1. ベルギーワッフルの基礎知識

ワッフルの起源は、18世紀のギリシャ。当時愛されていた、小麦粉と卵で作った生地を鉄板で丸く焼いたお菓子「ウブリ」を、凸凹模様でアレンジしたものがワッフルの起源である。ゴーフルという名で呼ばれていたそうだが、クレープと並んで庶民的なスイーツとして発展し、各地でアレンジされ、現在に至る。中でも、ワッフルが特に発展してきたのがベルギーで、国内では主に2種類のワッフルが食べられている。
リエージュとブリュッセル
ひとつは、長方形で軽い生地感が特徴のブリュッセルワッフル。生地自体の甘さは控えめなので、ソースやフルーツなどをトッピングして食べるのが一般的。ハムやチーズなどをトッピングした軽食風のものもあるようだ。もうひとつが、日本でも10数年前にブームになったリエージュワッフル。こちらは生地自体が甘く、カリカリとした食感と円形が特徴。ベルギーでは、このワッフルを販売する屋台やキッチンカーも多く、ファストフード感覚で食べられている。
パールシュガーの秘密
リエージュワッフルを食べると、カリッとした食感が味わえるが、これはパールシュガーが使われていることによる。パールシュガーは、熱しても内部まで溶けきらないところが特徴で、リエージュワッフル特有の食感に繋がる重要な食材だ。そのほかの食材は、リエージュワッフルもブリュッセルワッフルもだいたい同じで、バター・強力粉・砂糖・塩・ドライイースト、・卵・ミルク(スキムミルク)など。イーストが入っているからこそ、あのジューシーで弾力のある味わいになるのだ。
2. アメリカンワッフルの基礎知識

ヨーロッパからアメリカに伝わったワッフルは、独自に進化を遂げた。特徴はその食感。ベルギーワッフルに比べるとより軽く、ふんわりとした様子。パンケーキと似たような立ち位置で、朝食によく食べられる。
甘口か塩気か
アメリカンワッフルは、生地自体に使われる砂糖が控えめ。ブリュッセルワッフルのように、ソースやフルーツ、アイスクリームなどをトッピングして食べることが多い。ハムやサーモン、チーズ、フライドチキンなど、塩気のある具材をトッピングすることも多い。ちなみにアメリカンワッフルは、ベーキングパウダーで膨らませるレシピが王道。自宅ではホットケーキミックスを使って作られることもあるようだ。
3. アメリカンワッフルとベルギーワッフルの最大の違いは?

イーストの有無
アメリカンワッフルとベルギーワッフルの最大の違いは、イーストが使われているか否かという点。イーストとは酵母のことで、パンを膨らませる、すなわち発酵のために使われる素材だ。ベルギーワッフルにはイーストが使われているため、使われていないアメリカンワッフルに比べて弾力があり、食べ応えがある。アメリカンワッフルはベーキングパウダーで膨らませて作るため、よりふわふわとした食感が楽しめるという違いがある。
日本のワッフル
実は、日本で発展したワッフルも存在する。日本にワッフルが伝わったのは、明治時代。日本で広まってきたワッフルはアメリカンワッフルに近く、ふわふわと軽い口どけが特徴だ。ベルギーワッフルやアメリカンワッフルのような凸凹模様ではなく、そのまま焼き上げているものも多い。また、ジャムやクリーム、餡子などが挟まれているものが一般的だ。
結論
一口にワッフルと言っても、国によって種類や形態はさまざま。国別に異なる発展を遂げたワッフルを集めて、食べ比べてみるのもよいかもしれない。アメリカンワッフルをはじめとした甘さ控えめのワッフルは、食事感覚でも楽しめるもの。生地を手作りして、トッピングをアレンジするのもおすすめだ。