1. チョコレートの種類
チョコレートには、スイート、ミルク、ホワイトなど、さまざまな種類があり、それぞれに違いがある。まずはチョコレートの特徴について見ていこう。
チョコレートの定義
チョコレートの原材料はカカオ豆だ。カカオ分35%以上のもの、もしくはカカオ分21%以上+乳固形分を合わせて35%以上のものを「チョコレート」という。カカオ分がそれ以下であるものは、準チョコレートやチョコレート菓子と呼ぶ。
スイートチョコレートとは
「スイートチョコレート」とは、以下のような工程を経て作られるチョコレートのことだ。
- カカオ豆を発酵し乾燥させ、皮をむいて、豆の中心部分=カカオニブを取り出す。
- カカオニブをすり潰し、ペースト状のカカオマスにする。
- カカオマスと、カカオマスから搾り出した脂肪分=カカオバターと砂糖を加え、混ぜて完成。
スーパーなどで売っている「ビターチョコ」も、カカオ分が40~60%のものならスイートチョコレートに分類されることが多い。カカオ分が高い=糖分が少ないため、苦さを感じることもある。
ミルクチョコレートとは
「ミルクチョコレート」とスイートチョコレートは異なることをご存知だろうか。先ほど紹介したスイートチョコレートを作る工程3で乳成分を加えたものをミルクチョコレートと呼ぶ。乳成分を加えるためカカオ分は少なくなり、まろやかさが際立つ。チョコレート自体も淡い色味に変化する。
ブランドによってカカオや乳成分の配合が違うため、甘さや味わいに差を感じるだろう。カカオ豆特有の味わいを楽しみたい人はスイートチョコレートを、まろやかさ&なめらかさを感じたいならミルクチョコレートがおすすめだ。
ホワイトチョコレートとは
「ホワイトチョコレート」とは、チョコレートの苦みや風味を代表するカカオマスを含まないチョコレートのことだ。カカオバターと砂糖、乳成分でできており、ほかのチョコレートとは違って白いことや、引き立つ甘さが特徴である。ポリフェノールもカカオバターには含まれていないため、ホワイトチョコレートには入っていない。
2. チョコレートのカロリーはどのくらい?
「甘いものがほしくなると、ついついチョコレートを食べ過ぎてしまう」といった声も多いチョコレート。いくらでも食べたいところだが、気になるのはカロリーではないだろうか。ここでは、チョコレートのカロリーと糖質量について見ていこう。
チョコレート100gあたりのカロリー
まずはチョコレート100gあたりのカロリーを知ろう。一般的によく食べられているチョコレートのカロリーと糖質量を、種類ごとに調べてみた。
※以下すべて、カロリー/糖質量の順に記載
※以下すべて、カロリー/糖質量の順に記載
ミルクチョコレート:551kcal/59.3g(※1)
ホワイトチョコレート:588kcal/58.2g(※2)
アーモンドチョコレート:562kcal/40.1g(※3)
ホワイトチョコレート:588kcal/58.2g(※2)
アーモンドチョコレート:562kcal/40.1g(※3)
どの種類も500kcal以上と、かなりの高カロリー食品だ。その理由は、砂糖や乳成分が使われているからだろう。甘くて美味しいチョコレートだが、カロリーや糖質を気にする人は食べすぎに注意しよう。
板チョコ1枚、チョコレート1粒のカロリーは?
次に、板チョコ1枚のときと、チョコレート1粒あたりのカロリー・糖質量についても知っておこう。市販されている板チョコは、1枚の内容量が約50gであることが多い。可食部50gあたりで計算すると、以下のようになる。
ミルクチョコレート:276kcal/59.3g(※1)
ホワイトチョコレート:294kcal/58.2g(※2)
アーモンドチョコレート:281kcal/40.1g(※3)
ホワイトチョコレート:294kcal/58.2g(※2)
アーモンドチョコレート:281kcal/40.1g(※3)
では、チョコレートのカロリー・糖質量は1粒あたりどのくらいになるのだろうか。チョコレート1粒は約5gだ。可食部5gで計算してみた。
ミルクチョコレート:28kcal/59.3g(※1)
ホワイトチョコレート:29kcal/58.2g(※2)
アーモンドチョコレート:28kcal/40.1g(※3)
ホワイトチョコレート:29kcal/58.2g(※2)
アーモンドチョコレート:28kcal/40.1g(※3)
なお、糖質量は推定値のため変化がない。単純計算で100gあたりの糖質量から割り出すこともできるが、参考程度に考えてほしい。
3. チョコレートに含まれる栄養とは?
チョコレートはカロリー・糖質ともに高い食品だ。しかし、身体によい栄養分もたくさん含まれている。ミルクチョコレートを例に、100gあたりに含まれる代表的な栄養分を以下に記載した(※1)。
カロリー:551kcal
水分:0.5g
たんぱく質:6.9g
脂質:34.1g
炭水化物:55.8g
ナトリウム:64mg
カリウム:440mg
カルシウム:240mg
マグネシウム:74mg
鉄:2.4mg
亜鉛:1.6mg
ビタミンB1:0.19mg
ビタミンD:1.0μg
葉酸:18μg
コレステロール:19mg
単糖当量(推定値):59.3g
食塩相当量:0.2g
水分:0.5g
たんぱく質:6.9g
脂質:34.1g
炭水化物:55.8g
ナトリウム:64mg
カリウム:440mg
カルシウム:240mg
マグネシウム:74mg
鉄:2.4mg
亜鉛:1.6mg
ビタミンB1:0.19mg
ビタミンD:1.0μg
葉酸:18μg
コレステロール:19mg
単糖当量(推定値):59.3g
食塩相当量:0.2g
チョコレートにはさまざまな栄養分が含まれるため、チョコレートが高カロリー・高糖質なだけの食品かと思っていた人は少々驚いたかもしれない。これら以外にも注目したい栄養が3つある。順番に見ていこう。
ポリフェノール
老化の原因となる成分を除去することができる栄養素として知られているポリフェノール。食事の献立などでポリフェノールを摂取することができなかった場合、代わりにチョコレートで摂取するのもよいだろう。
しかし、ポリフェノールは短時間で効果が作用しやすいが、長時間の効果は持続しないので(※4)、摂取する際は複数回に分けるとよい。食べすぎを防げるため、チョコレートのカロリーや糖質を抑えたいときにもおすすめの食べ方だ。
食物繊維
食物繊維は、肌荒れ防止・肥満防止といった、女性にはありがたい効果を多くもっている。食事で摂取しようとすると、多くの食材を食べなければならない場合もある。チョコレートには種類にもよるが、100gあたり3.9gの食物繊維が含まれているため(※1)、食物繊維を摂取する目的としてチョコレートを食べるのもおすすめだ。
テオブロミン
リラックス効果があり、集中力・記憶力を高める働きをするといわれているテオブロミン。ストレスが溜まりやすい人や、勉強に集中したい受験生にはぜひ摂取してほしい栄養だ。このように美味しく栄養を摂取することができるため、チョコレートをおやつとして食べるとよい。
4. チョコレート製品のカロリー
世の中には、チョコレートを使用した市販品がさまざまある。口にする機会も多いのではないだろうか。ここではチョコレートを使用した商品のカロリーと糖質について見ていこう。チョコレートの糖質については記載の有無がメーカーによって異なるため、記載があるもののみ載せている。
板チョコ商品のカロリーは?
まずは板チョコを販売している主要メーカーの製品のカロリーを紹介する。
※製品名の後の()内は内容量
※製品名の後の()内は内容量
- 明治「チョコレート効果 カカオ72%(75g)」...1枚(5.0g)あたり28kcal(※5)
カカオポリフェノールを127㎎(1枚あたり)含むビターチョコレート。酸味と苦みのバランスが特徴だ。 - 明治「ザ・チョコレートベネズエラカカオ70 50g(50g)」...1枚(16.7g)あたり99kcal(※6)
ナッツの香りと芳ばしさ、旨味が特徴のチョコレートだ。シリーズ商品として、産地にこだわったチョコレートが複数販売されている。 - ロッテ「ガーナミルク(50g)」...1箱(50g)あたり278kcal(※7)
ロッテのロングセラーチョコレート。ミルクのコクとなめらかな口どけが特徴となっている。
チョコレートを使用した商品のカロリーは?
次にチョコレートを使った市販のお菓子のカロリーと糖質について見ていこう。
- 有楽製菓「ブラックサンダーミニバー(13g)」...1本(13g)あたり69kcal(※8)
ココアクッキーとプレーンクッキーが入ったチョコレート。ザクザクとした食感が楽しめる。 - 明治「きのこの山(74g)」...1箱(74g)あたり423kcal(※9)
サクッとしたクラッカーとまろやかなミルクチョコレートを使ったきのこを模したお菓子。ちなみに、「たけのこの里」の1箱(70g)あたりのカロリーは383kcalとなる(※10)。カロリーを気にする人は「たけのこの里」を選ぶとよいだろう。 - ブルボン「プチスイーツチョコレートケーキ(6個)」...1個(8.0g)あたり41kcal、糖質量3.8g(※11)
チョコレートでコーティングしたひと口サイズのケーキ。普通サイズのチョコレートケーキだとカロリーが気になるという人でも、ミニサイズなら安心して食べられるだろう。
5. 糖質制限中のチョコレートはNG?
チョコレートには砂糖や乳製品が多く使用されているため、必然的に糖質量が高くなってしまう。高い糖質量を誇るごはんの糖質が 57.2g(ごはん茶碗1杯分、150g)(※12)に対し、チョコレートは 59.3g(100gあたり)(※1)となっている。
「糖質制限中にもチョコレートが食べたい」と思う時もあるだろう。しかし、体重管理中は我慢しすぎるとモチベーションの低下につながってしまう。チョコレートのカロリーや糖質は気になるかもしれないが、ルールを設ける・食べてもよい量を見極めるなどして、上手にコントロールするとよい。
「糖質制限中にもチョコレートが食べたい」と思う時もあるだろう。しかし、体重管理中は我慢しすぎるとモチベーションの低下につながってしまう。チョコレートのカロリーや糖質は気になるかもしれないが、ルールを設ける・食べてもよい量を見極めるなどして、上手にコントロールするとよい。
カロリー制限中の摂取目安量は?
では、カロリー制限中でもチョコレートを食べても大丈夫な量とは、どのくらいなのだろうか?農林水産省が定めている「食事バランスガイド」によると、おやつは「菓子・嗜好飲料」に区分される。菓子・嗜好飲料の1日の摂取目安量は200kcalだ(※13)。
これを板チョコの量に換算すると、ミルクチョコレートで可食部36g以内(198kcal)となる。スーパーなどで売っている板チョコは1枚50g程度のものが多いと前述したが、チョコレート1枚全部食べると摂取目安カロリーを軽々オーバーしてしまう。食べすぎには注意したい。
これを板チョコの量に換算すると、ミルクチョコレートで可食部36g以内(198kcal)となる。スーパーなどで売っている板チョコは1枚50g程度のものが多いと前述したが、チョコレート1枚全部食べると摂取目安カロリーを軽々オーバーしてしまう。食べすぎには注意したい。
糖質制限中に食べたいチョコレートとは?
カロリー制限中や糖質制限中にチョコレートを食べる時、やはりカロリーや糖質が気になるという人がほとんどではないだろうか。チョコレートがどうしても食べたくなったときは、糖質オフのチョコレートやロカボ仕様のチョコレートを選ぶようにしよう。たとえば、以下のような商品がおすすめだ。
- 江崎グリコ「LIBERA(リベラ)」
脂肪や糖の吸収を抑える働きをもつ食物繊維・難消化デキストリンを含むチョコレート。チョコレートで初めての機能性表示食品だ。 - ロッテ「ゼロ シュガーフリーチョコレート」
こちらのチョコレートは、砂糖と糖類を使っていないのに、まろやかな味わいが特徴。同シリーズではほかにもアイスなどをラインナップしている。
このように、チョコレートのカロリー・糖質を抑えた商品にはさまざまなものがある。カロリーや糖質制限中にチョコレートが食べたくなったときにぜひ食べてみてはいかがだろうか。
結論
今回は、チョコレートやチョコレートを使った商品のカロリー・糖質量について紹介した。「体重が気になるから甘いチョコレートは控えなくてはいけない」と思いがちだが、食べ方に気をつけたり糖質などを抑えた商品を選んだりすれば、カロリーコントロールは可能である。紹介した商品などもぜひ試してみてほしい。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=15_15116_7
※2出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=15_15115_7
※3出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=15_15137_7
※4出典:公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/polyphenol.html
※5出典:株式会社明治「チョコレート効果 カカオ72% 75g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/04691.html
※6出典:株式会社明治「ザ・チョコレートベネズエラカカオ70 50g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/09057.html
※7出典:株式会社ロッテ「ガーナミルク」
https://www.lotte.co.jp/products/catalogue/choco/01/detail01.html
※8出典:有楽製菓株式会社「ブラックサンダーミニバー」
https://www.yurakuseika.co.jp/lineup/product_06.html
※9出典:株式会社明治「きのこの山 74g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/07067.html
※10出典:株式会社明治「たけのこの里 70g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/07068.html
※11出典:株式会社ブルボン「プチスイーツチョコレートケーキ」
https://www.bourbon.co.jp/product/detail/4901360342600.html
※12出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl
※13出典:農林水産省「実践食育ナビ」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/use/concept.html
※1出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=15_15116_7
※2出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=15_15115_7
※3出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=15_15137_7
※4出典:公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/polyphenol.html
※5出典:株式会社明治「チョコレート効果 カカオ72% 75g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/04691.html
※6出典:株式会社明治「ザ・チョコレートベネズエラカカオ70 50g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/09057.html
※7出典:株式会社ロッテ「ガーナミルク」
https://www.lotte.co.jp/products/catalogue/choco/01/detail01.html
※8出典:有楽製菓株式会社「ブラックサンダーミニバー」
https://www.yurakuseika.co.jp/lineup/product_06.html
※9出典:株式会社明治「きのこの山 74g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/07067.html
※10出典:株式会社明治「たけのこの里 70g」
https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/07068.html
※11出典:株式会社ブルボン「プチスイーツチョコレートケーキ」
https://www.bourbon.co.jp/product/detail/4901360342600.html
※12出典:文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl
※13出典:農林水産省「実践食育ナビ」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/use/concept.html
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