1. 鱧の基礎知識

鱧の特徴は?
鱧はウナギ目ハモ科に属する魚で、見た目は確かにウナギやアナゴのように長くて、ぬるっとしている。大きな口と長い顎、そしてのこぎりのような歯が特徴で、なんとも獰猛な顔つきだ。夜になると活動をはじめ、イカやエビ、魚などなんでも捕まえ、その鋭い歯で噛みちぎる。体長は1m前後。大きくなると2mを越すものもあるようだ。
食材としての鱧
恐ろしい顔つきとは裏腹に、味わいは淡白で非常に上品だ。美しい白身で、湯引き、煮る、焼く、揚げるなど、どんな調理法にも向いている。骨が非常に多いため、そのままで食べることはできず、骨切りという下処理を施す必要がある。これは皮一枚で繋がるように細かく切り込みを入れるもので、熟練の職人による技術がなくてはならない。この骨切りを行うことで、美味しく、そして見た目にも美しく食べることができるのだ。鱧は中国・長江沿岸に産卵地があるといわれているが、詳しくは解明されていない。日本では中部以南での漁獲が多いが、その量は右肩下りである。
2. 鱧の生産地ランキング

農林水産省公表の海面漁業生産統計調査によると、鱧の生産地ランキングは、直近のもので2006 年までのものしか存在しない。その
2006年のランキングでは、931トンで兵庫が1位、次いで徳島、大分と続く。兵庫県のなかでの有名な産地は、淡路島。現在では和歌山県や愛媛県、山口県、長崎県などでの漁獲も多いといわれているが、統計はまだ出ていない。
海面漁業生産統計調査をみるとよくわかるが、東京以北では、ほぼ漁獲がゼロである。兵庫や徳島を中心とする、瀬戸内海での漁獲が圧倒的に多い。韓国や中国での漁獲も多く、輸入物も出回っている。
2006年のランキングでは、931トンで兵庫が1位、次いで徳島、大分と続く。兵庫県のなかでの有名な産地は、淡路島。現在では和歌山県や愛媛県、山口県、長崎県などでの漁獲も多いといわれているが、統計はまだ出ていない。
海面漁業生産統計調査をみるとよくわかるが、東京以北では、ほぼ漁獲がゼロである。兵庫や徳島を中心とする、瀬戸内海での漁獲が圧倒的に多い。韓国や中国での漁獲も多く、輸入物も出回っている。
3. 鱧に関する豆知識

旬の時期は?
鱧の旬は、産卵を迎える前の初夏の時期、6~7月といわれているが、実はこれ以外にももう1度、秋に旬が訪れるといわれている。時期にすると10月頃。脂がたっぷりとのっていて、初夏とはまた違った味わいらしい。通にも人気があるとか。
鱧といえば京都?
京都=鱧のイメージを強くさせた一因に、祇園祭がある。別名、鱧祭と呼ばれることもあるほどだ。梅雨の水を飲んだ鱧は旨い、という言い伝えとともに、実際に祇園祭のころに旬を迎え、よく食べられる。交通手段の発達していない時代に、魚を生のまま運搬することは至難の技。そんな時代においても新鮮な状態で運ぶことができた魚こそ、鱧だといわれている。小骨が多く食べづらい魚であったが、せっかく運ばれた貴重な魚を無駄にするわけにはいかず、古人が知恵を働かせて骨切りという手法を編み出したというわけだ。
結論
鱧は、いわずと知れた高級魚。上品で淡白な味わいに、病みつきになる人も多い。鱧=京都のイメージ通り、産地ランキングは関西、瀬戸内海沿岸がメイン。関東、そして以北では、わざわざ食べに行くという行為無くしては、目にする機会もあまりないのが現実だ。今がちょうど旬の鱧。祇園祭を訪れて、鱧を味わうなんていう、粋な楽しみ方もよいかもしれない。