目次
1. フランス料理に欠かせないフォンドヴォーとは

カロリーや糖質の話の前に、まずはフォンドヴォーの基本的なところから解説しよう。
フランス料理における出汁
フォンドヴォーの「フォン」はフランス料理における出汁のことだ。また「ヴォー」は仔牛のことである。つまり「仔牛からとった出汁」のことをフォンドヴォーという。フランス料理の決め手はソースだといわれているが、フォンはそのベースとなるものである。このことからも、フォンドヴォーはフランス料理の基本であり欠かせないものなのだ。
2. フォンドヴォーのカロリー

仔牛からとった出汁、とのことでカロリーや糖質が気になる方もいるだろう。材料などによって変わってくるが、まずはカロリーから目安を解説しよう。
フォンドヴォーに使う材料とカロリー
- 仔牛肉(リブロース・皮下脂肪なし・生):101kcal
- 玉ねぎ:35kcal
- 人参(皮つき):39kcal
- セロリ:15kcal
- ニンニク:136kcal
- トマト:19kcal
フォンドヴォーによく使われる食材と、それぞれ100gあたりのカロリーを挙げた。いずれも文部科学省「食品成分データベース」によるものだ(※1)。ご覧のように、フォンドヴォーに使用される食材のカロリーはそれほど高くはない。そもそもこれらの食材は、食べるわけではなくあくまでも出汁をとるためのものだ。各食材のカロリーの合計がそのままフォンドヴォーのカロリーになるわけではない。
フォンドヴォー100gあたりのカロリー
市販されているフォンドヴォーのカロリーは100gあたり40kcal程度だ。もちろん過剰摂取はNGだが、通常使用の範囲内であれば、それほど神経質になるような数値ではないといえるだろう。
3. フォンドヴォーの糖質

糖質制限ダイエットや生活習慣病の予防・改善などを目指している方は、糖質量も気になるところだろう。フォンドヴォーの糖質量はどれくらいなのだろうか?
フォンドヴォーに使う材料と糖質
- 仔牛肉(リブロース・皮下脂肪なし・生):0.3g
- 玉ねぎ:6.9g
- 人参(皮つき):6.5g
- セロリ:1g
- ニンニク:21.3g
- トマト:3.7kcal
同じく文部科学省「食品成分データベース」を参考に、先ほどカロリーを調べた食材の100gあたりの糖質を挙げるとこのようになる。ニンニクの糖質量がやや多いが、それ以外の食材は一桁と非常に糖質が少ない。そのニンニクにしても、あまり量を使う食材ではないため、総合するとフォンドヴォー自体の糖質はそこまで高くないと考えられる。
料理の糖質には注意
フォンドヴォーは出汁である。そのため、フォンドヴォーを使った料理の糖質が高いという可能性は大いにありうるだろう。とくに、シチューは小麦粉や根菜類を使うことから糖質が高くなりがちなので、注意が必要だ。
4. フォンドヴォーのカロリーと糖質以外の栄養

お分かりのように、フォンドヴォーにはさまざまな食材が使われている。それぞれの栄養素も溶け出しているので、フォンドヴォーはさまざまな栄養が含まれた出汁といえるだろう。
フォンドヴォーに含まれる主な栄養
たとえば仔牛肉にはビタミンや亜鉛、鉄分などが含まれている。とくに、神経を正常に保つ効果があるといわれているビタミンB12は豊富で、100g中に1日に必要な量が100%含まれている。また人参はβカロテンが豊富な緑黄色野菜として知られている。βカロテンは体内でビタミンAに変化する抗酸化物質で、活性酸素を抑えたり取り除いたりする効果がある(※2)。Mサイズの人参1/2本で、1日分のビタミンAが補える。
トマトも栄養豊富な野菜だ。まず、赤色のもとであるリコピンは抗酸化物質に分類されている(※3)。生活習慣病の予防効果が期待できるとして、研究が続けられている注目の栄養素だ。またトマトにはAやCなどビタミン類も豊富に含まれている(※4)。フォンドヴォーだけを大量摂取する機会はまずないかもしれないが、さまざまな食材を使うフォンドヴォーは、それだけたくさんの栄養素を含んでいる出汁なのである。
トマトも栄養豊富な野菜だ。まず、赤色のもとであるリコピンは抗酸化物質に分類されている(※3)。生活習慣病の予防効果が期待できるとして、研究が続けられている注目の栄養素だ。またトマトにはAやCなどビタミン類も豊富に含まれている(※4)。フォンドヴォーだけを大量摂取する機会はまずないかもしれないが、さまざまな食材を使うフォンドヴォーは、それだけたくさんの栄養素を含んでいる出汁なのである。
5. フォンドヴォーを使ったビーフシチューのレシピ

フォンドヴォーを使う代表的な料理といえば煮込み料理、とりわけビーフシチューではないだろうか。せっかくなので、ご家庭で簡単に作れるフォンドヴォーを使ったレシピをひとつ紹介しよう。
材料
市販のルーとフォンドヴォー、生クリーム、牛すじ、にんじん、玉ねぎ、マッシュルーム、ニンニクを用意しよう。もちろん肉や具材は例なので、お好みで構わない。なおフォンドヴォーは固形やペースト、液体などがあるが、手軽なのは液体だ。
作り方
ニンニクはみじん切りにし、牛すじは茹でてくさみを抜いておく。フライパンにオリーブオイルをひいて弱火でニンニクを炒め、香りが立ってきたら玉ねぎを投入して飴色になるまで炒める。次に、牛すじと残りの野菜、それにフォンドヴォーを加えて煮込む。中まで火が通ったらいったん止めてルーを溶かし、再び弱火で30分ほど煮込んで牛すじがトロトロになれば完成だ。お皿に盛って生クリームをひと垂らししてからいただこう。
6. フォンドヴォーを使った料理をカロリーオフするコツ

ビーフシチューなどの煮込み料理の中には、高カロリーのものもある。フォンドヴォー自体のカロリーが低くても、料理が高カロリーでは思う存分食べにくいだろう。最後に、カロリーオフする食べ方についても紹介しておこう。
カロリーオフのコツ
もっとも手っ取り早いのはヘルシーな食材をたくさん使うことだ。たとえば根菜類は、野菜の中ではカロリーも糖質も高めである。これらの食材を減らし、ブロッコリーやきのこ類などヘルシーな食材を多めに使うことでトータルのカロリーを減らすことができる。また肉を入れる場合は鶏肉を選ぶと、牛肉や豚肉を使った場合よりもヘルシーに仕上げられる。
アクや油を取るためのシートを活用するのもおすすめだ。落しぶたとしてのせるだけで余分な油を吸い取ってくれる。あるいは、食材を炒めるときに油がいらないテフロン加工のフライパンを使うなど、使う油の量を減らすことでカロリーオフするといった工夫も大切だ。
アクや油を取るためのシートを活用するのもおすすめだ。落しぶたとしてのせるだけで余分な油を吸い取ってくれる。あるいは、食材を炒めるときに油がいらないテフロン加工のフライパンを使うなど、使う油の量を減らすことでカロリーオフするといった工夫も大切だ。
結論
フォンドヴォーにはあまり馴染みがないかもしれないが、カロリーや糖質についてはそれほど気にする必要がないことはわかっていただけただろう。ただし、フォンドヴォーを使った料理の中にはカロリーや糖質が高めになるものもあるので、カロリーオフする食べ方にもぜひ注目してもらいたい。
(参考文献)
- 1:文部科学省 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl - 2:厚生労働省「カロテノイド _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html - 3:厚生労働省「抗酸化物質 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html - 4:厚生労働省「抗酸化ビタミン _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
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