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糖度18度以上?甘さが特徴のイチジク【とよみつひめ】とは

糖度18度以上?甘さが特徴のイチジク【とよみつひめ】とは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2020年2月20日

「いちじくにんじんさんしょにしいたけ」と昔から伝わる数え歌にも出てくるほど、イチジクは昔から食べられている果物だ。しかし経済栽培が始まったのは大正時代に入ってからで、一般に口にするのは自家栽培のものが多く、品種は限られていた。だが2005年、新しいイチジクの品種が、福岡で生まれた。現代に生まれる果物らしい、甘さを追求したイチジクである「とよみつひめ」について紹介する。

  

1. とよみつひめとは

「とよみつひめ」は福岡県生まれで、2000年代に入ってから品種登録されたイチジクである。福岡県が自信をもって紹介する、オリジナルの美味しいイチジク品種であり、ブランド化を進めている。
福岡県の農業総合試験場豊前分場にて育成されたので、豊前の「豊」と、甘さを示した「蜜」を表し命名された。最後にひめが付くのは、いちごと同じようなものなのだろう。苦労をして長い年月をかけ開発した、娘のように大切な果物なのだと伝わってくる。実際、長い月日をかけて試行錯誤の末に完成したイチジクである。
福岡県のとよみつひめはほとんどがハウスで育っており、6月上旬にはハウス物の出荷が始まる。俳句でイチジクは秋の季語として使われるように、11月頃まで出荷されている。比較的長く楽しめるが、とよつひめの栽培は福岡県内の生産者および生産者団体に限られているため、生産量はあまり多くない。
ただ美味しいだけではなく、鮮度や安全性にもこだわった、福岡県自慢のブランド果物なのだ。

2. とよみつひめの味わいと美味しい食べ方

とよみつひめは、蜜という名前のとおり糖度が高く甘い果実を持つ。平均糖度18度という、これはぶどうやバナナと同程度の糖度だ。
ちなみに糖度が高いので、強烈にただ甘い、とはなりにくい。その果物に含まれるそのほかの旨み、酸味や苦味、香味とのバランス、さらに温度や湿度によっても感じ方が変わってくる。
とよみつひめのもつ甘さは、ほのかな酸味もあり上品で香りまで甘く、つい1つ2つと手を伸ばしてしまう。癖になるような味わいを持っている。

果肉が厚い

薄い皮のすぐ下、白い花托と呼ばれる部分が、ほかの品種のイチジクと比べて黄色味がかっており、厚い。中心の赤い種のような、プチプチとした食感の部分も少し黄味がかりみっしりと詰まっており、真ん中の空洞部分が小さいのも特徴的だ。
ひと口かじると、果肉はとろける柔らかさをもち、滑らかな食感だ。夏の食欲のないときでも、つるりと喉を滑り落ちるようなジューシーな味わいである。

皮ごと食べることができる

果皮の赤紫の鮮やかな色合いは、アントシアニン色素である。この外皮は薄く、そのまま皮ごと食べることができるほどだ。外皮が柔らかく癖がないので、果肉の味を邪魔しない。
包丁を入れて、半分に割ってスプーンで食べることもできるが、皮ごと指で裂いて、そのままかじりついても美味しく食べることができる。薄皮を食い破る快感も食味を増してくれる。
とよみつひめを選ぶときは、全体に丸みを帯びた、ふっくらとした印象のものを。そしてヘタ(可頂部)までしっかりと色付き、甘いよい香りがするのなら、きっとほどよく熟したイチジクだろう。

3. とよみつひめの美味しさを保つための努力

いちじくは弱い果物で、品質が下がりやすく、カビも生えやすい。そこで、農業総合試験場で、光殺菌処理による技術を開発した。
機械にとよみつひめを通し、赤外線と紫外線を使ってイチジクの表面を殺菌する。光を使った殺菌は、薬品を使わずに、安全に殺菌を施すことができるメリットが大きい。そしてむやみに直接果実に触れないことで、果実の傷みや劣化をできうる限り防ぐことができる。

コールドチェーンシステム

収穫してからすぐに15℃前後の寒い場所で、とよみつひめの集荷、パック詰め、販売をこなす。これらは手作業であることが多い。光だけでは弾ききれなかったものを、1つ1つ人力でチェックしていくのだ。
パック詰めも、傷がつくと、そこから腐ってしまうこともある。丁寧な人の手がどうしても必要な場所があるのだ。

高品質トラック輸送

光殺菌処理を施しても、完全に傷んでいくのを止めることはできない。一刻も早く目的地に届ける必要がある。空輸がもっとも早い輸送手段ではあるが、コストがかかりすぎるため、トラック輸送に頼ることになる。
上記の光殺菌技術、そして選果基準の厳守、輸送中も低温に保つ技術によって、イチジクの品質を保ったまま輸送することができる。予冷温度、トラックの輸送中の温度は10℃以下に維持することが不可欠である。
本来、外皮の柔らかい果物は輸送に向かず、フレッシュなものは現地で食べる以外のことができなった。しかし、手でむけるほどの薄皮のイチジクを、傷めずに搬送することができるようになったのだ。

結論

いまは全国各地で、お取り寄せスイーツは根強い人気がある。忙しい現代は、クイックなものが尊ばれ多用されている反面、丁寧で安全なものも求められている。包丁もいらない手軽さと、こだわって丁寧に育てられた国産品種のイチジク、とよみつひめをぜひ試していただきたい。
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  • 公開日:

    2019年9月28日

  • 更新日:

    2020年2月20日

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