1. わさび菜の特徴

わさび菜は白菜やブロッコリーと同じアブラナ科の野菜で、九州でもともと栽培されていたからし菜から選抜し、育成された品種である。からし菜同様、ピリッとしたさわやかな辛みがあり、サラダやみそ汁などさまざまな料理に使われる。葉面はちりめん状に縮れ、葉先にはギザギザの細かい切れ込みがある。フリル状になっていて、見栄えもよい。
葉わさびとの違い
わさび菜と同じような名前の野菜に「葉わさび」がある。葉わさびとは、その名のとおりわさびの葉のことで、わさびの花は「花わさび」と呼ばれる。わさび特有の香りと辛みを楽しむことができ、天ぷらやお浸し、漬物などに使われる。一方、わさび菜はわさびとは関係なく、わさびのようなピリッとした辛みがあるためにこの名がつけられたといわれている。つまり、両者は全くの別物であるが、辛みのもとは同じ「アリルイソチオシアネート」という成分で、抗菌作用や抗酸化作用などがあるといわれている。
草津のわさび菜「愛彩菜」
わさび菜を滋賀県草津市の特産品とするため、地元で栽培されたものに名づけられたのが愛彩菜。地元の農家や草津市農業振興協議会などが協力して盛り立てており、飴やドレッシングなどの加工品も作られている。
2. わさび菜の旬や選び方

わさび菜の旬は10~3月、秋から春にかけてである。冬頃のわさび菜は辛みが強くなる傾向があるので、しっかりと辛みを味わいたい場合は狙って買うとよいだろう。一般のスーパーに陳列されることはまだまだ少ないが、時期になると直売所などでは多く販売される。購入する際は次の点に注意するとよい。
葉先までピンと張っていて、黄色くなっていないもの
わさび菜は先端がフリル状にカールしているのでやや確認しづらいが、葉先までいきいきとしているか、黄色く変色していないか
チェックしよう。
チェックしよう。
葉軸がしっかりとしていて、折れていないもの
わさび菜の水分が抜け落ち、弱々しくなっているものは避けよう。手に取ってみてしっかりと軸が立っているものを選ぶとよい。
切り口がみずみずしく、変色していないもの
根元の切り口が乾燥していたり、茶色く変色していたりするものは鮮度が落ちている証拠なので気をつけよう。
3. わさび菜の食べ方

さわやかな辛みとフリル状の葉が特徴的なわさび菜は、生で食べるのがおすすめである。また、ほかの葉物野菜同様、お浸しや煮物などにも使うことができる。
サラダや料理の付け合せに
わさび菜の最もポピュラーな食べ方はサラダである。味、見た目ともに特徴的なので、いつもと違った食卓を演出できるだろう。サンドイッチの具材としても優秀だ。またボリュームのある葉はそれだけで存在感があるので、料理の付け合せにもぴったり。とくに脂っぽい肉料理と合わせると、さっぱりとした後味になるのでおすすめである。より辛みを味わいたい場合は、食べる前にサッと氷水にさらすとよい。
鍋やお浸しに
わさび菜は加熱しても変色しにくく、さっと火を通すことでかえって色味が鮮やかになるので、鍋やお浸しにしても美味しい。ただし、熱を通すとわさび菜特有の辛みはほとんど失われてしまうということをおぼえておこう。
結論
ピリッとしたさわやかな辛さが特徴のからし菜の仲間、わさび菜について紹介した。葉わさびや花わさびとは別物なので購入する際は注意しよう。いまはまだ一般的なスーパーなどに並ぶことは少ないが、味も見栄えもよく、用途も豊富なので、今後目にする機会は増えてくるだろう。早速週末の夕食に取り入れてみてはいかがだろうか。
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