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身体にいいってこと以外に何が違う?混同しがちな薬膳と漢方を比較

身体にいいってこと以外に何が違う?混同しがちな薬膳と漢方を比較

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

鉛筆アイコン 2019年10月23日

「なんとなくカラダにいいもの」として浸透した感のある、漢方や薬膳。キーワードとしては知っているが、実は内容はあやふやという人も多いのではないだろうか?今回は、そんな漢方と薬膳を一挙に整理してお届け。基礎的な知識とその違いについて学ぶことで、漢方と薬膳についての理解を深めよう。

  

1. 薬膳と漢方の考え方

薬膳とは

古くから中国では、薬食同源という言葉がある。これはいかなる食べ物にも薬効があり、うまく取り入れることで薬にもなるという意味。逆にいえば、間違えた摂取は病をもたらす可能性もあるということだ。この薬食同源を体現する食事こそ、薬膳である。季節やその人の体調にあった食材、また生薬を組み合わせた食事のことを指す言葉である。食材や生薬の特性を知り、それぞれのパワーをうまくカラダに取り入れる方法ともいい換えることができる。

漢方とは

中国で生まれ、日本で発展した医学体系のひとつである漢方。漢方薬とは、この漢方で使われる薬のことで、これらは天然の植物や鉱物などから作られるもので、生薬とも呼ばれている。漢方といえば漢方薬と考えられることが多いが、実はこれは間違い。漢方は漢方薬をはじめ、鍼灸治療、整体、食養生などを用いた治療全体のことを指す。食養生のなかには、薬膳も含まれている。

2. 薬膳と漢方の違い

双方の違いをまとめると、薬膳は食養生のひとつ。漢方は医学体系のひとつであるということ。さらに薬膳は、漢方における治療法のひとつである。

病気を主体として、治癒のために分析をして治療に繋げる西洋医学と異なり、漢方をはじめとする東洋医学は、病人を主体として全体的に分析し、治療へと繋げるものである。分析にはさまざまなアプローチが用いられるが、薬膳もそのひとつであるということだ。漢方は、病気になった根源を治すための取り組みともいえるかもしれない。

3. 薬膳と漢方の上手な取り入れ方

食材の性質を理解することからスタート

漢方のなかでも、自分でチャレンジしやすいものが薬膳である。薬膳において重要なのは、食材がどういった性質を持っているかをきちんと知ること。食材は体を温める温性と熱性、体を冷やす寒性と涼性、どちらにも属さない平性に分類することができる。例えば、みかんやもち米は温性、生姜や唐辛子は熱性、夏野菜のゴーヤやトマトは寒性、蕎麦やきゅうりは涼性、うるち米や豚肉は平性である。また酸味、苦味、甘み、辛味、鹹味の5つの味が存在し、これらはそれぞれ作用があるだけでなく、通ずる5つの臓器の働きを促進すると考えられている。

生姜や山芋など身近な食材も

これらの情報を認識し、複合的に活用するとなると本格的に学ぶ必要があるが、簡易的なものであれば、身近にある食材でも薬膳的なアプローチで採り入れることができる。例えば、生姜や山芋は漢方薬に使われる生薬として知られる存在であり、薬膳にも欠かせない存在だ。これらは、我々の暮らしに浸透しているひとつ食材でもある。こういった食材を取り入れるのもひとつの手だろう。

旬の食材を取り入れるのが近道

さらに簡単な薬膳的アプローチといえば、旬のものを採り入れること。旬の食材は基本的に、その季節に必要な栄養素や性質を備えていると考えられている。ただ、旬だからといってひとつの食材を極端に摂取することは、栄養面から見てもあまりおすすめできないので、バランスよく取り入れたい。

結論

季節の変わり目になると体調が左右されやすい、冷え性がひどい、寝つきが悪いなど、病気とまではいえない不調の数々。これらにゆるやかにアプローチしてくれるのも、漢方のよいところである。漢方のなかでも、季節や体調に合わせた料理という意味をもつ薬膳は、自宅でもトライしやすい療法だ。漢方と薬膳の違いは、医学体系か食養生かというところにあった。まずは、季節の食材を献立にバランスよく取り入れることから始めたい。
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  • 公開日:

    2019年6月16日

  • 更新日:

    2019年10月23日

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