1. 食パンとは
朝食には、必ず食パンを食べるという人も多いことであろう。多くの人が思い浮かべる食パンは、角型のもので角食パンと呼ばれることもある。この原型となったのが、イギリス食パンと呼ばれるもので、こちらはトップがふんわり丸みを帯びているタイプだ。パン自体は非常に古くから、人々に親しまれてきたが、型に入れて焼くという仕組みになったのは、産業革命の頃という説が有力。この頃のイギリスで生まれたのが、イギリス食パンのルーツになるものだったようだ。イギリスではホワイトブレット、ホワイトローフなどと呼ばれるのが一般的。
1斤はどれくらい?
我々が思い浮かべる角型の食パンは、型のふたを閉めて焼くことであのような形になる。ちなみに食パンは斤という単位で数えられるが、これは重量単位のことで本来は600gを表している。ただ、現在の食パンは350〜500gのものが多いようだ。
〇枚切りの定義
食パンはスライスした状態で販売されているものも多い。○枚切りと呼ばれることも多いが、これは一般的に1斤のパンを何等分したかを表すものである。もちろん例外も存在するが、一般論としては厚みはほぼ同じである。
2. 食パンの由来その1
あんぱんやフランスパンなど、パンの頭につく文字の多くは、含まれている具材や生まれ故郷などを表す場合が多い。そのなかで異質な存在であるのが、食パンである。食べるパンであることは、一目瞭然、誰でもわかることであるのに、どうして食という字が使われているのか?これには諸説が存在する。
主食説
ひとつめの説が、主食のパンであることから、食パンと名付けられたというもの。パンの伝来は、実は種子島に鉄砲がやってきたのと同じ頃。ただ、当時はあまり広まることはなく、一部で食べられているだけのものだった。日本に広く知れ渡ったのは、明治時代である。当時、人気があったのは今でいう菓子パン。米が主食の日本では、甘さのないパンはあまり人気が出なかった。しかし、文明開化とともに欧米化が進むなかで、食パンがじわじわと普及。主食として食べるという認識も広まりを見せ、食パンと名付けられた。なかなか、納得のいく説ではある。
3. 食パンの由来その2
消しパンとの区別
実はパンは、食べる以外にも用途があることをご存知だろうか?美術の世界では基本的な作法として知られるデッサン。このデッサンは鉛筆ではなく、木炭で行う場合がある。専用の紙に木炭で描くのだが、問題は失敗したとき。木炭を消しゴムで消そうとすると紙を痛めてしまうことがあるそうだ。このとき活躍するのが、なんとパンなんだそう。パンで消すと紙を破いたり、汚すことなく、消すことができるらしい。また木炭をぼかし、ニュアンスをつけることにも使用されることがあるそうだ。
結論
食パンの「食」については、このほかにもフライパンとの差別化や酵母にまつわる話など、さまざまな説が存在する。何気なく使っている食パンという言葉にも裏があると思うと面白い。食に関する由来は、調べてみると興味深いものが多い。これを機会にいくつかリサーチしてみてもよいかもしれない。
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