そのほとんど(約97%)が水分でできている糸こんにゃくはとにかく低カロリーであることが特徴だ。そのエネルギー量は、100gあたりわずか6kcalとなっている。こんにゃくのエネルギー量が少ない理由は、食物繊維であるグルコマンナンに大量の水分を含ませつつ固めているからだ。ゼロカロリー食品を除けば、相当低カロリーの食品であるといえる。
食物繊維(グルコマンナン)が豊富
糸こんにゃくなどのこんにゃく製品には、グルコマンナンという食物繊維が多いことで知られている。食物繊維は第六の栄養素といわれるほど重要なものだが、一般的には「現代人には食物繊維が不足している」といわれている(※3)。厚生労働省によれば成人男性(18歳~64歳)の1日の摂取目標量は21gであるので(※4)、不足気味の食物繊維を糸こんにゃくなどで補おう。
3. 糸こんにゃくで行うダイエット+糖質制限!

糸こんにゃくはダイエットや糖質制限の強い味方として知られている。なぜ糸こんにゃくは注目を集めているのだろうか。その魅力についても紹介しておこう。
魅力1.カロリーコントロールに適している
一般的に「糸こんにゃくがダイエットに役立つ」といわれている。この理由はすでに説明しているとおり、100gあたりのエネルギー量が6kcalと低いからだ。極端なカロリー制限やこんにゃくだけを食べるような一品ダイエットは健康上望ましくはないが(※3)、満腹感を得つつ今よりも少しだけカロリーを減らしたい、調整したいという人には糸こんにゃくは非常におすすめの食品だといえる。
魅力2.満腹中枢を刺激しやすい
糸こんにゃくはプリプリとした弾力のある歯ごたえが特徴であるため、噛む回数が比較的多くなりやすいのが特徴である。噛む回数が増えると「満腹中枢」が刺激されるため、食べ過ぎを防止できると考えられている。また、食事のスピードが緩やかになるため、肥満の原因の一つである「早食い」を抑制できる(※3)。これらの魅力も「糸こんにゃくがダイエットに役立つ」といわれる要因である。
魅力3.糖質管理にも適している
糖質とは炭水化物を構成する要素のひとつで、おもに脳や身体活動のエネルギー源になるものである(※4)。そのような糖質(ご飯・パン・麺類など)を一定範囲内に管理することを「糖質制限」という。糸こんにゃくには100gあたり3.0gの炭水化物を含むが、食物繊維が2.9gと大半を占めるため糖質量はかなり少ない。糖質制限を行っている人にとってもおすすめの食品となっている。
魅力4.無駄なものが入っていない
糸こんにゃくの原材料には、基本的にこんにゃく芋と水酸化カルシウム(こんにゃく用凝固剤)だけが使われている。要するに加工食品でよくみられる着色料や保存料といった食品添加物が使われていないため、健康志向が高い人にとっても糸こんにゃくはおすすめだといえる。
4. ダイエッター向けの糸こんにゃくの使い方

糸こんにゃくはカロリーが低く、食物繊維は多いものの、人に必要なたんぱく質・ビタミン・ミネラルなどは非常に少ない。ダイエットに使う時には糸こんにゃくに足りない栄養素もしっかり摂ろう。
糸こんにゃく・DE・麺
麺類のような見た目をしている糸こんにゃくを下処理すれば、つるつるとした麺のように味わうことができる。スープにはキムチ・酢・麺つゆで作る冷麺風や、鶏ガラスープの素・ダシ汁で作る塩ラーメン風などがよく合う。また、糸こんにゃくで摂れない栄養素を、ゆで卵・茹で野菜・キノコ類などをトッピングして補うのもおすすめだ。好みの味付け・具材で美味しく食べるとよいだろう。
糸こんにゃく入りご飯
細かく刻んだ糸こんにゃくをご飯に加えて、ご飯の量をかさ増しするのもおすすめだ。作り方は簡単で、お米を炊く際に刻んだ糸こんにゃくを加えるだけである。糸こんにゃくを入れてもあまり食感は気にならないが、もし食感が気になるならニンジン・キノコ・醤油などを加えて炊き込みご飯にするのもよい。炊き込みご飯なら糸こんにゃくが具材の一つになるため食べやすくなる。
結論
糸こんにゃくは食物繊維が多く、カロリーが低いことが特徴である。ダイエットや糖質制限を行っている人にも強い味方であり、健康に気をつかい始める30代頃の男性にもおすすめの食材だ。なお、極端なダイエットはリバウンドの原因になるため、少しずつ食事に取り入れていくといいだろう。
【参考文献】
- ※1:日本こんにゃく協会「こんにゃくの種類と特徴は?」
http://www.konnyaku.or.jp/dekiru/index4.html - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※3:厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - ※4:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf