1. お茶に浮かぶホコリ?その正体は...

SNSで「若者がお茶にホコリが入っていると飲まずに返品してきた」と話題になったことがある。
実はこのホコリのような物体の正体は、毛茸(もうじ)と呼ばれる茶葉の産毛のようなもので、高品質のお茶に浮かびやすい。さらに新茶にはよく出るものである。
毛茸は新芽から葉になる直前のごく短期間にだけ生える。役割は害虫や強い光から葉を守るというものだ。葉は成長して強くなるため、次第に毛茸は必要なくなる。若い新芽の時期にだけ必要な毛茸は、よくいえば希少価値が高い高級品の証ともいえる。
2. 毛茸は美味しいお茶の証明書

お茶の木は、気温が低くなる冬の間に根や葉に栄養分を蓄える。春になって新芽が出る頃には、蓄えた栄養分を枝の先に送るのだ。
お茶の葉にはテアニンというリラックス成分が含まれる。さらに、テアニンはお茶の甘みや旨味を担うので、ゆっくり時間をかけて成長した栄養たっぷりの葉は天然の旨味がたっぷり含まれているのだ。
人間の体でも植物でも、産毛は外部の刺激から身を守る役割をしている。美味しいお茶を作るためには、毛茸は欠かせないものといえるだろう。
3. 美味しいお茶の選び方

お茶の種類は非常に多く、銘柄や産地、価格など、何から選べばよいのか迷うだろう。お茶を選ぶときは、次の3つのポイントに習うのがおすすめだ。
1.芽の大きさ
お茶は新芽の方が甘みが強く、高品質とされている。葉が大きくなるにつれて甘みが減り、渋みが強くなるのだ。甘みと渋みは相反関係にあり、甘みの強いお茶ほど価格が高い。
2.お茶の木の育て方
お茶には大きく分けて3つの種類があり、玉露、冠茶、煎茶となっている。玉露は茶畑の上に棚を作って覆いをし、冠茶は黒いシートを掛けて覆う。覆いをかぶせることで渋みの元になるカテキンの生成を抑えられ、甘みの多いお茶となるのだ。甘いお茶が飲みたい人は、玉露や冠茶を選んでみよう。
3.部位で選ぶ
茶畑から収穫され製茶された茶葉を荒茶と呼び、荒茶が加工されることで「本茶」「茎茶」「粉茶」など3種類ができあがる。本茶はお茶の葉の部分から作られたもので、甘みと渋みをバランスよく含んでいる。茎茶は、独特の香りが特徴で甘みを含んでいる。粉茶は文字通り荒茶の粉末の部分で、甘みと渋みが特徴だ。
お茶を淹れるときの温度は、高い方がよいというわけではない。お茶の種類によって最適な温度が異なっている。
煎茶において、なるべく渋み成分を抑えて旨味を引き出したいときには70〜80℃がベストである。また、玉露茶の場合はゆっくりと旨味成分を引き出せるよう50℃ほどの温度で抽出するとよい。お茶とひとまとめにいっても、抽出の仕方で美味しさが変わってしまう。お茶の葉の特徴を知り、それぞれに合った方法でお茶を淹れてみよう。
お茶は種類によって甘みや渋みが異なる。好みによって美味しいと感じるお茶は違うかもしれないが、値段だけではなく自分に合ったお茶を見つけることが大事なのである。
結論
お茶に浮いているホコリのような物体の正体は、新芽にできる毛茸と呼ばれるものである。毛茸は高品質なお茶の証なので、ホコリだと思って捨ててしまうのはもったいない。正しい知識を身につけて、美味しいお茶選びを楽しんでみよう。
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