1. 備蓄と非常食って何?
備蓄とは
辞書で「備蓄」を引くと、万が一に備えて、蓄えておくこととある。その通り、備蓄は災害などでライフラインが止まってしまったとき、または新型インフルエンザなどの新型感染症の大流行などに備えて、蓄えておくものを指す言葉である。備蓄には食品はもちろん、日用品も含まれる。自治体や国が行う備蓄も、もちろん重要であるが、近年、注目を集めているのが家庭備蓄である。
非常食とは
備蓄のなかでも、すぐに食べられるものを非常食という。ライフラインが断絶した場合を想定し、熱源を使わなくても食べられるものを指す場合が多い。缶詰やレトルト食品、インスタント食品、菓子類に多く、賞味期限が長いことも大きな特徴である。山登りや旅行など、アウトドアに活躍するものも多い。
2. 備蓄と非常食の違い
備蓄と非常食は、混同されがちな言葉であるが、備蓄というカテゴリーの中に非常食が含まれていると考えるとわかりやすい。非常食だけに限らず、米や乾物、乾麺や餅など、普段から食べているもので常温、長期保存が可能なもの。またカセットコンロやトイレットペーパー、紙おむつなどの日用品も、備蓄に含まれる。備蓄と非常食を、バランスよく揃えておくことが重要である。
備蓄と非常食に共通すること
大きな共通点が、常温保存が可能なこと。特に半年以上の長期保存が可能なものが、備蓄や非常食に向いているとされる。また、持ち運びに適したパッケージであることも共通する点である。
非常食の味
非常食はやむ負えなく食べるもの、という認識は一度捨てた方がよいかもしれない。現在の非常食は、美味しいものが多い。これは、レトルトや缶詰の技術が年々向上していることによるもの。非常時だけでなく、普段使いできる非常食が増えているのだ。逆に言えば、非常食という垣根が低くなっているとも言える。普段使いの缶詰やレトルト食品が、非常食になり得るということでもある。備蓄、非常食だからと言って、特別なものを選ぶというよりは、普段から食べ慣れている食品のなかから、備蓄、非常食に適したものを選ぶのが賢いかもしれない。
3. 備蓄と非常食の正しい揃え方
事前調査
まずは今、自宅にどんな食料品があるのかを書き出し、認識することから始めよう。備蓄の基本は、「3日から1週間過ごすことができるだけの食料・日用品×家族人数」。これを事前調査と照らし合わせ、不足分を備蓄や非常食からピックアップするのだ。
備蓄と水
人間の暮らし、そして生命には水が欠かせない。備蓄の中でも、水は大きな割合を占めることになる。人が1日に必要とする水の量は3リットルと言われており、家族がいれば、人数分必要になる。一般的には、3日から1週間分を備蓄するのが基本なので、相当量の水を備蓄することが求められているのだ。
ローリングストック法
現在、広くすすめられているのが、普段使いできる食料品を備蓄し、日常的に使いながら、減った分を買い足していくといった「ローリングストック法」である。一定の食料や日用品を備蓄することで、不測の事態に備える方法と言える。食べたことのない非常食や保存食を揃えたところで、使用せず、賞味期限が切れてしまったというのでは本末転倒。普段使いできるものから、備蓄・非常食をセレクトしていくのがスタンダードなのだ。
結論
備蓄は、非常事態に蓄えておくべき食品や日用品のことを指す言葉。非常食は、備蓄のうち、火を使わずにすぐに食べることができるものを指す言葉である。双方、常温で保存できることが基本であるが、近年は非常事態に限ったわけではなく、日常で食べているものの中から、備蓄や非常食に見合ったものをチョイスしていく方法がすすめられている。今一度、家庭備蓄を洗い出し、不足しているものがないか、確認することが重要だ。
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