1. ヨーグルトの歴史

ヨーグルトの起源は、驚くほどに古い。なんとヤギや羊が家畜化された紀元前5000年頃といわれている。始まりはおそらく、偶然の産物。自然界の乳酸菌がなんらかの形でミルクに付着。発酵が促され、チーズやヨーグルトの原型になったのだろう。食の道とも言われるシルクロードを経由しながら、その土地その土地固有の発酵乳製品として発展した。
牛だけじゃない!?
今ではヨーグルトと言えば、牛の乳を使用したものがベーシックだが、誕生当時は、羊やヤギがメインだったと考えられる。実際、どんな動物のミルクでもヨーグルトにはなりうる。現在でも羊やヤギ、水牛など、牛のミルク以外でヨーグルトを作る地域もある。
日持ちがキーワード
これほどまでにヨーグルトが広まったのには、さまざまな理由があるが、そのひとつと言えるのが日持ちという観点。ヨーグルトやチーズなどの乳製品は、ミルクの状態に比べると保存性が上がる。当時、ミルクはとても貴重なものだったことから、ヨーグルトやチーズにすることで1滴も無駄にすることなく、食べ切ることができた。これはヨーグルトが広まったひとつの要因と考えられる。
2. ヨーグルトとギリシャヨーグルト

そもそもヨーグルトとは
ヨーグルトは、発酵乳のこと。具体的には牛や羊、ヤギなどのミルクを乳酸菌や酵母の働きで発酵させたものだ。世界にはインドのダヒ、ロシアのケフィール、モンゴルのクーミス、アイスランドのスキールなど、風土にあった発酵乳が存在する。
日本の定義と世界の定義
日本では、乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌または酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの、またこれらを凍結したものと定義されている。対して、世界基準では「ブルガリア菌及びサーモフィラス菌の作用により、乳及び乳製品を乳酸発酵して得た凝固乳製品と定義されている。大きな違いは、発酵を促す菌が限定されているか否か。
ギリシャヨーグルトってなに?
その名の通り、ギリシャ生まれのヨーグルト。一般的なヨーグルトとの違いは、製造方法にある。ヨーグルトはミルクを発酵させて作るが、ギリシャヨーグルトはその後、水切りという行程が加わる。水切りをするとホエーや水分が除去されるので、より濃厚な味わいへと変化するのだ。
3. ヨーグルトの違いを解説

味わいの違い
ギリシャヨーグルトは、水切りという行程のおかげで、味が凝縮される。ヨーグルト特有の酸っぱさも控えめで、まろやか。テクスチャーもよりぽってりとした雰囲気。逆さにしても落ちない、そんな広告が打たれている商品もあるほど。
栄養価も高め
ヨーグルトは、高タンパク低カロリー食品としても注目を集める存在。ギリシャヨーグルトは、水切りの効果で栄養素がぎゅっと濃縮。普通のヨーグルトよりも、タンパク質などが多いと言われている。肉や魚に比べると低カロリーなので、体調管理にも効果を発揮してくれそうだ。
食事にも◎
日本ではヨーグルトと聞くと甘くして食べる印象が高いが、実は海外では食事に用いられることも多い。ギリシャヨーグルトの生まれたギリシャでは、食事にヨーグルトが使われるのは、とても一般的なこと。刻んだキュウリなどを混ぜたディップや肉や魚のソースにも使われる。
結論
ギリシャヨーグルトは、水切りしたヨーグルトのこと。一般的なヨーグルトよりも濃厚でクリーミーな口当たりなので、ヨーグルトの酸味が苦手という人でも食べやすい。スイーツ感覚としてはもちろん、料理に使うといつもとは違った味わいが楽しめそうだ。