1. 海藻類と藻類って何?

水中にある植物は、藻類とそれ以外に大きく分けることができる。藻類のなかでも、我々に親しみ深いものが海藻類である。海藻は海中に生息するもので、緑藻類・褐藻類・紅藻類など、色の違いで分類される。一般的に、海底に沈めば沈むほど光の量が少なくなるため、紅色になると言われている。
海藻類と海草
実は両者は、異なるものを指している。海藻類は水中に生息する藻類の一種で、胞子で繁殖する。対して海草とは、海中に生息する植物のこと。植物なので、花を咲かせて種子が落ちることで繁殖する。混同されがちなので、この機会に覚えておきたい。
2. カラダに効く海藻類パワー

そもそも藻類は、生命のなかでもかなり歴史が古く、ここまで地球が発展した影の立役者とも呼べる存在だ。進化の源と呼ばれている藍藻類も、藻類の一種である。光合成から酸素を生み出したのも、今や、なくてはならない石油の原料となったのも藻類である。このようなバックグラウンドから、海藻類に潜在的なパワーがあるとしても不思議ではない。
食物繊維
海藻類、そして藻類全体が、なぜここまで注目を集めることになったのか?それは、類い稀なる栄養素に秘密がある。最大の利点は、豊富な食物繊維。食物繊維には、水に溶ける水溶性と、溶けない非水溶性がある。多くの野菜に含まれているのは、非水溶性の食物繊維で、こちらは水分を吸収し、カサが増すタイプのものだ。対して水溶性の食物繊維は、水に溶け、ネバネバした状態になる。油を吸収して老廃物を排出したり、脂肪や糖類の吸収を抑えるなどの働きがあるとされている。海藻類や藻類には、この水溶性の食物繊維が非常に多く含まれているのだ。アルギン酸やフコダインは、この水溶性食物繊維のことで、腸内細菌の餌になることでも知られている。
ミネラルやビタミンも
海藻類や藻類は、種類によってミネラルやビタミン、アミノ酸なども豊富に含まれている。さらに、総じて低カロリーなので、ダイエットにも効果的と言われる。カロリー過多になりがちな現代人にとって、積極的に取り入れたい食材なのである。
3. 取り入れたい海藻類と藻類

ユーグレナやスピルリナ
別名ミドリムシと呼ばれる、ユーグレナやスピルリナは、特に注目度の高い藻類である。前述の栄養素だけでなく、タンパク質・鉄・クロロフィルなども多く含んでおり、消化吸収がよいので、効率的に栄養素を摂取することができる。またスピルリナやユーグレナは、水溶性だけでなく、非水溶性の食物繊維も併せ持つという、かなり珍しい性質がある。これも、スーパーフードたるゆえんだ。粉末状になったものが多く販売されている。
アカモク
わかめやひじきの仲間として知られるアカモクも、注目度の高い海藻類である。食物繊維などの栄養素はもちろん、抗アレルギー作用があるとされるため、花粉症の抑制にも効果が期待できそうだ。また、アカモクは浄化能力が高いため、高潮の解消などにも効果を発揮してくれる。古くは厄介者として廃棄されることも多かったが、健康意識が高まるなかで、その実力が見直されることになった。
結論
人類の祖先とも言える、海藻類や藻類。現代人に必要な栄養素がたっぷりと含まれており、国内外のセレブや健康マニアから注目される存在である。日本では、ワカメや昆布をはじめとする海藻はとてもポピュラーで、日常的に食べられる食材だ。さらなる効果を求めて、ユーグリナやスピルリナ、アカモクなどを取り入れるのもよいかもしれない。
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