1. 安定の美味しさ、カルビは韓国語?

焼肉は、今や日本の国民食。好物だというオリひと読者も多いことだろう。中でもカルビは、焼肉の王道といえる存在だ。さて、そのカルビは一体、牛肉のどこの部分を指しているかご存知であろうか?
カルビは韓国語?
カルビの語源を探ると必ず出てくるのが、韓国語というキーワード。カルビは韓国語で、あばら骨の間の肉という意味があるそうだ。日本ではカルビと言えば焼肉の部位として考えられることが多いが、韓国では、カルビは牛肉の部位といった捉え方をされている。特に骨つきのあばら肉をカルビと呼ぶそうだ。
本当のカルビって?
実際、日本でカルビに関する厳密な規定は存在しない。ただ、あばら骨のまわりについている肉と、さらにそのまわりにあるバラ肉を総称してカルビと呼ぶケースが多いようだ。脂の旨みが特徴で、大胆に入ったサシが美味しさの証とされている。特上カルビには、三角バラと呼ばれる肩のまわりのバラ肉が使われることが多い。カルビは、濃厚な肉が食べたいという人におすすめの部位と言えそうだ。
2. カルビよりもヘルシーな大人の味方、ロース

「最近はカルビよりも断然ロース派」なんて声が聞こえてきそうだが、そもそもロースは、カルビよりもヘルシーな部位なのだろうか?よく見ると、ロースも脂身がないというわけではない。ロースとして扱われる部位について学んでいこう。
肩ロースとリブロース
牛肉には、肩ロースとリブロースという2種類のロースが存在する。どちらもキメの細かいサシと、柔らかい肉質が特徴だ。焼肉に用いられるのは、肩ロースが一般的。牛肉の中でも最も大きい部位として知られ、牛肉らしい肉の旨みと脂の甘みのバランスが絶妙だ。リブロースも肉厚なので、薄切りにしてすき焼きやしゃぶしゃぶに使われることが多い。どちらも脂身の量はカルビよりも少なく、やはりカルビよりはヘルシーと言えそうだ。
ザブトンって何?
肩ロースの中でも美しいサシの入った霜降り肉を、ザブトンと呼ぶことがある。定義は店によってさまざまだが、肩ロースの芯の部分やあばら骨側の部分を指すことが多い。いずれにしろ、一頭から数キロしか取れない希少部位である。ロースやザブトンは、肉と脂の旨みの両方を楽しみたい人におすすめの部位と言えるだろう。
3. カルビよりあっさりだが旨みたっぷり、ハラミ

カルビ、ロースと並んで有名なハラミ。実はこのハラミは、肉ではなくホルモンに分類されるものだ。ちなみにホルモンとは、生肉を切り出す際に出た部位で、主に内蔵のことを指す。ハラミは、横隔膜の筋肉に位置する部位のことを指している。
サガリとハラミ
ハラミとよく並べられるのが、サガリと呼ばれる部位。どちらも焼肉屋ではよく見かけるが、精肉売り場で販売されていることはあまりない。これは、脂や筋を取り除くといった下処理に手間がかかるから。横隔膜の筋肉の中でも、腰椎に接する部分をサガリと呼ぶ。
ヘルシーでリーズナブル
ハラミはホルモンではあるものの、味わいとしては上質な赤身肉に近い。部位や個体によっては、サシが美しく入っているものもあり、旨みが強い。ただ、生肉ではないので比較的リーズナブルで家計に優しい部位と言えそうだ。カルビやロースよりもあっさりした肉がよいが、旨みは味わいたいという人におすすめだ。
結論
上記に挙げたのは、一般的な例。サブトンに近いミスジやトウガラシといった部位を上カルビとして扱うケースもあるなど、明確な定義がされていない分、その住み分けは店や精肉店によってさまざまだ。牛肉自体の個体差も大きいので、端的に脂身の量や美味しさを述べることはできないが、カロリーに関しては、カルビ、ロース、ハラミの順に高いと考えてよいだろう。