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稲庭うどんのゆで方のコツ。高級品と珍重されたって本当?

稲庭うどんのゆで方のコツ。高級品と珍重されたって本当?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

鉛筆アイコン 2019年12月16日

讃岐うどん、きしめん等と並んで日本三大うどんのひとつともいわれる稲庭うどん。平たく、細い麺でありながら強いコシが有り、喉越しがよいのが特徴である。その歴史や製法、食べ方を説明する。

  

1. 高級品として珍重された稲庭うどん

稲庭うどんの歴史は寛文五年(1665年)にまでさかのぼる。秋田県南部に位置する湯沢市稲庭町は、二百名山のひとつ栗駒山をはじめとする山々に囲まれ、澄んだ空気と清らかな川の流れによって良質な小麦が栽培される土地であった。

また、その頃貴重な品であった塩が川伝いに交易で運ばれてきたため、良質な稲庭うどんを生産するのに絶好の条件が整ったのである。そのため藩主が土地の人たちに命じて稲庭うどんを作らせ、上納させたのが始まりである。宝暦二年(1752年)には、藩を代表する名産品として藩御用達のうどんとなり、藩主が江戸に行く時には必ず贈答品として献上されたという。やがて稲庭うどんの美味しさは将軍家はもちろんのこと、各地の大名にも広く知れ渡った。明治時代になっても庶民の口にはまだ入らず、宮内庁に納められたという。

日本三大うどんのなかでもそうした経緯に関して、他のうどんとは一線を画している。稲庭うどんは庶民の口に入るようなものではなく、昭和40年代以降製造業者の数が増えたため多くの人に親しまれるうどんになった。家庭用以外に贈答用としても人気がある。ただ、国産小麦で作られる稲庭うどんは現地でもごくわずかで、ほとんどが外国産小麦を原料として使用している。

2. シンプルな材料、そして職人の技術

稲庭うどんは、なんといってもその350年前から続く伝統的な製法に特徴があり、職人による練り、手綯い(てない)、伸ばし、干しという工程を経て誕生するのである。

もっとも特徴的なのは手綯いと呼ばれる稲庭うどんを細く長く伸ばす工程で、生地をよりながら二本の棒にあやがけするというもの。すべて手作業のため、製麺には熟練の業が必要とされる。何度も生地の熟成を重ねることによって、繊細な麺に力強い弾力性が備わる。この製法由来の独特の形状とコシが、稲庭うどんが長年にわたって多くの人に愛される理由なのである。

3. ゆで方のコツ

稲庭うどんを上手にゆでるには、いくつかコツがある。用意するものは、大きめの鍋、箸、ざる、氷(または冷水)、時計。まず深い鍋に湯をたっぷりわかす。湯の量が少ないと温度が下がりやすくなり、うまくゆでることができないのである。一人前100gの稲庭うどんをゆでるのに水約1リットルが目安。たっぷり湯を沸かしたところにうどんを入れると自然にうどんが踊りだし、麺と麺がくっつかなくなる。ゆで時間は約3分半。うどんに透明感が出てきたらゆで上がりだ。長時間ゆで過ぎるとコシがなくなってしまうので注意が必要である。

ゆであがったうどんをザルに取り、流水でゴシゴシ洗う。稲庭うどんはゆでると表面にでんぷんが付くので、それを洗い流してぬめりを取るのである。コシが強いのでしっかり洗っても切れてしまう心配はない。短時間でぬめりを落とすようにする。ぬめりが取れたら、氷水に浸けて麺をしめる。こうすることでしっかりとした歯ごたえとコシが生まれ、食感が良くなるのである。冷たいままで食べる時はそのまま皿に盛り、温かい麺を食べる時は一度湯につけてからだしを注ぐ。

結論

伝統的な職人の技術と勘、そして小麦と塩、水だけで作られる稲庭うどんは、シンプルだが手をかけて作られる贅沢なうどんだ。家庭で食べるのはもちろん、贈答用にもおすすめである。

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  • 公開日:

    2018年12月21日

  • 更新日:

    2019年12月16日

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