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南国のスモモ【花螺李(がらり)】特徴や選び方を紹介

南国のスモモ【花螺李(がらり)】特徴や選び方を紹介

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2019年7月31日

その名もエキゾチックなスモモ「花螺李(がらり)」。原産は台湾という花螺李は、昭和初期から奄美大島で栽培されている。南国産のフルーツはおしなべて甘いというイメージを覆すのが、花螺李なのである。小粒できりっとした酸味が特徴の花螺李、その特有性とはいかに?

  

1. 5月に登場する南国産のスモモ【花螺李】

真夏の果実というイメージがあるスモモであるが、南国産の花螺李は5月の中旬から収穫される。奄美大島で丹精込めて栽培される花螺李は、他品種のスモモとはどのような違いがあるのであろうか。

台湾が原産

日本のスモモ市場における花螺李の割合は3%強、奄美大島や沖縄などで収穫される南国のフルーツである。1935年頃に台湾から奄美大島到来し栽培が普及した花螺李は、夏に先駆けて登場するスモモとして1980年代に人気が出て、名前が知られるようになった。

奄美大島で村をあげて栽培されるスモモ

米国のスモモとの交配種が多い日本の現在のスモモの中では、台湾に起源をもつ花螺李は異色の存在である。奄美大島では、その花螺李を島をあげて大事に栽培している。1980年代に花螺李が全国的に知られるようになった理由として、早い出荷時期と美しい色合いにあるとされてきた。

強い酸味が持ち味

花螺李の最大の特徴は、粒が小さく酸味が強いことにある。果実の大きさは平均して40g、主流の品種に比べると半分ほどの大きさである。また、酸味が強いために生で食べることをいやがる人も多い。その分、加工に向くスモモであり、実際にジャムやリキュールなどの製品が数多く存在する。

2. 小粒で中身も濃い色が特徴のスモモ、花螺李

生で食べるのには向かないとされる花螺李であるが、独特の風味、色合い、酸味は、加工用のスモモとしては絶大な人気がある。とくに、加工後の美しい濃赤色はさまざまな分野から注目されている。

花螺李の特徴・選び方

通常のスモモの約半分40gの重さの花螺李は、少し大きめの梅干しといった趣がある。早めに収穫したものは薄い赤色をしているが、成熟した実は濃い紫色である。また、果実の部分も皮と同色である。早めに収穫した実は、かなり酸味が強く生で食することは難しい。花螺李の収穫は5月中旬~6月末まで。他品種とは、最盛期もずれている。奄美地方での栽培が盛んなことから、本州で注文をすると未熟な実が届くことがある。追熟させることで多少甘くなるが、できればしっかり熟した濃い色の花螺李を購入したほうがよい。

3. 酸味が生きる花螺李のリキュール

西洋では、リキュールやワインなどのアルコールは、生水の危険性が高かった時代に生まれた実際的な知恵であったともいわれている。現代でも、欧州では庭で収穫できる果物を使って気軽に自家製のリキュールを作る人が多い。

スモモももちろん、各地で栽培されリキュールにされてきた。色が美しく酸味がほどよいスモモは、リキュールの原料として人気がある。花螺李の特徴である酸味と色は、まさにこうしたリキュール向きといえる。また、花螺李の酸味の強いジャムを使ったタルトも美味だ。

結論

南の国の太陽を吸収したような色が特徴の花螺李。小粒ながら酸味が効いた味わいで、甘酸っぱさを武器にした加工用として絶大な人気がある。家庭でも、ジャムやリキュールであれば気軽に試すことができる。そもそも、スモモとは「酸っぱい桃」に語源があるとされるのだから、その特有性を活かさない手はないのである。その色も魅力的な花螺李、機会があれば、ぜひ一度ご賞味あれ。
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  • 更新日:

    2019年7月31日

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