1. 北斗ってどんなりんご?

北斗の出生の謎
北斗は、1983年に青森県で生まれて品種登録されたりんごである。もともと、母親としてふじ、父親として陸奥を交配させて誕生したといわれていたが、遺伝子診断により、陸奥の遺伝子が含まれていないことが判明した。そのため、父親は「レロ11」や「印度」ではないかと推察されているが、その真相はまだ確定されていないという。
北斗の生産量
ツル割れや尻割れ、芯カビ、着色不良、青実などのトラブルが起きやすく、半分以上が不良品となり、商品として流通できないため、採算がとれにくい品種といわれている。栽培が難しく、手間もかかることから、生産者が非常に少なく、その生産量は、りんご全体の数%程度といわれている。幸運にも売られているのを見かけた時は、ぜひ手にとってみていただきたい。
見た目
北斗は350~400gの重さで、丸い球形から楕円形の形をしている。稀に600gを超す大玉ができることもある。果皮の色は赤~赤紫色をしており、栽培途中で袋にかぶせる作業が入る、有袋栽培で作られたりんごである。一方、袋をかぶせない無袋栽培で作られたものは、サン北斗と呼ばれている。
2. 北斗の旬や味の特徴

旬の時期
北斗の収穫時期は10月下旬頃から11月までの1ヶ月間と、短い。貯蔵期間も決して長くはなく、流通するのは長くても3月頃までである。美味しく食べることができる旬の時期は10月下旬から12月頃だが、流通量が多くないので、なかなか目にすることができない。
味の特徴
りんごの中でもトップクラスの美味しさであるといわれる北斗は、完熟すると蜜が入りやすいという特徴があり、蜜入りりんごとして美味しく食べることができる。果汁もたっぷりと含まれており、糖度が高く、酸味が強くないことから、甘みと酸味の濃厚なバランスが魅力だ。しっかりとした芳香があることも特徴。
食感
果肉はやや硬く非常に緻密であるので、歯ごたえがある。ただし、大玉であるので、完熟期を逃すと味がぼやけやすくなることもあり、見極めが重要。完熟の時には蜜が入っているので、歯ざわりが良好であるのも特徴です。また、非常にジューシーなので、ひと口かじれば口の中に果汁があふれてくる。りんごの生ジュースを飲んでいるような気分を体験できるだろう。
3. 北斗の選び方やおすすめの食べ方

おすすめの選び方
果皮の色がしっかりと赤く色づいており、重量感のあるものがおすすめ。色づきを確認する時には、お尻の方の色づき具合いも確認することが大切。黄色っぽくなっているものが、完熟している証拠だ。緑色をしているものはまだ、完熟一歩手前である。北斗は完熟すると蜜の入りもよくなるので、お尻の色づきを確認して完熟のものを選ぼう。
保存方法
乾燥を防ぐため、新聞紙などで1つずつ包んでからビニール袋に入れ、直射日光の当たらない冷暗所や冷蔵庫の野菜室などで保存する。北斗は保存性の高いりんごではあるが、完熟しているものほど傷みやすい。そのため、できるだけ早く新鮮なうちに食べることをおすすめする。
おすすめの食べ方
北斗は、完熟したものは甘みが強く、酸味のバランスもバツグンの美味しさである。まずはぜひ、生で味わってみよう。栄養価的に考えると、皮ごと食べるのがおすすめではあるが、歯ざわりが気になる場合は皮をむいてから食べるのがよい。
結論
栽培が困難で生産者も少ない幻のりんご、北斗。完熟すると蜜入りがよいこともあり、その味は酸味と甘みのバランスがバツグンだ。芳香もしっかりとしており、りんごの中でトップクラスの美味しさといわれている。手に入れるのは難しいが、見つけた時にはぜひ食べてみていただきたい。
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