1. ゼロ塩と身体
塩と身体
塩は、植物性食品でも動物性食品でもない稀有な存在。別名をナトリウムといい、人間が生きていくために欠かせないミネラルのひとつでもある。塩は体液にイオンの状態で溶け、体中に存在している。
塩の役割
塩が人間の身体の中で果たしている役割は、非常に多岐にわたっている。細胞、筋肉、神経の働きを調節する機能を司っているので、不足するとさまざまな障害が起こる。また、味覚や食欲にも働きかけるとされている。
塩の摂取量
日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、健康な成人の1日の塩分摂取目標量は7〜8g未満とされている。個体差があるので人によっても異なるが、どの場合でも過剰摂取は厳禁である。外食や中食は、多くの人が美味しいと感じられるように塩分が家庭で作るものよりも高い可能性がある。毎食となるといささか心配が募るところだ。
2. ゼロ塩レシピ3つのコツ
塩分=悪者という概念は、少々古い印象のようだ。塩分は適量を摂取すべき、重要な栄養素である。ただし、塩分は塩や醤油などの調味料以外にも加工食品に多く含まれる傾向にあり、結果として、過剰になりがちであることは否めない。そこで塩分の摂取バランスを整えるために取り入れたいのが、ゼロ塩レシピである。
3つのコツ
ゼロ塩レシピを上手に取り入れるには、3つのコツがある。まず1つめは、ゼロ塩は限定的に取り入れること。献立すべてをゼロ塩にするとどうしても満足感が得られない。ダイエットでいうところのリバウンドになりかねないので注意が必要だ。献立のうち、1つをゼロ塩にするといい。2つ目は酸味や甘み、出汁の活用。酸味や甘み、出汁が効いていると塩分がなくても美味しいと感じられる傾向にある。上手に使いたい。3つ目は食感に工夫をすること。食感の楽しさもまた、満足度、美味しさに繋がりやすい。また煮物や茹でものは、素材そのものの旨みが流出しやすいため、ゼロ塩レシピには不向きである。
3. 特選ゼロ塩レシピ
野菜のカリカリ和え
野菜をゼロ塩で和え物にするのなら、酸味と食感を効かせるといい。使う野菜は生食できるトマト、きゅうり、ピーマンなどがおすすめ。カボスと焼いた油揚げ、レモンとナッツなど、組み合わせは素材とのバランスをみて調節する。ライムとオニオンフライなどもいいだろう。ほんの少し、出汁を入れると味が締まる。
ささみの粒マスタードソテー
粒マスタードは酸味と食感の両方を兼ね備えた素材。小麦粉を薄くはたいたささみを多めの油で焼いて、いったん皿に取り出す。余分な油を拭き取り、白ワインか料理酒、粒マスタード、はちみつ、無塩バターを入れて煮詰め、ささみにからめる。豚肉のヒレ肉、カジキなどでも応用が可能だ。
キノコのグリル
キノコなど、旨みが詰まっている素材を使うのもひとつの手。潰したニンニクと鷹の爪、オリーブオイルを入れたフライパンでキノコをじっくりグリルするだけで、旨みたっぷりの味わいに。仕上げに胡椒をふりかければ完成。カレー粉をふってもいいだろう。
結論
現代人の暮らしには、塩分過多に陥る危険因子が多く潜んでいる。全体のバランスを整えるためにも、家庭での食事は塩分控えめを意識したい。ゼロ塩レシピを上手に取り入れることで、健康に寄与したいものだ。
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