1. キウイについて知ろう!キウイの歴史と豆知識
中国からニュージーランド、欧米へ
意外に知られていないが、キウイは中国が原産だ。マタタビ科マタタビ属の蔓性落葉樹で、日本でも栽培されている。中国にあったキリスト教伝道所から、ニュージーランドの植物学者アレキサンダー・アリソンの手へと渡り、アリソン所有地でニュージーランド初の実をつけた記録が残されている。現在、メインで流通している緑の果肉のキウイは、ニュージーランドで改良されたものなのだ。
当時「チャイニーズ・グスベリー」と呼ばれていたそれは、ニュージーランドにいたアメリカ人の間で人気が出たことから輸出を開始。アメリカ、ヨーロッパへと広がっていった。世界へ輸出されるにあたり、ゴワゴワとした果皮がニュージーランドの国鳥であるキウイに似ていたことから、名前は「キウイフルーツ」と改められた。現在、日本で市場に出ているのはほとんどがニュージーランド産で、輸入量の約95%を占めている。
当時「チャイニーズ・グスベリー」と呼ばれていたそれは、ニュージーランドにいたアメリカ人の間で人気が出たことから輸出を開始。アメリカ、ヨーロッパへと広がっていった。世界へ輸出されるにあたり、ゴワゴワとした果皮がニュージーランドの国鳥であるキウイに似ていたことから、名前は「キウイフルーツ」と改められた。現在、日本で市場に出ているのはほとんどがニュージーランド産で、輸入量の約95%を占めている。
世界に広がるキウイフルーツ
世界的に見たキウイの生産量は、1位が中国、2位は意外なことにイタリア、そして3位がニュージーランドとなっている。イタリアやチリでキウイが盛んにつくられるようになったのは、同じ蔓性植物であるワイン用ぶどうの技術が応用できること、作付け時期的に作りやすかった土壌があったことが理由に挙げられる。
キウイのブランド化
ところで、キウイを買うときに「Zespri」(ゼスプリ)と書かれたシールを目にすることがあるだろう。これは、ニュージーランドキウイフルーツのブランドネームである。ニュージーランド・キウイフルーツ・マーケティングボード(NZKMB)が設定した。キウイフルーツ産業をブランド化し、品質等を重要視する、グローバルビジネスへと転換を図ったのだった。
2. 海外産キウイの代表的な種類
スーパーなどで販売されているものは、キウイフルーツのごく一部の種類にすぎない。実はキウイには多様な種類がある。
ヘイワード
スーパーマーケットなどの店頭でもっともよく見かけるのが、この種類だ。ヘイワード・ライトという種苗生産業者が開発したことから、ヘイワード種と名付けられた。今では世界中で流通している。酸味と甘みのバランスがよく、熟れたらスプーンで果肉をすくって食べられる柔らかさが人気だ。ニュージーランド産は4月末頃から12月過ぎ頃まで店頭に並ぶ。国産のものは11月から5月頃だ。北半球の日本と南半球のニュージーランドで四季が逆になるので、ちょうどよく一年中食べることができるのだ。
サンゴールド
鮮やかに黄色いキウイフルーツ、これも近年よく見る種類だ。一目見て、ヘイワードより果皮の毛が薄いことがわかる。味わいは、甘みが強くジューシー。酸味の苦手な人や子どもにはこちらがおすすめだ。サンゴールドに含まれるビタミンCは約160㎎、レモン8個分に相当するといわれている。一日に必要なビタミンCを、サンゴールドひとつで賄うことができるのだ。店頭に並ぶのは、4月末から
9月頃までと、ヘイワードに比べれば短い期間だが、それでも夏中は十分に楽しむことができる。
9月頃までと、ヘイワードに比べれば短い期間だが、それでも夏中は十分に楽しむことができる。
ベビーキウイ
2~3センチの小さなキウイである。最近、海外から輸入されてきたスーパーフードとして、注目を浴びた。日本へはアメリカやチリから輸入される。皮ごと食べることができるが、皮はとても酸味が強い。柔らかい皮は手でむけるほどなので、好みで皮をむいて食べることもできる。アメリカ産は9月頃、チリ産は2月3月頃に入荷される。
3. 国産キウイの代表的な種類
キウイは日本の土壌でも育ち、独自の種類を生み出している。日本でもっとも収穫量が多いのは愛媛県、次いで、福岡県や和歌山県産のものになる。日本で収穫できるキウイの旬は、秋。ゼスプリ印のキウイも、11月から5月頃まで、愛媛県をはじめとする数か所で栽培されている。
レインボーレッド
静岡県富士川町にある会社によって商標登録されているキウイである。中国系キウイフルーツを静岡県で育成、選抜した品種だ。断面が印象的で、種周辺の果肉が赤色をしている。外側に向かって、放射状に広がる赤色のグラデーションが美しい。味はとにかく甘い。低酸度で、とろけるように柔らかい果肉を持つ。キウイ嫌いの人でも、このレインボーレッドなら食べられるというくらいだ。
さぬきゴールド
香川県で生まれた、果肉の黄色いキウイだ。ほかの俵型のキウイと比べ、球体に近い形で、平均的にほかのキウイよりも1.5倍ほど大きい。大きく見栄えもよいため、贈答品としても人気がある。香川県では、育成品種「香緑」や「讃緑」などとあわせ、キウイの生産者が増えてきている。
4. キウイに含まれる栄養は?
キウイを買ってきたときは、まだ未熟なものが多い。家で簡単に追熟できるので、少し多めに購入しておき、順に食べていくこともできる。うまく追熟させるには、食べきれる分だけを20度前後の常温に出しておくだけでよい。密閉しない程度にラップをするか、口をしめないポリ袋に入れておくなど、乾燥させないよう注意しよう。その際、りんごやバナナと一緒に置いておくと、エチレンガスの効果により追熟はより早くなる。甘い香りがしてきて、人間の鼻の頭くらいの硬さが食べごろだ。
キウイに期待できる栄養素
ビタミンC、E、カリウムなどが豊富で、風邪予防に効果が期待できる。食物繊維も豊富に含み、腸内環境を整え、糖の吸収をおだやかにするともいわれている。そのほか、有機酸など、健康維持のために必要な重要な栄養素が詰まっているとされる。キウイは日持ちもするので、常備果物とするのもおすすめだ。
結論
実はキウイは、暖かい地方なら日本でも家庭菜園で楽しむことができる。薬剤の散布の必要はほぼない。実をつけるには雌雄の両方が必要なため、2本分の場所が必要で、植えてから収穫まで2、3年かかるが、自分で育てたキウイの味はまた格別だろう。ヘイワードの苗が多く売られているが、ほかの苗も購入できる。自宅でキウイ狩りを楽しむのも乙なものだ。
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