1. 酢豚と黒酢酢豚の特徴

酢豚とは、豚肉や野菜に甘酢あんをからめた炒め物のひとつである。発祥は中国だが、日本でも今や、家庭料理としてかなり浸透した料理でもある。酢豚の種類は、大きく分けて2つ。
酢豚の特徴
ひとつめは、パイナップルの有無についてしばしば議論にもなる、野菜がゴロゴロと入ったタイプ。こちらは日本では広東風と呼ばれることもある。その名の通り、広東生まれの料理といわれているものだ。ニンジンやピーマン、タケノコなど、各種野菜と角切りにした豚肉を使用するのが一般的な酢豚で、酢とケチャップ、砂糖、醤油、酒などを合わせた調味料で味付けされている。本場中国でも、酢豚は家庭料理として親しまれているそうだ。現地では「咕咾肉」と呼ばれている。
黒酢酢豚の特徴
もうひとつの酢豚は、日本では上海風と呼ばれるもので、黒酢を使った豚肉だけの酢豚である。真っ黒かつツヤツヤの見た目は、初めて食べる人には少々インパクトが強いかもしれない。ただ味わいは、それとは裏腹、非常にまろやかでクセになる。黒色の正体は、中国の名産品でもある黒酢。現地では豚肉以外にもナス、魚などで同じように作ることがあるそうだ。現地では「糖醋肉」や「糖醋塊肉」と呼ばれている。
2. 酢豚と黒酢酢豚の違い

食材と味付け
2つの酢豚の大きな違いは、素材と味付けに使用される酢にある。普通の酢豚には一般的な酢を使うのに対し、黒酢酢豚は中国の黒酢が味の決め手になる。また酢豚は、さまざまな具材をミックスして使うのが一般的であるのに対し、黒酢酢豚は豚肉のみというシンプルなものが多い。本場でナスや魚を使う場合も、素材は単体であることがほとんどだという。
味わいの違い
酢豚と黒酢酢豚を比べてみると、黒酢酢豚の方が味わいは濃厚。奥行きのある旨みが感じられる。これも、黒酢を使用しているからこそ。また、野菜を入れないので水分が出ることもなく、よりこっくりと仕上がる。対して酢豚は、よりあっさりとフルーティー。パイナップルを合わせるのも、ここに理由があるのかもしれない。
3. 酢豚と黒酢酢豚のコツ

酢豚、黒酢酢豚ともにポイントになるのは、素揚げである。材料を一旦、油にくぐらせておくことで、旨みと水分が凝縮される。また表面にコーティングができるので、あんも絡みやすい。肉だけでなく、野菜もぜひ油通ししてから使っていただきたい。
豚肉の調理法
両者ともに、メインになるのは豚肉。塊肉を使う場合は、筋切りをする、または格子状に隠し包丁を入れておくと、ぐっと柔らかくなり食べやすい。より柔らかな口当たりに仕上げたいなら、切り落とし肉などを使う方法がおすすめである。豚肉を適度な大きさにカットして、酒と醤油、ほんの少しのごま油で下味をつけたら、片手にとってぎゅっと肉片を丸める。表面に片栗粉をまぶして、からりと揚げるだけ。外はかりっと、中はジューシーに仕上がり、とても柔らか。
酢豚というとニンジン、玉ねぎといった定番野菜を思い浮かべる人が多いことであろう。実はこれら以外の野菜もしっくりくる。おすすめはサツマイモや山芋などの芋類。ほくっとした食感と甘酢の相性抜群。サツマイモは火が通りにくいので、電子レンジにかけておくなど、少し火を通しておくといい。
酢豚というとニンジン、玉ねぎといった定番野菜を思い浮かべる人が多いことであろう。実はこれら以外の野菜もしっくりくる。おすすめはサツマイモや山芋などの芋類。ほくっとした食感と甘酢の相性抜群。サツマイモは火が通りにくいので、電子レンジにかけておくなど、少し火を通しておくといい。
結論
酢豚と黒酢酢豚は、味付けに使う酢の種類が異なるということがわかった。また酢豚が多くの具材を投入するのに対し、黒酢酢豚に関しては豚肉、野菜など単体で作ると、味がぐっと締まるのでおすすめだ。仕上げに白髪ねぎを飾ると、見た目が良くなるのでお試しあれ。
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