1. 抹茶と粉茶

抹茶の基礎知識
抹茶とは何か?抹茶は茶道にも用いられる高級茶のことである。一般的な煎茶とは、茶の木の育て方が異なる。抹茶は茶摘みの数週間前から、よしずなどを使用して、茶畑に日光が直接当たらないよう配慮する。こうすることで旨みが多く、香り高い新芽へと成長するのだ。この新芽だけを摘み、蒸熱し、乾燥させ、てん茶と呼ばれる状態にする。これが抹茶の原料である。これを石臼などで丁寧に挽いたものこそ、抹茶である。
粉茶の基礎知識
粉茶とは、煎茶を製造する際に出る、細かな粉を使用したお茶のこと。そもそも煎茶は抹茶とは異なる製造方法をたどっている。抹茶のように遮光することなく、育てた新芽を摘み取り、蒸熱したら、あとは時間をかけて揉んでいく。さらに火入れをして、ブレンド(号組)。ここまできて、やっと製品として販売されることになる。この製造過程で出る細かな茶葉こそ、粉茶である。茶はティーバッグの中身や、寿司屋で使われることも多い。
粉末茶とパウダー茶
さらに粉茶と同じような分類に、粉末茶とパウダー茶がある。粉末茶は、煎茶を機械で細かく砕いたもの。粉末といっても微粉末なので、お湯や水に溶かすと少々繊維などが残る。多くの回転寿司店で使用されているのは、こちらであろう。パウダー茶は、水でも溶けるように加工したもので、一度抽出したものを加工する、またフリーズドライ製法でパウダー状にしたものである。
2. 抹茶と粉茶の違い

抹茶も粉茶も見た目はパウダー状のお茶であるが、実際は別物。最大の違いは、原料となる茶葉(加工)といえそうだ。抹茶の原料がてん茶であるのに対し、粉末茶の原料は煎茶である。それぞれ同じ茶の木の新芽を使って作るものであるが、遮光と揉みの有無によって、それぞれ異なる原料となる。
ちなみに抹茶の原料であるてん茶は、旨み成分であるテアニンが多く、逆に煎茶はテアニンがカテキンに変化するため、渋みが強くなる。ただ、その分栄養価は高い。
ちなみに抹茶の原料であるてん茶は、旨み成分であるテアニンが多く、逆に煎茶はテアニンがカテキンに変化するため、渋みが強くなる。ただ、その分栄養価は高い。
3. 抹茶と粉茶の飲み方

抹茶の場合
もうひとつの大きな違いは、飲み方。抹茶はご存知の通り、茶道で使われることの多いもの。ちなみにお茶は淹れるというが、抹茶は点てるというのが普通である。茶せんと呼ばれる道具を使って、お湯で点てる。泡立てるようにしっかりと混ぜるのがポイントである。細かな泡が表面を覆ったら完成。泡をあまり立てずに飲むこともあるそうだ。
粉茶の場合
対して粉茶は、とても簡単。水やお湯で分量の粉茶を溶くだけ。茶殻も出ず、お茶の栄養を余すことなく、すべて飲むことができるところが嬉しい。ちなみに湯のみがあれば、急須すらいらないので、時短やエコという観点では非常に理にかなっている。
結論
抹茶は、てん茶と呼ばれる手をかけて作られた原料を使ったもの。対して粉茶は、煎茶を粉状にしたもの。回転寿司店で見かけるのは、そのほとんどが後者だ。もちろん味わいもまるで異なるものである。あまり一般化してはいないが、抹茶は茶道でなくとも家で飲むことも可能だ。粉茶は、忙しい人にはぴったりなお茶かもしれない。それぞれにメリットがあるので、シーンによって飲み分けるとよいだろう。
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