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まるで黒いダイヤ?幻のイチジク【ビオレ・ソリエス】とは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

2019年11月11日

日本で食べることができるイチジクのほとんどは「桝井ドーフィン」と「蓬莱柿」の2種類が占めているが、ごくごく少量ながら、その特徴的な味わいのため名を馳せる品種がある。その名も「ビオレ・ソリエス」である。希少種ゆえに幻のイチジクとも呼ばれる品種について紹介したい。

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1. ビオレ・ソリエスはフランス生まれ

ヨーロッパでは日本より古くからイチジクが食べられてきた。メソポタミアでは、6000年以上も前から栽培されてきた跡があり、古代ローマでも食べられてきた果物である。聖書にでてくるアダムとイブが、知恵の実を食べた後、裸の身体を隠すのに使った葉がイチジクの葉であるという話は有名である。
「ビオレ・ソリエス」はフランスでよく食べられているイチジクの品種である。フランス語で「Viollette de sollies」、ヴァイオレットはすみれ色、ソリエスはフランスの地名である。または「ブラジャネットノワル(Bourjassotte noire)」とも呼ばれ大正時代に日本に入ってきたという。
イチジクは熟して尻の部分(可頂部)が裂けてきたころが食べごろだが、このビオレ・ソリエスは熟しても皮がはじけにくいため、輸送に向いているといわれる。
しかしイチジクは傷みの早い果物で、フレッシュな状態で輸入されることはほとんどないと思っていい。食べたいと思ったら国産品を探すか、食べるために国を飛び出して行くしかない。
ビオレ・ソリエスは、フランスでは人気の高級果物でよく知られているが、日本ではあまり流通していない。フレッシュなものを食べたいと思っても、国内には本当にわずかな生産者しかおらず、そのほとんどが佐賀県産となっている。生産者はその希少性から、「黒いダイヤモンド」「幻のイチジク」と呼んでいる。
またビオレ・ソリエスは夏秋兼用の果実だが、ほとんどが秋採りになり、収穫期は9月下旬~10月半ばと短い。

2. ビオレ・ソリエスの味わい

見た目

黒々とした外皮が印象的だ。ヴァイオレット(すみれ色)やノワール(黒)と海外で呼ばれる通り、濃い色の外皮を持つ。この黒はアントシアニンによる色だといわれている。新線なものには白いブルームという、果粉が浮かんでいる。
小ぶりな果実、いちじくらしい雫型とは少し違い、円型、扁平に近いものもある。50~80g、プラムほどの大きさだ。
外皮の色が濃く色付き、触ってみて柔らかくなりはじめたころが食べごろだ。天候に左右されやすいビオレ・ソリエスは、カビの繁殖などを防ぐため、雨の日は収穫作業をしない。日がのぼる前の朝暗くて涼しいころから収穫を始め、大切に保管し輸送される。

味わい

甘さにも非常に特徴がある。とにかく甘いのだ。糖度は20度以上にもなる。すいかの平均糖度が10~12度であることから、どれだけ甘いか想像してみてほしい。
カットして中を見てみると、皮下すぐの白い部分は薄め、赤いつぶつぶした部分が大部分を占めているのがわかる。赤い部分から滴りそうなほど蜜があり、ジューシーだ。
食べてみれば、甘い香りが鼻先を抜け、果肉と赤いつぶつぶ部分がねっとりと舌に絡みつく。驚くほど甘く、煮詰めたジャムを食べているような錯覚にも陥る。

3. ビオレ・ソリエスの入手・保存方法

入手方法

ビオレ・ソリエスは一部地域でしか、日本では栽培されていないが、実は園芸品種でもある。栽培がとても難しい品種であるといわれているが、少量の苗木を育てるのなら、さほど難しくはないようだ。
イチジクは、木で完全に熟れたものを収穫したものが一番甘くて美味しい。苗木を育てて、翌秋には収穫できるのも嬉しい。一本の苗木から、1~2年で収穫が可能で、10個前後の実をつける。一番美味しい瞬間のイチジクを食べようと思ったら、育てるのが近道かもしれない。

冷凍保存

もしビオレ・ソリエスを保存するならば、洗って冷凍保存をしよう。糖度が高いので、がちがちに凍ることはなく、少し柔らかめになる。そのままシャーベットのようにして食べても美味しいし、凍らせたままシャーベットやデザートのトッピングにしてもよい。また、一度凍らせて解凍したものは、味がしみるのが早い。ワインや香辛料とひと煮立ちさせ、漬け込み、イチジクのワイン煮にするのも贅沢でいい。
ただし一度冷凍してしまうと、ビオレ・ソリエス内の細胞が壊れてしまい、解凍しても同じ食感にもどることはない。

ドライイチジク

セミドライなら3~5日、ドライイチジクなら1週間ほどの時間がかかる。きれいに洗ったビオレ・ソリエスを、くし形に切りネットに入れて風通しのいいところに置いておくだけでいい。ヨーグルトに入れたり、グラノーラに混ぜたりと、使い勝手がよくなるので、ドライにするのもおすすめである。

結論

イチジクといえば、コンフィチュールやジャムにしても美味しいが、ビオレ・ソリエスのように甘いイチジクならば、生で食べるのが一番美味しい。黒いダイヤ、幻のイチジク、そして他の追随を許さない圧倒的な糖度から、イチジクの王様とも呼ばれる。いまは生産量が少ないが、今後増えていくことが期待されている、品質のよいイチジクである。

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