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いちじくの品種と旬の時期を紹介!特徴別のおすすめの種類も解説!

いちじくの品種と旬の時期を紹介!特徴別のおすすめの種類も解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年8月23日

古代エジプトの壁画にも描かれ、ギリシャ神話や聖書にも出てくる果実「いちじく」。アラビア半島南部からアジアにかけてのエリアが原産といわれ、日本にはポルトガル人によって江戸時代に渡来したという。生で良し、干して良し、古くから薬効があるとされてきたいちじく。その種類、旬について、学んでみよう。

  

1. いちじくは品種によって旬が違う

いちじくは漢字で書くと「無花果」。なぜこんな名前がついたかといえば、いちじくの果実は内側に多くの小花が密生した花托部分が、壷のような形で肥大し発育したものだから。外皮の中に花が咲き、外側からは見えないことから「花がない果実」という名になった。食べたときプチプチとするのは、この花の食感。つまりいちじくは、たくさんの小さな花がつまった袋状の果実なのだ。
前年枝についた幼果が越冬し、7月頃に熟す「夏果」。そして、その年の新梢に成り熟す「秋果」、そして両方の特徴をもつ「夏秋果」があるため、夏から秋にかけての7~10月が旬となる。

夏と秋が旬のいちじくの品種

夏果と秋果兼用の品種は、市場でも広く扱われているため、目にすることも多いはず。夏果と秋果の特徴を併せもつ、夏秋兼用果。代表的な品種は桝井ドーフィンやとよみつひめ、ホワイトゼノアなどがある。前者2つはよく見かける品種であろう。

夏が旬のいちじくの品種

前年の秋についた花芽が冬の寒さを越え、ゆっくり生育することから、大きく育つのが夏果タイプのいちじく。秋果や夏秋兼用の品種に比べるとやや流通量が少ないのか、見かけることは少なめ。ザ・キングやビオレ・ドーフィンなどが代表的だ。

秋が旬のいちじくの品種

春についた花芽が成長し、秋に収穫を迎える秋果専用の品種。やや小さめの果実が特徴だ。代表的な品種は、蓬莱柿やビオレソリエス、久留米くろみつなどだ。

2. 日本の代表的ないちじくの種類

国内での生産量が最も多い産地は愛知県で全国シェアの約20%を占める。ほか和歌山県、兵庫県、福岡県などが続く。日本国内で栽培される品種は、受粉しなくても果実が大きくなる「単為結果性(たんいけっかせい)」という性質をもつのが特徴だ。ここでは、そんな日本の代表的ないちじくの品種を見ていこう。

桝井ドーフィン

アメリカ生まれの夏秋兼用種。広島の桝井光次郎氏が1909年(明治42年)、米国より持ち帰って以来、いまもなお、最もポピュラーな品種として君臨している。生産量ランキングも1位で、国内のいちじくのシェア80%がこの品種であるともいわれている。大ぶりの果実で、さっぱりと、ほどよい甘さが魅力。

蓬莱柿

中国生まれの秋果専用種。江戸時代の寛永年間(1624~1644年)にポルトガル人によって、長崎に伝来。当時は薬用で栽培されていた。早生日本種とも呼ばれ、上品な甘さとほどよい酸味で、主に西日本で親しまれている。

とよみつひめ

福岡県生まれの限定ブランド品種。夏秋兼用種。やや小ぶりだが、白い果肉部分が肉厚でとろりとした食感。その糖度はいちごの品種「あまおう」にも匹敵し、あとをひく美味しさ。人気上昇中の品種だ。

カドタ

イタリア生まれの夏秋兼用種。果実は小さめの一口サイズで外皮は緑色や琥珀色。甘みもしっかりあり、家庭栽培用としても人気。自家製ドライフルーツにも向いている。

ビオレ・ソリエス

フランス生まれの秋果専用種。フランスやトルコで主流の品種。やや小ぶりで偏平な形。外皮は濃い紫色で、果肉の白い部分は少なめで、赤い部分がねっとりと甘くいちごジャムのよう。

3. 特徴別:いちじくのおすすめ品種や苗木

いちじくは、世界中で愛されている果物のひとつであり、世界最古のフルーツとも呼ばれる存在。世界にはさまざまな品種が存在し、その数は数百以上。ここではなかでも珍しい品種や皮ごと食べられる品種など、変わり種を紹介していこう。

珍しいいちじくの品種

日本で栽培されているいちじくは、桝井ドーフィンをはじめとする前述の4種がメインだ。しかし、世界には数多くのいちじくが存在する。美しい黄緑色の果皮が目をひくアメリカ生まれのドーレ・ド・ポルクロールは、甘すぎず、さっぱりとした味わいが特徴。耐寒性のあるスイス生まれのノルドランドは、秋冬兼用種。夏と秋、二度収穫が楽しめるブラウンターキーは、家庭菜園向きとされる品種だ。

糖度が高い甘いいちじくの品種

そもそも糖度の高いいちじくのなかでも、群を抜いて糖度が高い品種が存在する。なんと糖度が30度にもなるというヌアールKは、フランス生まれ。熟すと黒っぽくなる。こちらも糖度が30度にのぼるパスティリエもフランス生まれ。小ぶりの大きさで甘みがたっぷりだ。フランス生まれのヌアール・ドカロンは、紫褐色の果皮と黄色の果肉。しっとりとした舌触りと甘みが特徴だ。

いちじくの新品種

いちじくは、新しい品種もどんどん登場している。流通の数は非常に少ないが、比較的自宅で簡単に実をつけてくれるので、苗木も販売されている。フランス生まれのロンドボルドーは、小ぶりのいちじくで、熟すと黒っぽくなる。深みのある味わいとジャムのようなとろりとした舌触りが特徴だ。

皮ごと食べられるいちじくの品種

いちじくは、基本的に皮のまま食べることができるが、口に残ることがある。ただ、産毛が少ないいちじくを選べば、そんな心配も無用だ。イタリア生まれで上品な甘さが特徴のカドタは、黄緑色の果皮とピンクグレープフルーツのような色合いの果肉。ドライにもできる品種だ。

耐寒性があるいちじくの品種

いちじくは、そもそも西アジア〜アラビア半島が原産なので、温かい気候が栽培に適しているが、耐寒性のある品種であれば、寒い地域でも育てられる。加工しても崩れないしっかりとした果肉が持ち味のホワイトゼノア。アメリカではケーキ用の品種として知られている。ジャムのようなねっとりとした食感と甘みをもつセレスト。美しい赤紫色も特徴だ。

大きいいちじくの品種

手荷物とずっしりとした重みを感じるほど、大きいいちじくもある。ニュージーランド生まれのリサは、耐寒性のない品種で果肉は蜂蜜のような黄色。香りが非常にいい。そもそも糖度の高いいちじくのなかでも群を抜いて甘いいちじくも数多くある。黄緑色の果皮のロングドゥートは、とにかく大きいのが特徴。280gもあり、濃厚な甘みがたっぷり。酸味はほぼないといえるくらい少ない。

ミニいちじくの品種

小さめのいちじくは、そのままパクリと食べたくなるような愛らしいフォルムだ。アメリカ生まれのザ・キングは、リッチな味わいでその名の通りとても大きくなる。美しい黄緑色の果皮とイチゴを思わせる果肉が自慢だ。果皮が薄く、そのまま食べることができるアーティナ。収穫量も比較的多く、甘みもたっぷり。

緑のいちじくの品種

果皮が緑色のいちじくの品種も増えてきた。こちらは、熟しても黒や赤紫にはならない。アメリカ生まれのメアリーレーンは、さっぱりとした味わいが特徴で、果肉もオレンジや黄色で、赤にはならない。黄緑色の果皮と真っ赤な果肉のコントラストが美しいアルマは、アメリカ産。小さめでドライにしても美味しい品種。

4. 旬のいちじくを美味しく食べるコツ

旬が短いいちじくをより美味しく食べるためのコツを紹介しよう。選び方から保存方法、食べ方までを網羅すれば、一番美味しいいちじくを食せるだろう。

旬のいちじくの選び方

いちじくを選ぶ際は、全体をよく見てから見分けよう。ふっくらとして傷がなく、果皮にハリがあり、手でさわると軽くへこむくらいの弾力があるものが、甘くて美味。ヘタの切り口についている白い液は新鮮さの証だ。また、ハトメ(果頂部)の部分が開いているのは完熟しており、割れてしまうと熟し過ぎなので、食べごろをよく見極めたい。

旬のいちじくの保存方法

日持ちはあまりしないので、入手後は直ちに食べたほうがベター。乾燥が大敵なので、ポリ袋に入れたり、ラップでひとつずつくるんでから冷蔵庫で保存を。一度に食べきれない場合は、シロップやワインで煮てコンポートにしたり、ジャムにしてもいい。

旬のいちじくの美味しい食べ方

生でそのまま食す場合は、バナナのようにヘタの部分から皮をむいていけばOKなので、実に手軽だ。とよみつひめなど皮が比較的しっかりした品種は、皮をむかずにキウイのように食べる方法もある。ナイフで縦半分にカットして、そのままスプーンで食べれば、手を汚すことなくいただける。
ほか、皮をむきカットしてから生ハムやスモークサーモンを巻いたり、サラダに入れたり、肉料理にさっとソテーして添えたり、フライや天ぷらにしてもよい。ワインのつまみや料理に華やかさを添えるいちじくを、旬の期間はさまざまにアレンジして存分に楽しみたい。

結論

いちじくに含まれるタンパク質分解酵素フィシンは、肉と食べ合わせた場合、速やかな消化を助けてくれる。バテ気味になる夏、ついつい食べ過ぎがちになる秋、旬を迎えるいちじくは積極的に摂りたい果物ともいえそうだ。とはいえ、糖度が高いので食べ過ぎも禁物。珍しい品種に出会えたら、ぜひチャレンジしてみてほしい。
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  • 公開日:

    2017年11月 5日

  • 更新日:

    2021年8月23日

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