このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。

苦節20年、栗の大家が生み出した栗の名ブランド【利平】

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 平原あさみ(ひらはらあさみ)

2019年7月20日

一度この栗を食べたらほかの栗は食べることができない、とまでいわれている利平。岐阜県生まれの利平栗は、戦中戦後の激動の時代、栗に一生を捧げたある大家の努力の結晶といわれている。いまや、利平栗は栗の王様としてブランド力を確立した。この栗には、どのような物語があるのだろうか。

\この記事をシェアする/     
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

1. 栗の大家の乾坤一擲、日本が誇るブラント栗【利平】

最高のブランド力を誇る利平栗。そのブランドバリューは、どのような経緯で生まれたのであろうか。

戦中戦後を挟んで10年を要した品種改良

利平栗は、9月中~下旬にかけて市場に出る。バツグンの甘さを誇る利平栗は、岐阜県で栗の栽培と改良に一生を捧げた土田健吉氏によって生み出された。
彼は、栗に関しては一家言ある人としてすでに有名であった。岐阜県の栗栽培教師として、後進の育成にも身を捧げている。土田健吉は、粒の大きさで知られていた日本の栗と、甘さでは定評のある中国の栗を掛け合わせることを思い付く。ようやく昭和15年に完成した栗を、農林省が新品種として認めたのは昭和25年。じつに、登録までに10年を要したのである。万感の思いがあったであろう土田健吉は、自らの屋号を冠して新種の栗に「利平」と名付けたのである。
戦後の農林省が総力を挙げて取り組んだのが、クリタマバチという害虫に強い栗の品種改良であった。

外観も品格あふれる利平栗

和栗の多くがクリタマバチの被害に倒れる一方で、利平栗はそれをものともせずに見事な実をつけて、その名を全国に知らしめることとなった。甘さや害虫への耐性だけではなく、利平栗は形も福々しい美しさに恵まれている。皮の艶やかさも、栗の王と呼ばれるにふさわしい品格である。惜しむらくは、栽培が非常に難しいために収量が少ないことであろうか。しかし、それさえもブランド力を支える一因といえなくもない。

2. 利平栗の強力なブランド力、それを支える味わい

栗の王様として強いブランド力を誇る利平栗。者にふさわしい味わいとはどのようなものであろうか。そして、利平栗の正しい選び方とは?

利平栗の旬

利平栗は、9月の下旬~10月中旬にかけて収穫される。
実の重さは23~25g、栗の中では大粒の部類に属している。色は黒色に近い濃さがあり、これに艶やかさも加わった美観を誇っている。てっぺんの部分に可愛らしい毛が生えているのも特徴である。

利平栗の選び方

全体的にコロンとした丸みがあり、ふっくらとした形がよいものが選ぶ時の基準となる。
年々収穫量が減っているといわれる利平栗は、その中から選り好みをするのはかなりの贅沢かもしれない。とはいえ、理想としては全体にふっくらとしていてつやつやしく、さらに手にした時にどっしりとくる感触のものが好ましい。
皮に小さな穴が空いていたり、白い粉をふいているものは要注意。利平栗はイガが非常に大きいため比較的虫はつきにくいのだが、果実が虫に食われている可能性が高い。また、皮が割れやすいという資質があるので、しわがなく割れていないものを選ぶのもコツである。

利平栗の保存方法

貴重な利平栗の美味しさを損なわないためには、購入後なるべく早く食するのがよいとされている。保管をする場合は鬼皮はむかないほうがよいが、常温で置くとは虫がつきやすいため、栽培農家ではチルドルームでの保管を推奨している。中国の栗の遺伝子を引き継いで、渋皮はむきやすい。

3. 希少な利平栗をとことん味わうために

バツグンの甘さを誇る利平栗ではあるが、果実の部分はもろいため甘露煮やシロップ漬けにするにはイマイチといわれている。
王道としての食べ方は渋皮煮といわれているが、鬼皮のむきにくさが難である。鬼皮をむくという文字通り鬼のような作業を乗り越えれば、絶品といわれる渋皮煮を味わうことができる。
一流の菓子職人たちからも強い支持を受けている利平栗であるが、これほどのブランド栗ならばやはりシンプルに蒸して食すのが一番であろう。香り、甘み、ともにストレートに美味しいため、茹でてもクリーミーな醍醐味を心ゆくまで堪能できる。
また、焼き栗にしてもホクホクとした食感ととろけるような甘みが満載である。

結論

年々収穫量が減少し、入手が困難になりつつある利平栗。栗の王様といわれるゆえんには、その甘さと風味に加えまれなる希少性がある。栗に一生を捧げたある男性が、戦中戦後の苦難の時代に改良に成功した利平栗には、栗という概念を超えた日本人の特性が込められているのである。利平栗の姿と味のよさは、日本の栗の代表として未来に伝えていきたいものである。
この記事もcheck!

おすすめ記事おすすめ記事

    ページトップへ ページトップへ