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「焦げは食べるな!」は本当?動物性食品と植物性食品で検証する

「焦げは食べるな!」は本当?動物性食品と植物性食品で検証する

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2021年8月10日

小さな頃から「焦げたものは食べるな」といわれてきたひとも多いことであろう。ところで焦げとは一体何なのか知っているだろうか?焦げとは、加熱によって起こる化学変化のひとつである。実はこの化学変化は、動物性と植物性とで異なる面があるらしい。そして食べてはいけないという文言は本当なのか?いくつかの例を見ながら考えてみたい。

  

1. 焦げとは何か?

そもそも焦げとは、その物質に含まれるタンパク質や糖質が化学反応を起こすことをいう。ちなみにここでいう化学反応とは、加熱などの熱反応により水分が失われ、物質が炭化すること、または物質に含まれる炭素が酸素不足により、炭化することをいう。ちなみに焦げが黒く見えるのは、炭化により光を通さなくなるからだといわれている。

美味しい焦げもある

我々が日頃感じる焦げには、美味しい焦げと食べられないほどの焦げがある。そもそも焦げるという現象は、メイラード反応によるもの。メイラード反応とは、アミノ酸やタンパク質などのアミノ化合物とブドウ糖や果糖などのカルボニル化合物が加熱によってメラノイジンを生成する反応である。このメイラード反応によって食材が褐変したり、独特の香気成分、トーストや餅、焼肉など、幅広いシーンで我々が感じているもので、あの食欲をそそるよい匂いが現れたりする。このメイラード反応が進行しすぎると、食べられないほどの焦げになってしまい、最終的には焦げを通り越して、灰になってしまうのである。

2. 動物性食品の焦げと植物性食品の焦げ

実は、焦げは動物性食品と植物性食品によっても違いが存在する。
動物性食品は、加熱すると金属と反応しやすい性質を持っている。フライパンに肉がくっついてしまうのはこのため。くっついてしまと食品の温度が急激に上がり、あっという間に100℃を超えて焦げ付きの状態になってしまう。また、動物性食品のタンパク質が過剰に加熱されると、ヘテロサイクリックアミンという物質が生成される。この物質は代謝によってカラダに悪影響をもたらすと考えられている。

対して野菜やパンなど、植物性食品は、120℃以上で加熱するとアクリルアミドと呼ばれる物質が生成される。ポテトチップスやフレンチフライなどのじゃがいもを油で揚げた製品や、クッキーなどの焼き菓子、コーヒー豆などにも微量だが含まれているといわれている。こちらもカラダへの影響が懸念されているが、こちらは長期的、そして過剰摂取が問題視されているようだ。

3. 焦げを食べてはいけないのか?

そもそも焦げ付きは、多くの場合は苦い味わいで、食品の美味しさを台無しにしてしまう。まず、その美味しさという面から食べるべきではないといえる。

また動物性食品の焦げについては、現段階のエビデンスを確認すると、植物性食品よりも注意が必要であるといえる。植物性食品についても、大量の摂取は危険をもたらす可能性があることを認識しておきたい。

結論

美味しい焦げと焦げ付きの境目は、非常に曖昧である。この点も、情報が撹乱する要素である。ひとついえることは、動物性食品・植物性食品ともに、焦げ付きの大量摂取は控えたいということ。そもそも味覚的に、なかなか難しいはずである。ただ美味しい焦げは料理をランクアップさせるポイントのひとつでもある。毎日バランスのよい食事を心がけること。そして焼く、揚げるといった焦げに通ずる調理法ではなく、煮る、蒸す、茹でるといった調理法をバランスよく取り入れることが重要である。
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  • 公開日:

    2019年7月30日

  • 更新日:

    2021年8月10日

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