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柏餅の葉っぱは食べられる?葉っぱの種類や役割などを詳しく解説!

柏餅の葉っぱは食べられる?葉っぱの種類や役割などを詳しく解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年7月27日

端午の節句だけではなく、和菓子のひとつとして愛されている柏餅。その柏餅の葉っぱに注目したことがあるだろうか。柏餅の葉っぱはあくまで脇役であるものの、それがなければ柏餅としての形状が成り立たないようなイメージもある。本記事では、柏餅の葉っぱについて詳細を紹介する。

  

1. 柏餅とは?

まずは、日常に溶け込みすぎて深く考えたこともない柏餅の本質に迫ってみよう。柏餅は上新粉を使った餅で餡を包み、柏の葉で覆ったものだ。楕円形をしているのが通常である。柏の葉は新芽が出るまで葉が落ちないため、子孫繁栄の縁起を担いで端午の節句に食べられるお菓子として知られている。また、節句以外にもお盆の時期に食べる地方もあり、日本の伝統的な行事と縁が深い和菓子といえるだろう。

2. 柏餅に使われる葉っぱの種類

歴史を手繰れば、さまざまな葉に植物を乗せる伝統が存在している。柏餅と呼ばれるからには、柏の葉が使われるのは当然と思うことだろう。ところが実際には、必ずしも柏の葉が使われているとは限らないのである。柏餅の葉の種類にはどんなものがあるのだろうか。

葉っぱの種類1.柏

関東地方や中部以北では、柏餅には正真正銘柏の葉が使われることが多い。柏の葉は、兜の形との相似が端午の節句にふさわしいという説がある。また、秋になっても落葉せずに越年する縁起のよさが、三つ柏や抱き柏といった家紋にも使用される理由となっている。

葉っぱの種類2.サルトリイバラ

ぱっと見た感じでは気がつきにくいが、関西では柏の葉ではなくサルトリイバラという植物の葉が使用されることが多い。関西以南では柏の木が育ちにくいというのがその理由である。サルトリイバラの葉の形は、楕円か丸形で先が短く突出している。香りがよいうえ、大きさも餅を包むのに適宜なのである。

3. 柏餅の葉っぱは食べられる?

餅を柏の葉で包むという慣習は、江戸時代にはすでに定着していたといわれている。ところで、その柏の葉は食することが可能なのであろうか。結果からいうと、答えはノーである。柏餅の葉っぱは基本的に食用ではない。柏餅における柏の葉は、保存容器がなかったその昔、その丈夫さから皿や保存道具として使用されていたといわれている。基本的には塩漬けされていない葉っぱが使われるが、柏の葉は硬さもあり決して美味しいものではないので、食べることは難しいだろう。

4. 柏餅に葉っぱを使う4つの目的・意味

柏餅は柏の葉に包まれているが、この葉っぱは単なる飾りではない。柏餅に葉っぱがついているのには以下の理由がある。

その1.殺菌作用

柏の葉には「オイゲノール」という殺菌作用のある成分が含まれている。柏餅が最初に作られたのは江戸時代。まだ冷蔵庫がなかった時代に、昔の人は菌の繁殖による傷みを防ぐために柏の葉を利用した。

その2.保湿作用

柏の葉には、餅の乾燥を防ぐ作用もある。昔はラップもないので、食品の乾燥対策のためにさまざまな代用品が使われた。柏の葉はまさに天然のラップとして大活躍で、柏餅を乾燥から守る働きをしている。

その3.香り

柏の葉の特徴はその豊かな香りにある。柏の葉で餅を包んで蒸すことで、餅に葉の香りが移り、独特の風味がでる。柏の葉の風味は柏餅にはなくてはならないものだ。

その4.食べやすさ

柏餅は葉で包まれているので、手を汚さずに食べられる。餅が手につくこともないので、食べやすさも人気の秘密だ。気軽に手に取ることができる点は子ども向きで、端午の節句のおやつにはピッタリだ。

5. 柏餅の葉っぱの表裏を使い分ける理由

柏の葉は、表と裏で色が違うことが一目瞭然である。葉の表は凹凸がなく、光沢がある緑色である。一方、葉の裏側は艶がなくざらざらとしているのが特徴である。通常、艶やかな表面が目に触れるように包まれていることが多いが、店によっては葉の表裏の相違を活用しているところもある。餅の中身が小豆餡である場合は葉の表が目に触れるように、味噌餡の場合は葉の裏を外側にして包んであるのである。こうすることで中身の餡の違いが一目でわかるという工夫なのである。

6. 桜餅の葉っぱは食べられる?

柏餅と同じように、葉にくるまれた和菓子の代表に桜餅が挙げられる。時代小説にもよく登場する桜餅は、江戸時代に長明寺の境内で売られていたことで知られている。同じような形状の柏餅と桜餅は、どのような違いがあるのか。葉の役割とともに見てみよう。

桜餅と柏餅の違いとは?

桜餅は、じつは関東と関西では異なるものが食べられている。関東では小麦粉を水とあわせて薄くのばして焼いたものに餡を包む。関西ではもち米を蒸してから乾燥させて砕いた道明寺粉を、さらに再び蒸して着色したもので餡を包む。和菓子の世界では関東風のものを長明寺、関西風のものを道明寺と呼んでいる。どらちも塩漬けの桜の葉で覆う点や生地が桜色をしている点では同じである。一方、柏餅は餅には上新粉を使用する。当然、食感はまったく異なる和菓子となる。

桜餅の葉っぱは食べられる?

柏餅の葉っぱが食用には向いていないのに対し、桜餅の葉は食べることが可能である。桜餅は、葉で包むことで特有の香りを餅につけつつ、乾燥を防ぐ効果があるといわれている。桜の葉は傷みやすいため塩漬けで加工されたものが使用されるのが一般的だが、塩漬けにすることで食べても違和感のない状態になっているので、食べることも可能だ。

結論

通常は気にすることもない柏餅の葉っぱであるが、単なる飾りではない。そこには和菓子の古い歴史があり、きちんとした役割が存在するのである。関東では名前に忠実に、柏の葉っぱが使用されているのに対し、関西では違う植物の葉が使用されているのも興味深い。端午の節句以外にも柏餅を食べる機会は少なくないが、葉っぱの役割や歴史に思いを馳せてみるのも楽しいだろう。
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  • 公開日:

    2019年3月30日

  • 更新日:

    2021年7月27日

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