1. 節分とはどんな行事か?

節分の由来
節分という言葉に注目すると、季節の「節」を「分ける」という漢字が使われていることがわかる。そもそも節分とは、季節の変わり目を指しているのだ。現在、われわれが節分と呼ぶのは2月3日で、これは立春である2月4日の前日にあたる。昔は立夏・立秋・立冬の前日も同様に節分と呼ばれていたが、特に春を迎える立春は、正月と同じくらいに重要な日であると考えられていた。そのため、立春の前日が節分として定着した。
日付が変わることもある!?
節分の定義は、立春の前日である。立春は二十四節気と呼ばれる季節の変化を表す指標によって割り出されるので、年によって変わることがある。立春が2月4日とは言い切れないということは、節分が2月3日とも言い切れないということだ。数ヶ月も大幅に前後することはないが、前後数日の変化は起こりうる。
なぜ豆をまくのか?
節分に豆をまくという風習は、平安時代の宮中行事に影響を受けているという説がある。なんでも、豆打ちという邪気払いが大衆化したものであるというのだ。日本では古くから、米や豆、果物は神聖なものと考えられており、珍重されてきた。なかでも大豆は魔を滅ぼす力があると考えられており、魔滅(まめ)という当て字が使われることがあるほどであった。これが豆まきに大豆が使われる所以である。ちなみに大豆は、煎り大豆を用いるのが正解。生の大豆を使うと、まいた後で芽が出てしまうことがあり、これが魔の芽と例えられ、縁起が悪いためだ。
2. 一風変わった節分グルメ

恵方巻きの進化系が登場
節分には豆まきをするのが基本で、それ以外には地方によってさまざまな食習慣がある。そのひとつが恵方巻きだ。恵方巻きは、福を巻き込むことから縁起がよいとされ、その年の恵方に向かって、黙って食べることが推奨されている。途中で切らずに食べるのには、縁を切らないという意味合いがあるようだ。今では、その風習は全国区になり、進化系も多く登場している。具材のバリエーションはもちろん、巻き込むという意味合いから、ロールケーキを丸かじりするなんてツワモノもいるらしい。
落花生をまく
節分が近くなると、スーパーには煎り大豆ではなく、落花生が並ぶ地域がある。主に東日本に多く、北海道や東北、信越地方などに落花生を投げる風習があるのだ。これは便宜上の理由が大きなもので、拾いやすく食べやすいなどである。また、豆と一緒にお菓子などをまく地方もあるらしい。
ぜんざいを振る舞う
関西地方では、厄除けぜんざいを振る舞う地域があるようだ。これは、厄年の人がほかのひとに小豆を振る舞うとよいと言われるもので、ぜんざいや餅、赤飯などを配る風習である。小豆は大豆同様、古くから神聖な力をもつ食材として珍重されてきた。その赤い色は邪気を払うとも言われており、その流れからこのような風習に繋がったのかもしれない。
3. 節分の過ごし方

京都と節分
京都には、少し変わった節分の過ごし方がある。新年への願いを込めて万灯を灯す寺や、奉納狂言を行う寺など、あまり見たことのない節分の行事が目白押しだ。多くの寺や神社で節分祭りが開催されているので、いくつか訪れてみるのもよいだろう。
沖縄と節分
沖縄には、節分と似たムーチーの日というものが存在する。ムーチーとは月桃の葉に包まれた餅菓子のことで、旧暦の12月8日、今の暦で言うと1月10日前後に、家族の健康、長寿、厄除けを祈願してこの菓子を食べるのだ。沖縄には豆まきの習慣がない地域もあるが、このムーチーを食べる習慣は広く受け入れられているようだ。
結論
節分は、旧暦で言うところの大晦日。このことからもわかるように、新年を心地よく迎えるための準備をする日でもある。その方法は地域や家庭によってさまざまだが、これからも伝えていきたい習慣、文化のひとつであることには変わりない。