1. 喉が渇く理由

脱水症状
喉の渇きには、さまざまな理由が存在する。大きな原因として挙げられるのが脱水症状であり、体内の水分が足りていない状態だ。人間の体の約60%〜70%は水分であると言われているが、そのおよそ2%が失われると、喉が渇いたと感じるそうだ。ちなみに5%失われると熱中症や脱水症状になり、10%失われると、体内の循環不全が起こる。20%失われると、なんと死に至るケースがあるという。
塩分の取り過ぎ
しょっぱいものを食べた後、とにかく喉が渇いて水分を摂りたくなるという経験をお持ちの方も多いだろう。これは体内の塩分濃度が上がっているため、正常な状態に戻そうとして起こる、喉の渇きであると考えられる。
そのほかの理由
上記以外にも喉が渇く理由がある。例えば、糖尿病。水を飲んでも喉の渇きが癒されず、トイレの回数が多い場合は要注意だ。一度、診察を受けることをおすすめする。そのほかにも、緊張や加齢、女性の場合は妊娠などによっても喉の渇きが起こるそうだ。
2. 喉のために必要な1日の水分量

そもそも、人間は1日にどのくらいの水を必要とするのであろうか?厚生労働省によると、健康な成人男性の場合、1日に必要な水分量はおよそ2.5ℓ。このうち、食事での摂取が1ℓ、体内で生成されるものが0.3ℓだそうで、残りの1.2ℓが足りないことになる。この分を飲み水として確保しなくてはならないが、多くの人はこれが足りておらず、慢性的に喉が乾いた状態だといえる。
水分の排出
ちなみに、摂取した水分のほとんどは尿や汗などで排出されてしまうので、毎日補充する必要がある。運動をしないし、汗をかくことがないという人でも、寝ている間や呼吸をする際、また皮膚からも蒸発するので注意が必要である。
3. 喉の渇きを癒す方法

渇く前に飲む
喉が渇いたと感じたときには、すでに脱水が始まっている可能性があるので、渇いたと感じる前に飲むのが正解。1時間に1杯などと決めて、意識的に飲む必要がありそうだ。ジュースやコーヒー、アルコールなどは、水分補給の効率が非常に悪い。例えば、甘いものは水分以外に糖分などが多すぎる点が問題。吸収までに時間がかかり、カロリーも気になる。またアルコールやコーヒーは、利尿作用があるので、飲んだ分またはそれ以上の排出になり、結果として水分量がマイナスになってしまう。水分補給の意味合いで飲むのなら、水が最適である。
こまめに飲む
一度に1ℓ飲んだから大丈夫ということにはならない。大量の水を一度に飲むと、血中のナトリウム濃度が低下して、別の症状を引き起こす可能性があるのだ。そもそも1ℓの水を一度に飲むのは至難の技である。水は意識的に、こまめに飲むことをおすすめしたい。
汗をかいた後は必須
運動はもちろん、入浴後、起床時も実はとても汗をかいている。汗をかくと、水分とナトリウムが急速に失われるので、必ず水分補給をすること。激しい運動の後は、塩分や糖分に配慮した経口補水液やスポーツドリンクを上手に活用するとよいだろう。またアルコールを摂取する際には、水を一緒に飲むこと。これはアルコール代謝を促す効果と脱水症状を防ぐ効果がある。
結論
喉の渇きは、脱水症状や循環機能の低下など、身体からの危険信号とも言えるので侮れない。夏と比較して、冬は汗をかかないので油断しがちだが、特に冬は乾燥しているので、肌からの蒸発も激しい。喉が渇いたと感じる前に、普段からこまめに水分補給をして、健康を保ちたいものだ。