1. おやつは何のためにある?

おやつの歴史は古く、平安時代にはすでに「御八つ」として知られていた。当時の食事は朝晩の2回が普通で、合間に食べるものをこのように呼んでいたようだ。これは間食、補食という考え方。2食では補いきれない栄養素を摂取するものである。
おやつは悪者?
おやつと聞くとダイエットの敵、肌荒れの原因など、どうしてもマイナスイメージを抱きがちである。しかし、おやつは必ずしも悪役ではない。子どものおやつを思い浮かべてみてほしい。これは平安時代の御八つと同じ考え方で、3食では補いきれない栄養を摂取するために組み込まれるものである。大人のおやつも同様の意味と捉えれば、単に悪者と切り捨てることはできない。
現代人に不足しているのは?
多くの人に不足していると言われているのが、タンパク質である。タンパク質は、カラダのあらゆるものを作り出す源とも言える存在。必須アミノ酸を摂取する上でも欠かせないことから、上手に取り入れるべきだと多くの声が上がっている。この不足しがちな栄養素を補うために活用したいのが、おやつである。
2. タンパク質を取り入れたおやつの新常識

重要なのは選び方
これまで、おやつは控えるものと思われていたが、おやつは上手に食べれば健康を害するものではない、というのが新常識。注意すべきは食べることではなく、食べるものの選び方にある。そのなかで重要なキーとなるのが、前述のタンパク質や食物繊維である。特にタンパク質は脂質と一緒に摂取すると腹持ちがよいのでおすすめだ。
血糖値とおやつ
新常識では、血糖値の上昇をどのように抑えるかが焦点になっている。多くのお菓子に使われている糖質を摂取する際、タンパク質と脂質を一緒に摂ることで、血糖値の急上昇を抑えてくれるのだ。糖質は控えるべきであるが、どうしても食べたいというときは、この法則を活用するといい。よい例として、シュークリームとどら焼きを挙げてみよう。和菓子の方がヘルシーだと考えがちだが、糖質、タンパク質、脂質のバランスから見ると、シュークリームの方がおすすめなのである。
集中力と噛みごたえを重視
しっかりと噛んで食べることは、満足感・満腹感にもつながる。もうひとつ重要なことは、おやつも集中して食べることだ。スマホを片手に食べれば、いくらでも食べられてしまうおやつも、噛みごたえがあるものを選び、集中して食べれば少ない量でも満足できる。
3. こんなものもタンパク質!最新おやつ事情

ナッツは優秀選手
健康意識の高い人からの支持が圧倒的に高いのが、ナッツである。ナッツにはタンパク質と脂質がバランスよく含まれており、ミネラルや食物繊維も豊富で、おやつ向きな食材だ。さらに噛みごたえがあるので、満足感も得やすい。ドライフルーツ入りのものは糖質も含まれているが、それも少量であれば問題ない。コンビニなどでも手軽に手に入るので、ぜひチョイスしてみよう。
チョコレートも実はおすすめ
実はチョコレートは、健康効果が高い食材だ。ただし選び方が重要で、カカオ配合率の高いものを選べば少量でも満足でき、ポリフェノールなどの機能性成分による健康効果を期待することもできる。おやつには、カカオ70%以上のものを選ぶことが重要だ。
ゆで卵やヨーグルト
チーズやヨーグルトなどの乳製品は、タンパク質、脂質、カルシウムも含まれており、血糖値の上昇を抑えつつ満足感を与えてくれる。ヨーグルトに甘みをどうしても足したいという人は、メープルシロップなどを少量加える、バナナやドライフルーツを合わせるとよいだろう。
結論
タンパク質をはじめ、日頃から不足しがちな栄養素を取り入れる手段としても有効な、おやつの存在。食べ過ぎては元も子もないが、適量であれば健康維持の効果も期待できる。食べる時間は、ランチと夕食の間。自然に空腹を感じる時間帯であり、集中力も切れることから、このタイミングで取り入れるといいだろう。小分けのナッツなどを用意しておけば、食べ過ぎも防ぐことができそうだ。