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秋に登場する正統派の和栗【銀寄】のルーツを探る!

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

2019年8月26日

江戸時代に起源をもつ日本の正統栗と呼ばれる「銀寄(ぎんよせ)」。改良による品種が主流を占める中で、名門丹波栗の真打として気を吐いている。粒の大きさといい出荷される時期といい、まさに盛る秋のシンボル。それが銀寄なのである。今回は、銀寄の特徴を解説する。

1. 和栗本来の特徴をもつ銀寄

和栗のDNAを受け継ぐ銀寄は、それにふさわしい堂々たる大粒が特徴である。由来も明確な正統派であり、品種改良に揉まれて長年生き残っている。銀寄が伝える和栗のスピリットとはいかに?

由来が明確な品種

保存性や甘さなどのメリットを引き出した農林省による品種改良が主流となっている栗市場。そのような中で、江戸時代中期の1753年に大阪府豊能郡能勢町に植えられた栗の木が由来とするのが、銀寄である。
炭水化物やビタミンが多い栗は腹持ちがいい食材であるが、銀寄は飢饉の時代に人々の腹を満たしたという言い伝えも持つ。
1753年から能勢町に存在していた銀寄の原木は残念ながら数年前に朽ちてしまった。しかし、接ぎ木した子孫は健在である。

大人の風格を持つ銀寄

銀寄は、和栗本来が持つ特徴をよく伝えているといわれている。
横にどっしりと長い粒の大きさは、名前負けしない風格だ。色合いも深みのある褐色で光沢があり、成熟を感じさせるのである。また、銀寄の何よりの証としては、艶やかな皮の部分と底辺部の境界線が、非常にくっきりと浮き出ている点にある。
結実が遅い中世栗として、9月下旬から出荷が始まり、粉質の食感が強いが、甘みや香りは十分に堪能できるのが特徴だ。

2. 大器晩成型の銀寄を美味しく味わう方法

歴史的にも由緒ある品種である銀寄は、メリット・デメリット双方を有する。何よりの特徴である粒の大きさを活かした食べ方が好ましい。銀寄の食材としての特徴を見ていこう。

銀寄にもデメリットはある

栗の名門ブランド「丹波栗」として登場することが多い銀寄だが、欠点もある。収穫量が安定しないことと、保存性に優れていないという点だ。
そのため、銀寄が道の駅などで直売される際にも「なるべく早くお召し上がりください」の文字を見ることが多い。

甘みの多い銀寄の楽しみ方

実を熟すのが遅い銀寄は、その分糖度が高い。また、メイド・イン・ジャパンのスピリットを伝える銀寄は、料理人や菓子職人に好まれる品種である。
粒の大きさを考慮すると、渋皮煮はまさに銀寄の本領を発揮するレシピであることは間違いない。また、栗ごはんにすればちまちまとしたスタイルとは無縁の男らしさ溢れるゴロゴロ感で、見た目も上々である。

3. 縁起のいい名前をもつ銀寄栗のエピソード

JA大阪北部によると、銀寄という福々しい名前には理由があるそうだ。
1782年から続いた天明の大飢饉に際して、能勢の栗を大枚はたいてでも求める人があとを絶たなかったという。栗によって、銀札を集めたというエピソードが、そのまま名前となったのである。
天明の大飢饉で有名なのは、さつまいもの普及である。同じ秋の甘い味覚が、飢饉を機会に知名度をあげたというところが興味深い。

結論

能勢の地で枝葉を広げた銀寄は、250年以上を経た現在も和栗の真骨頂として健在である。和栗本来の持つ特徴に加え、歴史の中で育まれてきた風格によって、銀寄は和栗の王者として君臨し続けているのである。
日本人は、その味覚だけではなく銀寄に宿る精神性をも愛してきたのであろう。
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