1. シュウマイと小籠包の基礎知識
シュウマイとは
自宅でも、比較的簡単に作ることのできる点心のひとつ。一般的なレシピで餡に使われているのは、豚肉・玉ねぎ・片栗粉と調味料である。スーパーで広く販売されている専用の皮に包んで、蒸し上げるだけ。エビや鶏ひき肉で作る、アレンジバージョンも存在する。醤油と酢、そしてからしをつけて食べるのが定番だ。
小籠包とは
小籠包は、上海生まれの料理であると言われている。点心のなかでも人気が高く、日本でも専門店は行列が絶えない。餡の中身は、豚ひき肉に豚の皮を煮込み、冷やしたものを混ぜて作るのが特徴。豚の皮はゼラチン質なので、煮込んでから冷やすと、煮こごりのように固まる。これが、あの溢れ出る肉汁の正体である。鶏がらスープや干し椎茸の戻し汁などを、ゼラチンで固めて同じようにする場合もあるそうだ。こちらも、蒸気たっぷりのセイロで蒸すだけ。針生姜をのせて、黒酢で食べるのが定番である。
2. シュウマイと小籠包の違い
餡の違い
シュウマイは、肉感をしっかりと味わえる食べ物である。そのため、よく練った豚肉が餡のメインになる。対して小籠包は、あの肉汁こそが美味しさの要。そのため、餡には冷えて固まった状態のスープの素となるものを混ぜ混んでいる。このように、餡の違いは明白である。
皮の違い
小籠包の皮は本来、マントウと呼ばれる中華風の蒸しパンがルーツにある。マントウは肉まんの皮のようなもので、イーストの入った中華風パンとも言える存在。そもそもは、そのマントウを少々薄くしたものが使われていた。それが進化し、現在のようなつるんとした、のど越しのよい皮に変化したようだ。この皮には、ラードやごま油などの油脂が入っていることが多い。現地では今でも、焼き小籠包にはマントウが使われていることもある。日本でレシピをチェックしてみると、餃子の皮で代用しているものが多いが、本来は違うものと考えるのが正解だ。シュウマイの皮は基本的には、餃子の皮と同じ。小麦粉に水と塩を加えてこね、薄くのばしたものなので、シュウマイと小籠包の皮は異なると考えられる。
3. シュウマイと小籠包以外の点心
点心とは
そもそも点心とは、何を指す言葉か?点心は古くからある言葉で、空腹を満たす間食のことである。食事系の鹹点心、スイーツ系の甜点心、ご飯や麺類を指す小咆、フルーツやドライフルーツを指す果子の4つに分けることができる。混同されがちな飲茶とは、中国茶を食べながら点心を食べることを意味し、同意義ではない。
マントウと包子
先に述べたようにマントウは、中華風の蒸しパンのことである。肉饅の皮部分と言えば、わかりやすいだろうか。餡を入れたものは、包子と呼ばれる。中国のなかでも寒さの厳しい華北や東北などの地域では、稲作文化が定着せず、小麦粉文化が発達した。そこで生まれたものである。肉まんの餡は、小籠包のようにスープが滴るわけではないので、どちらかと言えばシュウマイに似ていると言える。
結論
シュウマイと小籠包は、素材は似ていても、まるで違うものである。シュウマイは専用の皮も市販されており、家で簡単に作ることができるが、小籠包はなかなか手間のかかる料理である。ただ、作ることができないというわけではないので、時間のある週末などに、挑戦してみるのもよいかもしれない。
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