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京都名物のすぐき漬に使われるかぶ【すぐき菜】の特徴を解説

京都名物のすぐき漬に使われるかぶ【すぐき菜】の特徴を解説

投稿者:ライター 田口忠臣(たぐちただおみ)

監修者:管理栄養士 池田絵美(いけだえみ)

鉛筆アイコン 2019年8月19日

ユネスコの無形文化遺産に登録され世界から注目される和食。その和食の中でも、もっとも日本らしい料理が京料理ではないだろうか。そして京料理を脇で支えるのが漬物である。京都の冬を代表する漬物であるすぐき漬に使われる京都の伝統野菜「すぐき菜」の特徴や食べ方について紹介する。

  

1. 京都の伝統野菜、すぐき菜とは

すぐき菜は、千枚漬、しば漬と並び「京都三大漬物」に数えられるすぐき漬に使われるかぶで、京都の伝統野菜のひとつである。すぐきは漢字では、「酸茎」と書き、「水茎(すいくき)」「賀茂菜(かもな)」「屋敷菜(やしきな)」とも呼ばれている。

すぐき菜の歴史

すぐき菜の歴史は、いまから400年ほど前の桃山時代にまでさかのぼる。その起源については諸説あるが、「上賀茂神社」や「上社」の名で親しまれる「賀茂別雷神社」に奉仕する社家(神社に仕える氏族やその家)が、京都御所から賜った種子を、自分の庭に植えたのが始まりだといわれている。

当初、すぐき菜は、上層階級への贈答用の高級品として扱われ、長く社家の屋敷の中でのみ栽培されていた。その後、江戸時代の飢饉のときに難民救済のために公開され、一般の農家でも作られるようになったが、庶民の食卓にあがり広く食べられるようになったのは明治維新以降であり、大正・昭和にかけて東京にまで消費地が広がった。

2. すぐき菜の特徴

すぐき菜は、根が20cmほどのくさび形をしており皮は白く、短めの大根のような見た目である。重さは、1㎏ほど。根は、錘型とやや長い系統とがあり、葉もびわ葉ときれ葉の系統に分けられる。

現在は、京都の北区上賀茂地区や大宮,左京区松ヶ崎の農家約100戸で栽培されており、収穫時期は10~12月頃である。

3. すぐき菜のおすすめの食べ方

京都では、「すぐき」といえば、すぐき菜のことだけでなく、すぐき漬けのことを意味するほど、食べ方としてはすぐき漬けが代表的なものである。しかし、生のすぐき菜が手に入ったときには、ぜひ違う食べ方も楽しんでほしい。

すぐき漬とは

京都の冬を代表する漬物であるすぐき漬は、すぐき菜を塩だけで漬け込んでいる。天秤押しや室入れといった独特な漬け方によって、天然の乳酸菌により乳酸発酵が進みすぐき漬特有の酸味と風味が生まれる。

すぐき漬は、そのまま食べるほか、醤油を少々垂らしてごはんのおともや酒のつまみとして食べるのも人気である。ほかにもすぐきの葉をみじん切りにして炒飯に入れたり、広げた葉を海苔の代わりにしておにぎりにしたりと、いろいろな食べ方が楽しめる。

すぐき菜のおすすめの食べ方

生のすぐき菜が手に入ったら、漬物だけでなく煮物や味噌汁の具材にして食べてみてほしい。葉はお浸しにするのもよし、刻んでごま油で炒めたり、炒飯の具としても美味しく味わえる。

すぐき菜の選び方と保存方法

葉が付いたすぐき菜は、葉が青々としてみずみずしいものが新鮮である。根は、皮に傷がなくツヤや張りのあるものを選ぶとよい。保存する時には、根に水分が取られないように根元から葉を切り落とそう。根の部分は新聞紙やキッチンペーパーなどに包み冷蔵庫の野菜室に入れよう。葉は鮮度が落ちやすいので、さっと茹でてから冷凍すると長く保存することができる。

結論

すぐき菜は、桃山時代から栽培され、400年もの歴史を持つ京都の伝統野菜である。すぐき漬として楽しむのはもちろん、生のすぐき菜を手にする機会があれば煮物や味噌汁など、さまざまな料理で楽しんでみてはいかがだろうか。
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  • 更新日:

    2019年8月19日

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